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FCR-VITA

第1戦富士公式予選 シリーズ4連覇をめざす徳升広平が開幕戦のポールポジションを獲得

 富士スピードウェイを舞台に行われるFCR-VITAシリーズの開幕戦予選が5月11日(土)に開催され、昨年までシリーズを3連覇している徳升広平(DEGIMO★フジタ薬局★MT VITA)がポールポジションを獲得した。

 今年も全4戦で行われるFCR-VITAレースシリーズ。他の地域と比べて5月位開幕とやや出足は遅いが、ここから8月、10月、12月と全4大会が開催される。エントリーは42台。今回は同時開催イベントとして、女性ドライバーだけによる「KYOJO CUP」、そして往年の名選手たちによる「AIM Legend's Club Cup」と3つのVITAによるレースがある。

 そんな中で注目の選手、チームに予選後インタビューを行った。

 まずは719号車の大島良平(栄建設 TBR VITA)。2022年のVITA十勝シリーズチャンピオンの他スーパー耐久ST-5クラスでも活躍。時にS耐では個性的なカラーリングから「公団ちゃん」の愛称で人気を博している。今回のVITA-01も同じく道路公団を彷彿されるカラーリングだ。

 「今年は(富士に)出られるときには出ようと思っていますけど、今のタイム見ても分かる通り、富士はすごくレベル高い。北海道で一所懸命何年もやってきて、いつかはこっちに挑戦したいという夢がようやくかなって。やっぱり上の方に行きたいのでこちらに集中しようかなと思っていて、ちょっと北海道は我慢している感じです。(S耐の中継でカラーリングが全国区になってきたが?)やっぱりありがたいですよね。ただ目立つかわりに、結果も残していかないと格好悪いかな、って思う所もあるから、もうちょっと、10番以内を目指して(予選は13番手)。S耐でもこっち(VITA)でも走っているけど実力もあるよ、と思って貰えるような順位まで行ける努力はしないとならないと思っているところです。(S耐のハコとVITAのドライビングの違いは?)VITAはもう長いので、割とアジャストできるのですけれど、S耐のクルマはFFを使っていて、そっちがちょっとまだ詰め切れていないというか、どうセッティングすればどう動くかわかっていないので、どちらかといえばS耐で苦労しています」

 続いては新規参戦の「HIGHSPEED Etoile Racing」から出場の2台のVITAを率いる川合孝汰総監督。「HIGHSPEED Etoile(ハイスピードエトワール)」は現在地上波で放映されているテレビアニメで、環境問題への配慮により、化石燃料に頼らない新時代の動力を使った次世代レースが舞台となっており、作成にスーパーフォーミュラも協力している。このテレビアニメとコラボレーションした、女性ドライバーによるレーシングチームでで、その総監督として、昨年のスーパーGT GT300クラスとS耐ST-Zクラスチャンピオンの川合孝汰が就任した。

 「(初監督は?)かなり大変ではありますが、運営側と共に日々勉強しながら取り組んでいます。ドライバーはレースが初めての子もいますが、練習を重ねながら開幕戦を迎える準備が出来ました。まず開幕戦に関しては、それぞれレースに対する勉強段階なので色々なことを吸収して、しっかり完走ができればと思っています」

 「(予選タイム(2分3秒と4秒)の印象は?)もうちょっと出るのでしょうけれど、週末通して彼女たちのベストタイムを更新してきているので楽しみです。後はまだ不安定なドライビングが出ることがあるので、その辺りを決勝に向けて走り切ってもらいたいです。まず安全にゴールまで運んでもらいたいですね。チーム結成から日も浅くいまの車両で走行時間が確保できていない中、ドライバーたちもベストを尽くして頑張ってきてくれています。今は吸収量の多い時期です、一秒でも多く走って、まず彼女たちの中で多く吸収してもらいそこに対して監督として、チームとして僕らがしっかりサポートして、今後レースを重ねていく中で、少しずつ結果やタイムに結びついていければと思っています」

 「(監督業は慣れた?)まだまだ全然です(苦笑)。今回開幕戦なので、監督業もやっとスタートラインに立てたかなという段階です。僕も探り探りでありますけれど、いろんな関係者の方に教えられてやっているので、そういうのも今後に繋げられたらいいかな、と思います」

 20分間の予選は午前8時開始。すっきりと晴れ上がった富士スピードウェイは気温15度。日差しはあるがやや肌寒く、路面温度も低そうだ。各車ウォームアップから5分を経過した頃からタイムアタックを開始。

 まずは翁長実希(CBP RSS VITA)が2分0秒043のトップタイムを出す。続いて徳升が2分を切る1分58秒953でトップに立ち、下野璃央(DrDry☆VITA)が59秒328で2番手につける。さらに佐藤元春(恒志堂レーシング CLASS VITA)が59秒098で下野を上回り、4番手は斎藤愛未(Team M with D.D.R VITA)、5番手富下李央菜(KTMS VITA)、6番手大野俊哉(ビーンズスポーツSPM☆VITA)と続く。

 残り11分で藤原大暉(ACELINES KFMS VITA)が1分58秒293でトップに立ち、徳升も58秒775から58秒324へと自己ベストを削り続けるが藤原から0.031秒の差で2番手。3番手には大野選手が58秒820で上がってくる。ここで藤原はピットイン。

 8台が参加しているジェントルマンクラスはこの時点で総合9番手の山本龍(お先にどうぞ☆VITA)がトップ。クラス2位の富田栄造(CPホールディングスEDニルズVITA)は総合18番手で、山本と0.702秒差の間に8台のマシンがひしめいている。

 残り6分、アタックを続けていた徳升が1分58秒261をマークしてついにトップの座に戻る。藤原は2番手にドロップするとおもむろにピットアウト、残り4分で再逆転を狙う。

 3番手は大野で変わらず4番手に齋藤が再浮上。5番手の翁長、6番手佐藤と続き、7番手から10番手までは下野~永井歩夢(BRM VITA)~山本~岩岡万梨恵(フクダ電子VITA)と女子選手が続く。42台中女子選手19台、全員が「KYOJO CUP」とのダブルエントリーだ。

 残り2分で徳升はピットイン、一足早く予選を終了。それに対して藤原はチェッカーまでタイムアタックを続けるがベストタイム更新はならず、徳升のポールポジション、藤原のフロントロウが確定した。 チェカードフラッグが振られる中、最後のアタックでタイムを更新したのが齋藤で1分58秒816を叩き出して3番手へ上がって予選は終了。以下4番手大野、5番手翁長、6番手佐野という結果に。

 ジェントルマンクラスは総合12番手の山本がトップ、以下総合20番手の富田、同21番手のイノウエケイイチ選手(ワコーズED NILZZ VITA)という順になった。

 FCR-VITA第1戦は本日午前10時45分フォーメーションラップ開始予定だ。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Junichi SEKINE
Central Medience Communications


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