VITA筑波シリーズ第2戦決勝は5月25日(日)に行われ、ポールポジションからスタートの兒島弘訓(ZR Winmax VITA)が、途中の赤旗でリードをリセットされながらも2位以下を寄せ付けない走りで優勝。開幕戦に続いて連勝した。
第2戦決勝は午後1時14分にフォーメーションラップが開始。朝から変わらず曇り空が広がっているが、路面はほぼ乾いておりドライコンディションだ。気温18.8度、路面温度24.1度で、予選の時とほぼ変わらない。15台のVITA-01が15周または30分のレースをスタートした。
蹴り出しがよかったのが4番手から発進の西濱康行(ETA白波ワークスVITA)で、3番手スタートの渡邊顕(ELIVレーシングVITA)を加速で仕留めて3位、西濱を上回るロケットスタートだったのが5番手スタートの山口真(VITA-01)で、第1コーナーへの進入でアウトから渡邊をオーバーテイク。さらに西濱とサイド・バイ・サイドからS字で前に出て3位、西濱4位、渡邊5位に。後方では8番手スタートのTUCHIYA(Deep Racing VITA)9番手スタートの中島正之(ビーンズスポーツ3年目VITA)の順位が入れ替わる。
フロントロウの兒島、山本龍(お先にどうぞVITA)は共にスムーズなスタートで兒島がホールショットを奪ってトップに立つと山本をじわじわ引き離し、0.598秒差でオープニングラップを終了。3位の山口は後続をけん制する間に前2台を逃がしてしまって1.277秒差、コントロールライン上で4位西濱と0.176秒差とテール・ツー・ノーズ状態のまま2周目に入り、第1コーナーで西濱が3位のポジションを奪い返す。さらに5位渡邊、6位大沢良明(ビーンズSPM VITA)7位佐藤孝洋(tipo ETA vita-01)までがそれぞれ0.2秒から0.4秒の間合いで続く。この中で大沢が第1セクターで渡邊の前に出て5位。3番手スタートだった渡邊は6位までドロップだ。
トップ兒島は山本との差を着々と拡大し、2周目0.876秒差、3周目1.360秒差、4周目差1.961秒と突き放していく。3位西濱はそこから2.3秒遅れて単独走行。接戦なのが4位以下の戦いで、山口と大沢0.122秒差、6位渡邊と佐藤0.181秒差と目が離せない状況。
兒島は5周目に1分3秒269とここまでの最速ラップを更新し山本と2.498秒差と早くも独走状態。しかし続く6周目、デビューレースを9位で走行していたTUCHIYAが第1コーナーでスピン、アウト側のグラベルで止まってしまう。これで赤旗が出てレースは中断。3秒以上まで広がっていた兒島のリードはリセットされることに。
TUCHIYAのマシンが回収され、メインストレートに並んで待機していた14台は6周目からセーフティカー(SC)先導でリスタート。SCは6周目で退いて7周目のコントロールライン上から残り9周でレースは再開。この時点でトップ6台は 兒島~山本~西濱~山口~渡邊~佐藤の順だ。
さっそく西濱が山本選手のアウト側から第1コーナーで勝負を挑むがここは山本がポジションを守る。後方では並木海和(namiki ETA vita-01)、中島、大沢が3ワイドで7位を争いながら第1コーナーへ。7位中島、8位並木、9位大沢というオーダーに。
トップ兒島は8周目に2位山本に1.2秒差、3位西濱がダンロップコーナーで失速して山口3位。渡邊4位に上がる。西濱によるとシフトミスがあったとのことだ。兒島はさらにギアを上げて、9周目1分3秒169、10周目にはこの日のファステストラップとなる3秒002を叩き出して2位7山本との差を2.8秒とする。一方シフトミスで順位を落とした西濱はだただちに追い上げを開始。9周目0.247秒差と渡邊のテールに張り付いて10周目に入ると第1セクターで攻略。4位を取り戻し3位山口に0.18秒差と詰め寄る。7位グループのバトルは最終コーナーで#27大沢がスピン、アウト側のグラベルでストップ。これで7位#中島、8位並木。
兒島のリードはどんどん広がり、11周目4.055秒、12周目5.115秒と完全に一人旅でレースは終盤戦。熱いのが3位山口と4位西濱による表彰台をかけた争いで、0.174秒差とテール・ツー・ノーズ状態で13周目へ。決着は第3セクターで、西濱がオーバーテイクに成功する。
レースはそのまま兒島が15周を走り切りフィニッシュ。最終的に2位山本に8.2秒の大差をつけてのゴール、以下2位山本、3位西濱、4位山口、5位渡邊、6位佐藤というトップ6となった。
筑波VITAシリーズ第3戦は7月27日(日)の予定。2レースを完勝した兒島に誰が挑むのかが注目だ。
Photo: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA