2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦「NGKスパークプラグ スーパーフォーミュラrd2」の決勝が3月9日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選5位からスタートした牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が2024年の第5戦以来の勝利をものにした。
第2戦決勝は午後2時40分より31周で行われた。このレースでのタイヤ交換義務はない。スタート進行開始時の気温は16℃、路面温度は30℃。スタート直前には気温15℃、路面温度は32℃まで上昇している。
スタートでは予選2位の岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)がトップ。ポールポジションの野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)は2速が入らず2番手に後退し、牧野が3番手。予選3位の太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)は4番手でコントロールラインに戻ってきた。
野尻はすかさず1周終わりでピットイン。太田、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)そして阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)が続く。
タイヤ交換組のトップは野尻。しかし2周目のスプーンで太田がインをついて前に出た。
一方トップの岩佐も2周目にピットイン。イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)もこの周でピットに飛び込んだ。
3周終了時点でのトップは牧野。坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、大湯湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)の順。タイヤ交換を終えた中では岩佐、太田。野尻、フラガ、大嶋、福住、阪口、小高と続く。
4周目に佐藤が大湯を抜いて3位に浮上。この時点で牧野と岩佐のギャップは34秒931だ。その後も5周目34秒776、6周目34秒725、7周目34.641とその差はなかなか縮まらない。9周目に入ると逆に35秒024とギャップは開き、10周目には35秒197となる。
さらに14周目に入るとシケインで太田が岩佐にインから仕掛け、オーバーランしながらそのまま岩佐の前でコースに復帰する。太田はその後もハイペースで岩佐以下を突き放しにかかる。
一方、トップの牧野は2番手の坪井と共に20周目にピットイン。タイヤ交換を済ませて太田の前でコースに復帰するが、NIPPOコーナーで太田が牧野のインに飛び込んでトップに浮上した。
ところがここでやはり太田に対して走路外走行の裁定が降り5秒のタイム加算が課せられた。
一時2番手に後退した牧野は22周目に1分38秒835のファステストラップを記録すると、その後も23周目に1分38秒375とさらにペースアップ。24周目の130RでOTSを使いながら太田を抜き返し、トップを奪い返した。ここからDOCOMO TEAM DANDELION RACINGは牧野に太田を引っ張らせて坪井との間に5秒のギャップを築かせようと目論んだようだが、坪井は25周目に自己ベストを更新。太田との差を3.655に詰めてきた。
そして28周目。3コーナーでザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)がスピンアウトしてコース脇にクルマを止めたことにより、29周目からセーフティーカー(SC)が導入された。
この際SCは牧野と太田の後ろ、坪井の頭を押さえる形でコースに入ったため、車両の排除を終えて隊列が整えられるまでにファイナルラップを迎えてしまった。
これにより全車順位が動かないまま31周目のチェッカーフラッグを受けることになり、牧野がトップでフィニッシュ。2024年もてぎ大会、自身通算3勝目を挙げた。
また太田に対しては5秒のタイム加算がされたため、順位は山下の後ろ、11位となり、坪井が2位、岩佐が3位で表彰台に上がった。
第2戦決勝は来月の4月18-19日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで第3戦、第4戦が行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Atsushi BESSHO