2025年Formula Beat(F-Be)地方選手権第4戦決勝は5月10日(土)にスポーツランドSUGOで行われ、セーフティカー(SC)先導でスタートすると5周目からレースが開始され、ポールポジションの酒井翔太(ファーストガレージ FG108)がトップに立つとそのまま後続につけいる隙を与えずトップチェッカー。優勝を飾った。
前夜からの雨が降り続いたスポーツランドSUGO、路面コンデションが悪いことから午前9時からの予選が中止、その後雨はやみ、本日最初の決勝であるF-Beのコースイン時刻である12時10分時点で路面は一部ウエットの箇所もあるが、ここから乾いていくことが予想されタイヤ選択に悩むコンデションだ。結局3番手スタートのKAMIKAZE(ファーストガレージ&Rd04W)だけがレインタイヤを選択。その他の5台はスリックタイヤでコースインを始める。ところがここで、2番グリッドにつくはずのハンマー伊澤(アルカディア☆ハンマーR疾風)のエンジンが始動せずコースインできない。伊澤によるとスターターモーターが動かない状態で、それまで何事もなく始動できていたものがいきなり動かなくなったそうだ。今回伊澤は昨年まで愛用のチャンピオンマシンとは別の車両を持ち込んでいる。これは青と銀のチャンピオンマシンが開幕以来セッティングが安定せず、トラクションがかからない症状に陥っていて、あれこれ手を打っても改善しないことから、車体に根本原因があると見て、チームが所有する別の個体の「疾風」を投入したそうで、ペパーミントグリーンのマシンは前日まで問題なく走っていたとのことだが、結局ピットレーン閉鎖までに間に合わずピットスタートを選択。その後も原因を探ったが結局レースをスタートできずに終わった。 これによりレースは5台で決勝をスタートすることとなった。
15周の決勝はSC先導によるレーススタートが宣言され、12時25分スタート。コースは乾いてきつつあるものの、ハイポイントコーナーのアウト側、さらにスピードが乗る馬の背からSPコーナーにかけてはウエット路面というコンデションだ。ここで、4番グリッドの舩井俊仁(ファーストガレージFG108)がグリッドから動けずに出遅れる。舩井はその後最後尾から発進しようとしたが第1コーナーで動けなくなってしまう。チームによるとブレーキローターとパッドが張り付いた状態で戻らなくなったそうで、これでハンマー伊澤に続き舩井もリタイヤ。15周の決勝は4台で行われることになった。
SCランは4周目まで続き5周目から本格的にレース開始。最終コーナーから一気に加速した酒井が後続を突き放すことに成功、2位のKAMIKAZEに1.773秒もの差をつけてコントロールラインを通過する。3位富澤もぐら(松伏運転代行ハンマーR疾風)に4位池田拓馬(AMEROID&TAKE)がうまく合わせこんで0.045秒差で並走。第1コーナー手前でオーバーテイクに成功する。
5周目を終えてトップ酒井は2位KAMIKAZEに1.833秒の差。第1セクターはKAMIKAZEが速いが第2、第3セクターは酒井が上回り、6周目で2.165秒、7周目2.567秒、8周目3.047秒と着実にギャップが広がっていく。そして3位に上がった池田の元気がよく、7周目1分35秒440、8周目には33秒762とファステストラップを出し続ける。
9周目、KAMIKAZEは1分33秒291のファステストラップで酒井との差を1.740秒に戻す。コースはレコードラインが乾きつつあるが、まだウエットパッチが残っている。それでも路面のコンディションはどんどん良くなるようで、10周目に池田が31秒976までファステストラップを更新する。これでKAMIKAZEとの差は6.104秒。トップ酒井は安定したラップでKAMIKAZEとの差をコントロール。途中9周目には富澤を周回遅れにする。
この頃からKAMIKAZEはレインタイヤの発熱を抑えるためかストレートで濡れた路面を選んで走るようになる。池田はその機を見逃さず追撃を開始。11周目5.291秒→12周目4.524秒→13周目3.721秒と着実にギャップを削り取っていく。
14周目、池田は1分29秒600とこのレースのファステストラップを出してKAMIKAZEと2.270秒差まで詰めるが次はすでにファイナルラップ。まず酒井が6秒以上の差で余裕のチェカードフラッグ、優勝を飾った。最後までKAMIKAZEを追った池田だが1.051秒差で届かずKAMIKAZE2位、池田3位でフィニッシュ。周回遅れながら富澤が4位でゴールイン、KAMIKAZEに続いてジェントルマンクラス2位となった。
F-Be地方選手権第5戦は5月25日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催される。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE