スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は9月12日、第5戦「SUGO GT 300kmレース」の開催されていた宮城県のスポーツランドSUGOで定例会見を開催した。
この中で坂東正明代表は、7月のもてぎ大会で言及した決勝レース距離の延長について、現在の状況を語った。
8月6日に日本自動車連盟(JAF)が発表した「2022年FIA国際スポーツカレンダー登録申請一覧」によると、8月4〜5日に予定されている第4戦富士が500マイルレースとして申請されている。
また新型コロナウィルスの感染拡大の影響で昨年、今年と2年連続で中止となった鈴鹿10hは、2022年の国際FIAスポーツカレンダーには登録申請自体がなされておらず、代わって8月26〜28日にスーパーGT第5戦の開催が予定されている。
これらを受け、定例会見の席上で、第5戦鈴鹿についても以前のような1000kmレースとして復活させる構想はあるのか、という質問が出たことから、坂東代表がこれに答える形となった。
それによれば、500マイルについては富士スピードウェイからの要望でJAFに申請が出ており、鈴鹿についても10hに代わるものとしてオーガナイザーは要望しているという。
しかし実現にはチームの意向を考慮する必要があり、またコスト面からも、GT500ではテストを除いて年間2基までとされているエンジンの年間トータルでの走行距離を、そしてGT300ではFIA-GT3を使用するチームのオーバーホールの周期なども検討する必要があるため、レース距離の延長について、現時点では全く決まっていないとのことだ。
また将来のカーボンニュートラルを見据えた取り組みとして、F1やWECなどが導入を予定しているe-Fuelの導入についてもマニファクチャラーと話し合いを進めており、最初はリッターあたりの単価や年間で使用する総量の調達など考慮して輸入から始め、ゆくゆくは国産化を進めたいとの意向であり、早ければ2023年にはテストを始め、2024年には使用に漕ぎ着けたいとしている。
Withコロナを前提とした来年以降のレース開催、そして将来のカーボンニュートラルに向けた新たな取り組み。こうした環境の変化にスーパーGTがどのように対応し、発展を遂げていくのか、これからも注目していきたい。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI