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もてぎ・菅生S-FJ選手権

第1戦もてぎ決勝 酒井翔太がポール・ツー・ウインの完勝

優勝した酒井翔太と3位の中村ブンスーム(ファーストガレージ)

 2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリー第1戦決勝が3月9日にモビリティリゾートもてぎで開催され、ポールポジションからスタートの酒井翔太(ファーストガレージ KK-SII)がスタート直後に譲ったトップをすぐに奪い返すとそのまま10周のレースを走り切って優勝を飾った。

 前夜から降りつづいた雪が残っていたモビリティリゾートもてぎだが、朝からスタッフがコース上の除雪を行い予定より50分遅れでタイムスケジュールがスタート。午前10時50分開始予定だったスーパーFJの決勝は午前11時40分にフォーメーションラップが開始された。コース上には日が差し、路面はほぼドライコンディションとなったが、メインストレートのコントロールライン上に架かるブリッジから水がしたたっており、ピットウォール寄りの半分ほどに水たまりが残っているのが気になるところだ。またコースサイドに雪が残っている個所もあり、チームによってはドライバーに「絶対コースアウトはするな」と厳命したというところもあった。

 12台全車がスリックタイヤでグリッドに整列してレッドライトが消灯してレーススタート。ポールシッターの酒井と2番グリッドの松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)はスムーズに発進したが、3番グリッドの中村ブンスーム(ファーストガレージKKS2)は蹴り出しが悪くポジションダウン、さらに4番グリッドのKODAI YOSHIDA(T's TECHNO)は水たまりで一瞬グリップを失ったか失速、こちらも順位を落とす。逆に出足がよかったのが3列目6番手からスタートのジェントルマンクラス、畠山退三(Hobbybaase&zapsp)で5番手スタートのルーキー、三ツ井光輝(群馬トヨペットTeam RiNoA ED)をスタートでかわすとセカンドロウの中村、YOSHIDAも仕留めて3位にポジションを上げる。

 松原が酒井に迫ると第1コーナーではインから並びかけてターンイン、続く第2コーナーでは松原が完全に前に出る。しかしそこからの加速で酒井が逆転、トップを奪い返して第3コーナーへとアプローチする。3位畠山と4位中村は第2コーナーをサイド・バイ・サイドで立ち上がると第3コーナーでアウトから被せた畠山が前に。さらにスタートダッシュに成功した石井大雅(ファーストガレージ制動屋SII)が8番グリッドから5位までポジションを上げ、6位三ツ井が続き、スタート失敗のYOSHIDAは7位までドロップ。

 第4コーナーからの立ち上がりで酒井は松原をじわりと離し一車身ほどの差をつける。そこから5メートルほどの間合いで畠山~中村~石井がワンパックになっている。中村と石井のファーストガレージ勢がファーストアンダーブリッジから130Rを抜けてS字まで並走すると中村が前に出る。その間に3位畠山が集団から抜け出す。V字コーナーではYOSHIDAが三ツ井のインを差して6位に順位を挽回。この辺りはデビュー戦の三ツ井に対し参戦経験があるYOSHIDAに1日の長があるか。トップ2台の間合いは変わらずダウンヒルストレートを通過、3位畠山は10メートル以上離されている。

 オープニングラップを終えてトップ酒井と2位松原の差は0.604秒。3位畠山はそこから1.3秒以上離され4位中村が0.248秒差と背後につけ、石井も0..413秒差でそれに続く、6位はYOSHIDAだが、ここも三ツ井と五十嵐文太郎(Drago CORSE)が0.772秒、0.446秒と僅差でと続いている。

 2周目に入り中村と石井が畠山への攻勢を強め、まずS字の入り口で中村が畠山をインからオーバーテイク。続いて石井がV字コーナーで畠山のインを差して前に出る。これで3位中村、4位石井、5位畠山の順に。6位YOSHIDAの後方で三ツ井に五十嵐が接近する。2周目を終えてトップ酒井と2位中村の差は0.772秒とほぼ変わらず。3位に上がった中村はバトルの間に2.3秒以上ギャップが開いてしまった。以下0.516秒差で石井、0.317秒差で畠山、0.291秒差でYOSHIDAと4台が連なる。

 3周目。畠山に対して6位のYOSHIDAが間合いを詰めて、S字で畠山をロックオン、V字コーナーでインからオーバーテイクするがヘアピンからの立ち上がりでは再び畠山が前に出る。しかしYOSHIDAはダウンヒルストレートで畠山の右サイドに出ると90度コーナーで再度オーバーテイク、5位に進出。ここで畠山に対しては反則スタートによるドライビングスルーペナルティが課される。ロケットスタートかに見えたが僅かに早かったか。トップ酒井はこの周も2分4秒741と最速ラップを刻み松原との差を1.181秒まで拡大すると4周目には4秒553とさらに最速タイムを更新し1.492秒差。着実に間合いを拡げていく。中村~石井~YOSHIDA~畠山と続き、五十嵐が第3~第4コーナーで三ツ井を料理して7位へ。

 ペナルティが課された畠山だが気が付いていない様子で、そこにペースで勝る後続車が接近し4周目を終えて五十嵐0.184秒差、三ツ井0.602秒差で5周目に入ると、まず第1コーナーで五十嵐が畠山のインを差してオーバーテイクして6位。第5コーナーでは畠山がポジションを取り戻そうとアウトから被せるが、オーバースピードでアウト側のグラベルぎりぎりまでラインを乱す。畠山をけん制した五十嵐には三ツ井が襲い掛かりファーストアンダーブリッジで並びかけると130Rで仕留めて6位に進出、7位五十嵐、8位畠山の順に。

 トップ酒井はその後も松原をじわじわと突き放し、5周目1.807秒、6週目2.040秒と間合いを拡げていく。その後方4位争いはYOSHIDAのペースがよく、石井を0.441秒差に追いつめている。ペナルティを消化していない畠山にはブラックフラッグの提示。 7周目にはいると松原が奮起、2分4秒467とここまでの最速タイムを出して酒井とのギャップを1.783秒と削り取る。3位中村は単独走行で、石井対YOSHIDAの4位争いは第5コーナーでYOSHIDAがインを突くがここは石井が守る。両車はテール・ツー・ノーズ状態のまま130R~S字と通過、石井はブレーキングでタイヤをロックさせながらもポジションを守る。しかしS字ではYOSHIDAがインから前に出てターンイン。石井はクロスラインでYOSHIDAの右サイドに出て、ダウンヒルストレートを駆け降りる。そのまま並んで90度コーナーへ飛び込むとサイド・バイ・サイドのままで通過、両車譲らずセカンドアンダーブリッジを通過、ビクトリーコーナーでYOSHIDAが前に出て4位を奪い取る。

 YOSHIDA対石井のバトルは8周目も継続。石井が激しくチャージするがYOSHIDAもしっかり防御する。しかし勢いがいいのは石井でS字への進入でインを突いてポジションを入れ替える。さらに後方で三ツ井~五十嵐~畠山の集団に小林留魁(アルビ新潟第一ホテルED)が追いつき4台がワンパックで6位を争いながらヘアピンを通過。続くダウンヒルストレートから90度コーナー進入で五十嵐が三ツ井を、小林が畠山をそれぞれ攻略。五十嵐が6位、以下三ツ井~小林~畠山の順に。松原はこの周も2分4秒195と酒井の予選タイムを上回るファステストラップを叩き出し、1.604秒差とする。ここでようやく畠山がピットへ。

 9周目も4位争いは続き、第5コーナーでYHOSHIDAが石井のインを突き再び並走、S字でいったんは石井が前に出るがV字コーナーへのブレーキングでYOSHIDAが逆転。ヘアピンでは石井が再度並びかけるとダウンヒルストレートをホィール・ツー・ホィールで下っていく。右にYOSHIDA、左に石井という並びで90度コーナーではYOSHIDAがイン側から前に出て勝負あり。後方6位争いは五十嵐が前で、小林が三ツ井を攻略して7位へ。

 ファイナルラップ、トップ酒井と2位松原のギャップは1.626秒と変わらず、3位中村は7秒以上遅れて単独走行。4位YOSHIDAと5位石井は0.413秒と依然僅差だ。6位争いが五十嵐を先頭に小林、三ツ井が0.5秒以内のワンパックで展開している。YOSHIDAと石井は再びダウンヒルストレートでサイド・バイ・サイド。前の周のリプレイのようにイン側YOSHIDA、アウト側石井で90度コーナーへアプローチ。

 しかしここでYOSHIDAがスピン! アウト側に止まってしまう。これで石井が4位、5位五十嵐、6位小林の順となり、YOSHIDAは再スタートを切ったものの10位まで順位を落としてしまった。

 優勝は酒井、スタート直後に松原の先行を許したが、挽回後は危なげない走りでほぼ完勝を飾った。2位は松原、昨年後後半あたりから成長を見せていて、今回もファステストラップを出し次戦に期待が持てる結果だった。3位中村もうれしいS-FJで初の表彰台だ。以下石井、五十嵐、小林というトップ6になった。2台が出走のジェントルマンクラスはペナルティの畠山に代わって片岡聡(NRS KK-S2)が優勝した。

 2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第2戦は5月11日、スポーツランドSUGOで行われる。

10周の決勝がスタートした

五十嵐文太郎 vs 畠山退三

優勝は酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)

決勝2位は松原将也(ZAP MARUTOKU 10V ED)

決勝3位は中村ブンスーム(ファーストガレージKKS2)

決勝4位は石井大雅(ファーストガレージ制動屋SII)

決勝5位は五十嵐文太郎(Drago CORSE)

決勝6位は小林留魁(アルビ新潟第一ホテルED)

ジェントルマンクラス優勝は片岡聡(NRS KK-S2)

トップでゴールする酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)

優勝した酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)

表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE


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