カテゴリー

ニュース内検索

Forumula Beat

第15戦SUGO決勝 レース開始前にセカンドロウ2台が脱落と波乱の最終戦を金井亮忠先生が締めくくる

金井亮忠先生と生徒たち

 2024年Formula Beat(F-Be)地方選手権第15戦決勝が11月10日(日)にスポーツランドSUGOで開催され、スタートでトップに立った酒井翔太(ファーストガレージ F108)をポールシッターの金井亮忠(チームNATS 正義 001)が13周目に仕留めると一気に突き放して今シーズン初の優勝を飾った。

 第15戦のスターティンググリッドは前日の第14戦の決勝中の各車のベストラップによって決定。上位6台は

  • ポールポジション 金井 1分21秒420
  • 2番グリッド    酒井 1分21秒502
  • 3番グリッド    ハンマー伊澤(アルカディア☆ハンマーRハヤテ) 1分21秒637
  • 4番グリッド    宇高希(TAKE FIRST F108) 1分22秒940
  • 5番グリッド    舩井俊仁(ファーストガレージ FG108) 1分24秒315 ジェントルマンクラス1位
  • 6番グリッド    KAMIKAZE(FIRSTGARAGE&04W) 1分24秒358 ジェントルマンクラス2位

という並びになった。

 決勝コースインは午前10時30分、13台がピットアウトしグリッドへと試走を行う。しかしここでアクシデントが発生。

 まずは4番グリッドの宇高がSPコーナー入り口でコースアウトしてストップ、宇高はマシンを降りてしまう。宇高によるとスロットルが戻らなくなってしまい、エンジンを切って惰性でピットを目指したが止まってしまったとのこと。

 さらに3番グリッドのハンマー伊澤が最終コーナーで挙動を乱しガードレールに接触。こちらはグリッドに戻ってきたがノーズを破損、さらにフロントウイングのステーにもダメージがありグラグラな状態。オフィシャルも確認するがこのままでレーススタートは無理という判断で、グリッドから押し出されてしまう。第14戦でJAF戦チャンピオンを獲得したハンマー伊澤はレースをあきらめず、ピット前でノーズセクションの交換作業を開始する。

 セカンドロウがぽっかり空いた状態で午前10時45分フォーメーションラップ開始。昨日に続いてすっきりと晴れたスポーツランドSUGOは気温14度、路面温度22度のドライコンディションの中、11台が15周の決勝をスタートした。

 スタートダッシュを決めたのは2番グリッドの酒井で、スタート上等の金井を上回るロケットスタートを決めて先行するとトップで第1コーナーにアプローチ。後方では6番グリッドのKAMIKAZEが5番グリッドの舩井をかわし3位に浮上。KAMIKAZEがドライブする「SYNERGY RD04W」はシーズン中盤までシングルスロットルのエンジンの低速トルク不足で発進に苦労しており、スタートでしばしばポジションを失っていたが、チューニングによって特性が改善。今ではスタートダッシュを決められるようになったという。

 2位に落ちた金井だが酒井のテールに食らいついて第3~第4コーナーを通過、やや間をあけてKAMIKAZEが続き、舩井の背後には7番手スタートの植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)が接近する。酒井は第2、第3セクターで金井をじわりと引き離すが、 最終コーナーからの立ち上がりで金井がその差を挽回し、オープニングラップは0.381秒の差。第1コーナー手前までには再び1車長の距離まで詰めてくる。3位KAMIKAZEは此の2台についていけず5.037秒の差、そしていったんはKAMIKAZEに離されかけた舩井が第2セクターで0.5秒盛り返して0.452秒差の4位につける。5位植田は2.405秒差とやや離され6位の三浦勝(NUTEC ルノー)が0.497秒差と接近する。

 2周目に入ってもトップ酒井と2位金井は接戦。第1、第3セクターで酒井が全体ベストを出すと、第2、第4セクターでは金井が全体ベストで対抗。コーナーが連続するセクションでは酒井が速く、バックストレートとメインストレートが含まれる側では金井が速いということで、1周回ってくると酒井1分23秒801、金井23秒700の0.280秒差でコントロールラインを通過。

 3周目に入っても酒井のペースは速く、第1、第2、第3セクターと連続で全体ベストを更新して金井とのギャップを0.5秒拡大。しかし第4セクターでは金井が0.4秒早く、トータルで酒井が0.1秒だけゲインして0.381秒差というジリジリとした展開。すてに3位は11秒後方で完全に一騎打ちの様相に。

 酒井は4周目も第1~第3セクターで全体ベストを更新、この周は僅かに金井とのギャップを拡げ0.651秒の差。ここでノーズの交換を終えたハンマー伊澤がコースイン。すでにチャンピオンを決めていて、このレースの勝負権はないが、今回が愛車「疾風」での最後のレースということで、何としてもチェッカードフラッグは受けさせたいという執念の走行が始まる。

 5周目に入ると金井のペースが上がり、この周1分21秒830で酒井に0.501秒差、6周目も21秒710と本日のファステストラップを叩き出して0.326秒差、8周目に0.113秒差と酒井に詰め寄るとテール・ツー・ノーズ状態でメインストレートを通過、スリップストリームを抜け出した金井が第1コーナーに向けてインから仕掛けるも、ここは酒井がポジションを守る。ここでいったん引いて0.562秒まで間をあけた金井は10周目から再び酒井とのギャップを削り始める。

 迎えた12周目終わりのメインストレート、金井は0.106秒差で酒井の背後につけてコントロールラインを通過すると前方にバックマーカーが出現。金井はこのマシンのスリップストリームを使って加速すると酒井に並びかけ、第1コーナーでオーバーテイクを完了。ついにトップに立つ。酒井はバックマーカーに引っかかる格好になり0.5秒近いロスを喫し金井が逃げていく。3位グループは30秒以上離されているが、3位KAMIKAZEと4位舩井が0.155秒差とこちらもテール・ツー・ノーズ状態でコントロールラインを通過すると第1コーナーで舩井がKAMIKAZEを攻略して3位浮上。ジェントルマンクラスのトップに立つ。

 トップに立った金井は13周目に入りスパート、これまで酒井の独壇場だった第3セクターで全体ベストを出して1.324秒差までリードを広げると14周目にも第1セクターで全体ベストと、今まで余力を残していたのかというようなスピードで酒井の区間ベストを塗り替え、2.076秒までギャップを築いてファイナルラップに突入。酒井には挽回する勢いはなく、金井が2.803秒まで差を拡げてチェッカードフラッグの下を通過。優勝を飾った。

 2位は酒井、3位は13周目の攻防でKAMIKAZEを下した舩井でジェントルマンクラスの優勝、以下総合4位のKAMIKAZEがクラス2位、総合5位の植田がクラス3位、総合6位の三浦がクラス4位という結果に終わった。

 4周遅れでレースに参加したハンマー伊澤は10周を走行して愛車「疾風」とのラストランを終えた。

 表彰台に立った金井に向けて、彼が教鞭をとる「日本自動車大学校モータースポーツ科」に所属し、レースではメカニックやエンジニアを務めた学生たちが満面の笑みで駆け寄り、金井が振りまくスパークリングウォーターのしぶきを嬉しそうに浴びる。前日も2位フィニッシュで見られた光景だが、今年初めて表彰台の頂点から降ってくるスパークリングウォーターは格別だろう。

 これで今シーズンのFormula-Beat地方選手権は終了。前日の第14戦でハンマー伊澤に確定したJAFシリーズのチャンピオンに続いて、ジェントルマンクラスのチャンピオンはKAMIKAZE、全レースのポイントが有効なグランドチャンピオンは酒井に決定した。

15周の決勝がスタートした

優勝は金井亮忠(チームNATS正義001)

決勝2位は酒井翔太(ファーストガレージFG108)

決勝3位は舩井俊仁(ファーストガレージFG108)

決勝4位はKAMIKAZE(FIRST GARAGE & 04W)

決勝5位は植田正幸(Rn-sports制動屋KK-ZS)

決勝6位は三浦勝(NUTECルノー)

表彰式

ジェントルマンクラスの表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
Asako SHIMA


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース