Japanese F3

F3_Rd8:SPEEDMASTER SKILLSPEEDリリース

(このリリースは未掲載だったものを載せています)

       全日本F3選手権第8戦 TIサーキット英田
           8月28日/土曜日 公開テスト

    【非公式ながらコースレコードでトップタイム!】

 いよいよF3シリーズも大詰め、夏の陣最終章“TIラウンド"が始まった。今
回は予選と決勝が日曜日に行なわれるワンデイレースとなっており、今日は公
式練習となった。午前と午後の2セッションが行なわれ明日の予選に向けて精
力的な走り込みを行なった。
 明日の予選は午前に行なわれるため、なるべく同じような条件下でアタック
しておきたいため午前中にニュータイヤでの予選を想定したアタックをする予
定であった。
 昨日の合同テストからまずまずの手応えを得ていた伊藤大輔は、じっくりと
マシンを煮詰めていった。ユーズドタイヤで1分28秒を切るまでマシンを煮
詰めていき、セッション残り15分ころにニュータイヤを投入した。アタック
1周目に1分27秒29をマークしあっさりとトップに立つ。その後続けてフ
ライングラップに入ったが、スローカー2台に引っ掛かってしまい無駄にタイ
ヤを消耗させてしまうラップが3周続いた。これでタイヤのオイシイ部分を使
い切ってしまったかに思われたが、伊藤はスローカーを抜きもう一度アタック
に入ると、27秒04、27秒02と立て続けに好タイムを叩きだして見せ仕
上がりの良さをアピールした。目標のタイムには及ばなかったものの、これが
大きな自信となったのは言うまでもない。ちなみにこのタイムは非公式ながら、
コースレコードである。
 午後の走行が始まる直前から雨が降り出し、それはすぐに止み、セッション
が進むにつれコースは乾いていった。終盤になるとニュータイヤを投入してく
るチームがあり上位のタイムをマークし始めた。しかし、所どころに雨が残っ
ておりコース状況が一定でないところでのアタックは、意味がないと判断した
我々はそのままユーズドタイヤでセッションを走り切って今日の走行を終えた。
 同じ判断を下したのは4番手につけた金石選手と7番手のマニング選手。昨
日からの流れを考えると、まず明日の予選は実質上このふたりとの戦いとなり
そうだ。

◆公開練習結果(午前/トップ10)
1位;伊藤大輔   1分27秒026   SPEEDMASTER SKILLSPEED   
2位;荒 聖治   1分27秒417   TOMS
3位;ワグナー   1分27秒455    TODA RACING
4位;ビルタネン  1分27秒458   TEAM 5 ZIGEN 
5位;マニング   1分27秒560   TOMS
6位;黒澤治樹   1分27秒810      LIAN RACING TEAM
7位;井上智之   1分27秒820   TOMS
8位;金石年弘      1分28秒048    DOME CO LTD
9位;メディアーニ 1分28秒116      HKS CO LTD
10位;谷川達也      1分28秒302   PAL SPORTS

◆公開練習結果(午後/トップ10)
1位;松田次生      1分27秒904      NAKAJIMA HONDA
2位;黒澤治樹   1分28秒208      LIAN RACING TEAM
3位;ビルタネン  1分28秒524   TEAM 5 ZIGEN
4位;金石年弘      1分28秒668      DOME CO LTD
5位;伊藤大輔   1分28秒968   SPEEDMASTER SKILLSPEED
6位;メディアーニ 1分29秒013      HKS CO LTD
7位;マニング   1分29秒139   TOMS
8位;井上智之     1分29秒312   TOMS
9位;フィリップ    1分29秒322      INGING
10位;谷川達也      1分29秒460      PAL SPORTS

伊藤大輔;「明日の予選と同じ時間にニュータイヤを確認できたのが良かった。
マシンはかなりいい感じで仕上がってきています。朝、遅いクルマに引っ掛か
らなければもう少しタイムを縮めれたと思う。明日はワンデイレースとなって
いますが、まずは予選で先制パンチを食らわせたいですね! 精一杯頑張りま
す」

百田義弘チーム監督;「まずまずの仕上がりですね。先週のテストから1秒タ
イムを縮めることができた。今日のアタックは伊藤の読みの甘さが出てスロー
カーに引っ掛かってしまったから失敗。目標タイムはもっと上でした。今のマ
シンと伊藤の力があればそのタイムは確実に出るはずです。明日はタイミング
を逃さずまずは予選でポールを狙います。ラクではないでしょうが、具体的に
はマニング選手が直接の敵になるはずです」

深尾栄一チームマネージャー;「総合的にいい感じでチームが仕上がってきて
いる。ムードはすごくいいです。気を緩めずに明日の予選に臨みます」   

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       全日本F3選手権第8戦 TIサーキット英田
         8月29日/日曜日  公式予選

        【0・046秒差で2番手ゲット】

 快晴に恵まれたTIサーキット、今回は朝8時25分からフリー走行、11時25 
分から公式予選というスケジュールとなっていた。このフリー走行で、マシン
の最終確認をするわけだが、伊藤大輔は昨日走り込んだユーズドタイヤで1分
27秒013で4番手タイムをマークした。トップ3を含めて周囲は昨日皮剥き
程度しか走っていない新品同様のタイヤを使用していることから、この順位に
は悲観することはまったくなかった。むしろ自信となったといえる。またそれ
と同時に直接的なライバルはマニング選手ひとりと確信した。
 迎えた公式予選、セッション開始はいつもどおりのウエイティング。戦況を
細かく観察しながら、アタックのタイミングを待った。マニング選手とほぼ同
時期に伊藤をコースインさせたのは、残り15分を切った時だった。
 伊藤よりも1周早くコースインしたマニング選手は、それまでのベストタイ
ムをマークしていた松田選手のタイムをあっさり破る1分27秒109でセッ
ションリーダーに立つ。その直後、1分27秒106で伊藤がいっきに2番手に
浮上しピタリとマニング選手をマークした。次の周にマニング選手が26秒
746を叩き出すと、伊藤も26秒885で応酬。予想どおり、この予選はマニ
ング選手との一騎討ちとなった。
 決定打がないままラスト10分となったところでマニング選手がピットイン。
規定で許されている(6本)残り2本のニュータイヤを投入し、いっきに突き
放す作戦で出てきた。スピードマスター・スキルスピードも伊藤をピットに呼
び戻し、最後のアタックを3周させようと考えた。しかしピットロードに戻っ
てきた伊藤が、任意の車検を受けるためウエィング・エリアに入れられてしま
う。わずか2分ほどの確認であるが、この時間が明暗をわけてしまった。確実
にアタックラップが1周減ってしまったからだ。
 素早くタイヤ交換し、伊藤をコースに送りだしたが、残りの時間から2周し
かアタックできなかった。その1周目、伊藤は1分26秒792までタイムを短
縮。マニング選手との差を0・046秒差まで追い込みながら、ラスト1周の
アタックにすべてをかけた。しかし、この時、第1コーナーでコースオフした
車両を回収するためオフィシャルが数名コースサイドを走っているのを伊藤は
確認し、アクセルオフを余儀無くされてしまいラストアタックは不発に終わっ
てしまった。
 タイヤを交換してもタイムアップを果たせなかったマニング選手に対して、
明らかに伊藤の方に勢いがありタイムアップはほぼ間違いなかっただけに悔し
い予選となってしまった。しかし、午前中、レースセッティングに集中してい
た伊藤は、コンスタントに27秒前半で走っており勝算は充分あるといえよう。
果たして、マニング選手に一矢報いることができるか? 決勝レースは3時に
スタートする。

◆公式予選(トップ10)
1位;マニング   1分26秒746   TOMS
2位;伊藤大輔   1分26秒792   SPEEDMASTER SKILLSPEED
3位;ビルタネン  1分26秒843   TEAM 5 ZIGEN
4位;金石年弘      1分27秒043   DOME CO LTD
5位;フィリップ    1分27秒208      INGING
6位;松田次生      1分27秒267      NAKAJIMA HONDA
7位;メディアーニ 1分27秒434      HKS CO LTD
8位;ワグナー   1分27秒456    TODA RACING
9位;井上智之   1分27秒618   TOMS
10位;谷川達也      1分27秒701   PAL SPORTS

伊藤大輔;「悔しい。ウエィングエリアで待っている間、気が狂いそうになる
くらい時間が長く感じられた。マシンの調子は抜群に良く、ピットに入ってき
た時にコンマ1秒差を確認し、絶対に破ってやると思ったし、その自信もあっ
た。最後のアタックでは、コースのすぐ脇を走るオフィシャルが見えたので、
危険だったからアクセルを緩めざるを得なかった。マシンの調子はいいし、コ
ンスタントに速く走れる。今日のレースは序盤からチェッカーまで全力を尽く
して、マニング選手に前回のお返しします!」

百田義弘チーム監督;「予定外だったのが、ウエィングエリアに入れられてし
まったことですね。あれは痛かった。決勝用のセットはもう出ているので、不
安はないです。ギリギリまでコンディションをみて、微調整が必要かもしれま
せんが、いずれにせよ後は伊藤がどんなレースをするかですね」

深尾栄一チームマネージャー;「惜しいところでポールを逃してしまいました
が、タイム差は無いに等しい。決勝への仕上がりにも自信がある。マカオの出
場権や、シリーズ2位を確定させることも重要ですが、レースである以上、勝
ちたい。いつにもまして総合力の勝負となっているこの週末、最後にはうっ
ちゃりたいですね」

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      全日本F3選手権第8戦  TIサーキット英田
          8月29日/日曜日 決勝レース

     【無念の4位。しかし、シリーズ単独2位に】

 異例のワンデイ・レースとなった今回の第8戦、予選2番手の伊藤大輔は最 
前列のイン側にマシンを止めた。なんとかマニング選手に一矢を報いたい伊藤
は、その思いどおりイン側の汚れた路面から絶妙なスタートダッシュを見せ、
マニング選手と激しい先陣争いを展開しながら、1コーナーに突入した。シ
リーズは決まってしまっているとは言え、レースとなれば闘争心が剥き出しに
なり、ホイール・ツー・ホイールで牽制しあいすぎたか少し接触して失速、そ
のふたりの様子を後方から見ていた予選3番手のビルタネン選手がスルリとイ
ンに入ってきてトップに立ってしまう。

 マニング選手との争いに競り勝った伊藤は2番手、アウト側で踏ん張りきれ
なかったマニング選手はフィリップ選手にも抜かれ4番手に落ちてしまった。
ビルタネン、伊藤、フィリップ、マニング、松田のオーダーで1周目が終了し
たわけだが、朝のペースをキープすればビルタネン選手攻略は時間の問題かと
思われた。しかし、序盤戦から伊藤はペースを上げられない。逆に後続のフィ
リップ、マニングの外国人勢にプレッシャーをかけられる展開に。

 2番手で後続を振り切り、早くビルタネン選手に集中したい伊藤であったが、
防戦に手一杯になってしまう。そして5周目、裏の長いストレートでスリップ
ストリームに入っていたフィリップ選手に対して伊藤はインを抑えてヘヤピン
をターンするが、アウト側にいたフィリップ選手の旋回スピードがまさってお
り、並んだまま立ち上がった時点で勝負は決まってしまった。次のコーナーは
左ターンとなりフィリップ選手に優先権があったからだ。その左コーナーでイ
ンにいたフィリップ選手が伊藤を押し出すような形でコーナリング体制に入る
ことになってしまい、インががら空きになった瞬間マニング選手にも抜かれて
4番手まで落ちてしまった。

 その後は1分28秒台で走るトップ3のペースについて行くことができず、そ
のままの順位でチェッカーとなってしまった。伊藤のペースはチームが想定し
ていたレースペースと比較すると明らかに遅かった。スタート直後の混乱で接
触してマシンのバランスが崩れてしまったかと思ったが、伊藤のコメントから
は接触によるバランスの悪化は見られなかった。決勝レースは午前の予選より
もはるかに暑く、その度合いがあらかじめ想定していたものよりも大きかった
ことからくるバランス変化が原因のようだ。
 4位で終わってしまったものの、シリーズ上絶対に抜かれてはいけないメン
バーに対しては前でフィニッシュしたことで確実にポイントを稼ぐことができ
た。これで単独のシリーズ2位に上がるという今回のマスト事項だけは守るこ
とができ、マカオGP出場がより現実的になってきた。
 となると、マシンのシッピングの関係上次のもてぎ・ラウンドが我々にとっ
ての最終戦となる。あと1回だけ勝つチャンスが我々にはあるということだ。


◆決勝レース結果(トップ10)
           タイム差       ベストラップ   チーム
1位;ビルタネン 37分16秒214 1分28秒614 TEAM 5 ZIGEN
2位;フィリップ     4秒276 1分28秒612 INGING
3位;マニング      6秒007 1分28秒495 TOMS
4位;伊藤大輔     11秒691 1分29秒007 SPEEDMASTER SKILLSPEED
5位;松田次生     12秒226 1分28秒989 NAKAJIMA HONDA
6位;メディアーニ   15秒607 1分29秒096 HKS CO LTD
7位;金石年弘     16秒133 1分28秒825 DOME CO LTD
8位;ワグナー     20秒267 1分29秒235 TODA RACING
9位;谷川達也     32秒340 1分29秒813 PAL SPORTS
10位;荒 聖治     32秒874 1分29秒816 TOMS

伊藤大輔;「ウオームアップの時にマシンのバランスが崩れていることがわ
かった。ただ、それはウオームアップの1周だけのフィーリングだけだから、
それが果たして正確にマシンの状態を把握できているかどうか不安だったので
敢えて言わないでいた。この週末中ずっとマシンの調子が良かったから、それ
を信じたんです。結果的にはそれが間違いで、悔やまれます。1コーナーのマ
ニングとの競り合いに今回は勝てたけど、もうオープニングラップから抜かれ
たビルタネンのペースにはついていけなかった。2番手をなんとか死守した
かったけど、マシンの状態を考えると難しいと思った。フィリップにヤラレた
時も必死に抵抗はしてみたんだけど、あれが限界だった。この週末はずっと調
子良かっただけに、チームのスタッフや応援してくれている方々に優勝をプレ
ゼントしたかったんですけど、それを実現できずにごめんなさい。次こそは表
彰台の最上段に立ちます」

百田義弘チーム監督;「コンディションを深読みしずぎた。マシンのバランス
がこのコンディションに合っていなかったんでしょう。伊藤にはエンジニアと
して申し訳なく思う。ここ数戦の伊藤の成長は著しく、今日も不利な条件下で
最後までよくしのぎ切った。以前の彼だとズルズルと後退してしまっていたは
ず。もう日本人の中ではF3では彼が一番でしょう。だからこそよけいに次の 
レースで彼に勝たせたい」

深尾栄一チームマネージャー;「なかなか勝てないですね。ほんのちょっとし
た読み違いだったようです。そのほんの小さなことがトップグループの争いと
なると致命的になる。また、伊藤の中にはぶつけてでも抑えたいという気持ち
と同じくシリーズの流れをどうしても考えなくてはいけないので無理はできな
かったようです。その甲斐あって、これでシリーズ単独2位になれたわけで、
次のレースでは思いきり戦わせます」

NEXT ROUND→10月3日 ツインリンクもてぎ(栃木県)

情報提供:SPEEDMASTER SKILLSPEED
     スピードマスターレーシング事務局
     http://www.speedmaster.co.jp


        *** FMOTOR4F SysOp 北島滋穂(SDI00685@nifty.ne.jp) ***



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