Footwork RACING TEAM ’90ミリオンカードカップレースROUND2鈴鹿 プレスリリース ’90全日本フォーミュラ3000選手権シリーズ第4戦 平成2年5月26日~27日 鈴鹿サーキット(5.85943km) 1990年5月27日 全日本F3000選手権第4戦は、転戦の後再び第1戦と同じここ鈴鹿サーキット に戻って開催される。 西日本サーキットで行われた第3戦での今シーズン初めての入賞、そしてベルタッ ジァにとっても(F3000では)チームにとっても久し振りの表彰台となった喜び もつかの間、次の戦いはすでに始まっていたのだ。 チームは例によって入念に仕上げたクルマを携え、木曜日に鈴鹿入りした。 ベルタッジァ自身他のサーキットに比べ、鈴鹿はかなり走り慣れてきており、調子 も上がってきていることから、期待の持たれるレースが予想された。 ★5月25日 フリー走行 1回目 10:20~11:20 天候 快晴 2回目 13:20~14:20 今回のレースも全部で32台のマシンがエントリーしている。フリー走行は全車一 斉での走行となる。快晴の空の下、フリー走行はスタートした。気温は徐々に上がっ てきている。ベルタッジァは早速コースイン。すぐにピットに戻り、各部をチェック。 再びコースへ戻ったが、赤旗となったためすぐにまたピットに入る。 その後コースに戻り、1分51秒~52秒台で4周ラップする。この後ピットでリ アウイングとサスペンションを調整し、再び周回。1分51秒台で数周し午前中を終 えた。 午後は、ローラT90の鈴鹿でのセッティングを煮詰めるために、数種類のコンパ ウンドの違うタイヤを履き替えそれぞれをトライし、全体のバランスを取ることに専 念した。 コースインして、1分51秒~52秒台で4周ラップする。その後ピットに戻り、 タイヤを交換する。そして16周目に1分49秒5を出し、これがこの日のベストと なった。 ▽エンリコ・ベルタッジァの談話 「フィーリングはなかなかいいよ。セッティングのコツもだいぶのみこめてきた感 じだ。今日はタイヤをいくつか試しながらセッティングを進めていったんだけど、レー スタイヤのセッティングはかなりいいフィーリングだよ。明日の予選も晴れてかなり 気温が上がりそうだし、午前中のうちにタイムを出しときたいね。」 ★第1回公式予選(Aグループ9 9:55~10:25 快晴 参加台数が多いため、公式予選は全日本選手権ポイント及び前年度の実績をもとに 2グループに分けて行われる。そしてA・B各グループのそれぞれ予選上位14台が 決勝に進出できる。Aグループ・Bグループ各16台ずつに分けられ、ベルタッジァ はAグループで予選を戦うことになった。 この日も空はきれいに晴れ渡り、気温もかなり上昇しそうである。 ベルタッジァはQタイヤを履き、コースへと向かう。早速タイムアタックに入り、 まず1分50秒2を出す。そしていったんピットに戻り、タイヤを交換してタイミン グを計り再びコースに戻る。2度目のタイムアタックでは1分49秒328を出し、 結局これが1回目の予選のベストタイムとなった。 ★第2回公式予選(Aグループ) 13:55~14:25 快晴 2回目の予選時も空は引き続き晴れ渡り、汗ばむほどの陽気である。路面温度もだ いぶ上昇してきて、コンディションは午前中に比べやや悪化している。 こうして状況から、午前中のタイムを上回るのが難しいと判断してベルタッジァは、 作戦を変更しレースに向けて調整を進めながらのタイムアタックを行うことにした。 コースインしたベルタッジァは、コース上にクルマが多いこともあり、すぐにピッ トに入りタイヤを交換した。再びコースに出てタイムアタックに入ったベルタッジァ は、1分51秒034のタイムを出す。いったんピットインした後の最後のアタック ではこのタイムを上回れず、結局このタイムが2回目のベストとなった。総合では1 回目の1分49秒328がベストで、Aグループ9位、決勝レースは前から9列目か らのスタートとなった。 ▽ベルタッジァの談話 「正直言って、ちょっと悔いの残る予選でした。本当は1回目の予選でもっとタイ ムを出したかったんですが、1度目のタイムアタックは1コーナーで前のクルマがハー フスピンしたのに引っ掛かり、2度目のタイムアタックはコース上の遅いクルマに引っ 掛かって、結局フライングラップができずに終わってしまったんです。2回目の時は コンディションが1回目の時より悪く、またタイヤもうまく使いきれなかった。 前から9列目スタートというのはちょっとつらいけど、レースはふたを開けて見な いとわからないし、精一杯がんばります。」 ★決勝レース 14:30スタート 5.8594km×35周 快晴 決勝当日も朝から好天、かなり強い日差しの下でレースを迎えることとなった。 午前中のウォームアップ走行では、満タンでのセッティングを進めていき、決勝前 までにフロントサスペンションのセッティングを若干変えてレースに臨んだ。 レースはほぼ予定通りにスタート。混乱もなくきれいなスタートの中、ベルタッジァ も順調に16番手で1周目を終えた。最初1分56秒台で始め、2周目に関谷に抜か れたものの、4周目、5周目とペースを上げていき追撃態勢に入ろうした7周目であっ た。 デグナーを抜けたところでベルタッジァのマシンは単独スピンを喫してしまう。マ シンはそのままグラベルベッドに突っ込み、万事休す。あまりにもあっけない幕切れ であった。 レースは、Aグループトップのポジションから飛び出して松本が、終始リード。 序盤から中盤にかけて、3位から2位へとポジションアップしてきた星野が松本の すぐ後方まで迫った。しかしその後再び差を広げていき、そのままゴールへ。2戦連 続での堂々の優勝を飾ったのであった。 ▽ベルタッジァの談話 「朝のウォームアップ走行では、ちょっとアンダーが出ていたのでサスを少しいじ りました。レースではかなり路面コンディションが悪化していた様子で、かなりスリッ ピーになってきていたんです。そしてそれまでは特に異常は感じていなかったんです が、スピンした1周前からフロントにバイブレーションが出はじめたんです。そして 7周目にスピンしてしまいました。原因はチェックしてみないとはっきりわかりませ んが、路面温度が上がってコンディションが悪化していたところに、うまいことセッ ティングがあっていなかったのかもしれません。意気込んで臨んだレースだけにとて も残念ですが、その分次にがんばりますのでまた応援してください。」 提供:フットワーク・レーシング・チーム