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第8戦もてぎGTA定例会見 金曜走行の可能性やE10燃料の導入、XT-1の採用可能性 来季以降の展望を坂東代表が明らかに

GTA定例記者会見: 坂東正明GTA代表取締役

 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは11月2日、シリーズ最終戦の行われているモビリティリゾートもてぎで定例会見を行った。

 会見の冒頭ではシリーズパートナーである霞ヶ関キャピタルよりGT500、GT300各クラスのシリーズチャンピオンに副賞が贈られることを前回のオートポリス大会に続いて発表した。

 これは石垣島にある同社運営のホテル「SEVEN by SEVEN」での3泊4日の宿泊券が贈られるもので、提供される部屋は最大で400平米あり、一泊あたり50万から100万円相当の価値があるとのこと。併せて8人乗りのプライベートジェットで石垣島へ移動する権利も含まれる。

GTA定例記者会見: 霞ヶ関キャピタル、樋口達夫執行役員

 会見に出席した霞ヶ関キャピタル執行役員樋口達夫氏によると、今回の副賞は日本一のドライバーやチームに、F1チャンピオンのようなステータスや環境を提供することで、スーパーGTチャンピオンの価値を高めることを目的としており、これが子供たちやファンにとっての強い憧れを生み、シリーズ全体の盛り上がりにつながることを期待しているという。

 各チームへは12月5日に開催される年間表彰式「GTA Heroes」にて正式に贈呈される予定だ。

 続いてGTAの坂東正明代表より、今大会の動員状況と今シーズンの振り返り、来季のFIA-F4選手権の開催フォーマット、国産燃料の導入進捗と、ドイツのADACが発表した次世代車両コンセプト「XT-1」についてのGTA側の検討状況などが語られた。

 まず最終戦もてぎ大会の動員数は公式予選日の時点で前年を上回っており、コロナ禍以前の2019年の水準に近づいているとのこと。運営については、日没の早さに伴う帰りの渋滞や寒さといった点が今後の課題として挙げられた。

 続いてマレーシア大会の復活やスプリント制の導入など、新しい試みに取り組んだ2025シーズンを振り返って、来季に向けて明確な方向性を作り出せた年であったと評価し、2027年以降を見据え、タイヤのワンメイク化や環境対応、コスト削減といった持続可能なシリーズ運営のための重要な一年であったと総括した。

 その上でより多くのファンに来場してもらうため、サーキットと連携して受け入れ態勢やプロモーション活動を強化すること、そのための付加価値向上に取り組んでいくことなどが示された。

 FIA-F4については、オートポリス大会で試験的に実施された、チャンピオンクラスとインディペンデントクラスを予選から決勝まで完全に分離する開催方式について、今月開催されるオーガナイザー会議で来季への導入を正式に決定する予定であり、併せてFIAが定める「6大会以上14戦」の規定を満たすため、6月に岡山国際サーキットで予定されているスーパーフォーミュラ・ライツとF4を併催とする方向でオーガナイザーと調整を進めていることなどが明らかとなった。

 これを実現するため、F4の公式予選を金曜日に実施すること、それを前提にスーパーGTも金曜日に練習走行を行なうことも検討しているという。水曜に搬入を行い、木曜に設営して、金曜練習走行、ということになれば、サーキットでの1日の滞在時間を短縮できれば、チームスタッフやメカニックの負担軽減にもつながり、スタンド裏での新たなプロモーション活動が可能となることも期待できる。

 ただしこれには一部のチームからは、金曜日走行に反対する意見が出ており、特に他カテゴリーに参戦するチームにとっては、水曜日搬入となると、前の週のレースからの準備期間が非常に短くなり、かえって過酷になるとの懸念が示されているという。

 このためもう少し情報収集と議論を進めていくとのことだ。

 またスーパーフォーミュラが導入を決めた国産のエタノール混合燃料について、現在エネオスのE10燃料をマニファクチャラーがベンチテストを実施しており、オクタン価などの材料データも入手しているとのこと。今後はベンチテストの結果を詳細に調査した上で、どのように進めていくかを幅広く検討する方針だという。

 先月DTMのホッケンハイム大会でADACが公表した次世代車両コンセプト「XT-1」についての見解と、スーパーGTでの採用可能性について問われた坂東代表は、今後のGT500クラスの方向性を考える上での一つの選択肢として捉えられており、具体的にこの方向性で進めるという決定には至っていないものの、マニファクチャラーが賛同すれば、別クラスでこの車両を走らせる可能性も考えられると回答した。

 XT-1は4輪または2輪にモーターを搭載し、水素バッテリーや既存のエンジン(4気筒や8気筒)からのエネルギーで駆動させるもの。

 2030年頃の実用化を目指しており、コンセプト発表会にはポルシェを含む各マニファクチャラーが参加していた。坂東代表もこれに出席しており、発表会の資料は日本のトヨタ、日産、ホンダの関係者にも共有済みだという。

GTA定例記者会見: 坂東正明GTA代表取締役と樋口達夫霞ヶ関キャピタル執行役員

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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