F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第3,4戦富士 里見乃亜、初レースの富士で、予想外の苦戦を強いられるも、第4戦ではバトルを重ねて、結果以上の収穫を得る (ル・ボーセ)

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 ル・ボーセモータースポーツが挑むカテゴリーのひとつで、今年からスタートしたFIA-F4選手権の第2大会が5月2日(土)、3日(日)に富士スピードウェイ(静岡県)で開催され、里見乃亜が出場した。

 前回の岡山国際サーキットは、昨年まで戦っていたスーパーFJで練習経験はあるものの、実戦経験は皆無。そこでレースウィークの走行枠をすべて練習に充て、マイレージを稼いだ結果、第1戦こそ入賞は果たせなかったが、サバイバル戦の様相を呈した第2戦においては、しっかり走りを見せて8位という成果を収めた。

 今回の富士スピードウェイも実戦経験はなく、岡山国際サーキット以上に豊富な実戦経験を持つライバルは多い。そんな厳しい状況を、どう克服するか注目された。

予選 5月2日(土)天候/晴れ コース状況/ドライ

 今回の専有走行は木曜日、金曜日に2セッションずつ行われ、木曜日にはトップと1秒強の差があったものの、金曜日には差が1秒を切るまでに。着実な進化はうかがえたものの、トップとの間には10人前後ひしめいているのは紛れもない事実。この壁をどう突き崩せるか。

 土曜日に行われた予選は、計測30分間。今回もファーストベストタイムが土曜日の第1レース、セカンドベストタイムが日曜日の第2レースのグリッドを決めることとなっている。

 エントリーは前回からさらに増えて38台に。これだけの台数が一斉に走れば、前半から後半にかけてコンディションが向上するのは明らか。かと言って、終了間際にはタイヤのピークが過ぎている可能性もある。

 予選のタイムアタックの予定としては、序盤を流し気味に、中盤を過ぎたころから全力でアタックし、終盤に再度アタックをしていくという作戦で挑んだ。序盤はフロントタイヤに熱を入れることに集中し、しっかりと熱を入れていったが、中盤の全力アタックに精度を欠いてしまう。終盤の再アタックはすでにタイヤのピークを過ぎておりタイムが思うように上がらず、ファーストベストタイムによる第3戦は1分46秒422で25番手、セカンドベストタイムによる第4戦は、46秒655で28番手と、不本意な結果に終わってしまう。

決勝第3戦 5月2日(土) 天候/晴れ コース状況/ドライ

 予選同様、第3戦決勝レースは上空に青空が広がり、絶好のコンディションの中で行われた。ゴールデンウィークの真っただ中とあって土曜日でも観客数は3万を超え、グリッドから見渡す光景は、今まで経験したことのない迫力であった。当然、緊張も高まる中、好スタートは切ったものの、まわりは大渋滞。オープニングの1周で抜きつ抜かれつを繰り返し、結果的にはひとつポジションをダウン。それでも3周目にはポジションを戻し、5周目には24番手に上がるなど、着実にレースを進めていく。7周目、里見はダンロップコーナーでオーバーテイクを試みるも、そこには十分なスペースが残されていなかった。接触してマシンにダメージを負い、ピットでリタイアとなったばかりか、その行為が危険と判定され、ペナルティを科せられることに。大いに反省の残るレースとなった。

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決勝第4戦 5月3日(日) 天候/晴れ コース状況/ドライ

 日曜日の第4戦決勝レースは少々雲こそ増えたが、もはや上着など必要ないほどの気候になり、観客席を埋め尽くした5万8千もの視線は、程よい冷却材にもなったことだろう。実際、流れる風が心地よい。ただし、それはドライバーに限っては別問題、緊張は第3戦同様、高まっていく。

 そんな状況の中、里見はまたもスタートを決めてポジションを上げるが、GTのフリー走行が終わった直後の路面は、それまでと大きくコンディションを変えており、著しく滑りやすくなっていた。コースのいたるところでコースアウトやスピンが相次ぐも、巧みにかわし続けて最終コーナーをむかえる。だが、そこでコントロールを失った車両に絡まれ、一気にポジションをダウン。ほぼ最後尾の36番手にまで後退してしまう。

 とはいえ、レースが落ち着きを取り戻すと着実に順位を上げ続け、5周目には25番手に。その後も激しいバトルを繰り返して9周目には22番手に浮上、さらに最終ラップにもひとつ順位を上げて21番手でフィニッシュ。そして先着したドライバーにペナルティによる降格があり、最終的には20位という結果となった。

 次回のレースは、同じ富士スピードウェイが舞台となるが、メインレースであるスーパーGTのスケジュールの関係上、実に3か月ものインターバルが空くこととなる。この間に、どれだけライバルとのギャップを縮められるか。一回りも二回りも進化した様子を見せて欲しい。

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コメント

チーム監督 坪松唯夫
 クルマのバランスも良いところが見つかり戦える状況であったが、ドライバーがセッション毎に変化する路面に翻弄されてしまった。やはりGT車両が走った直後は路面にへばり付いたゴムが操縦性を変えてしまい、走りに集中出来なかったようだ。次戦も真夏の富士がレースなので、この状況を打開するためにやらなければならないことがある。
Driver 里見乃亜
 第3戦はスタートが良くて何台か抜くことができ、少しずつ追い上げていけたのですが、まわりのドライバーに比べてタイムが遅かったのに、ダンロップコーナーで無理に仕掛けてしまい接触、リタイアとなってしまいました。第4戦もスタートは良かったのですが、最終コーナーでスピンした車両がイン側から飛んできて、接触してハーフスピンし、その時にタイヤかすまで拾ってしまって……。しばらく振動に苦しみましたが、その後はタイムも安定してきて、監督にアドバイスしてもらったことを試してみたら、予選より明らかに乗り方も良くなってきました。課題もやっと見つかったので、次に繋がることがかなりあったと思います。今回のような位置にいることが決勝で苦戦した理由なので、次は予選をしっかりまとめたいと思います。
Le Beausset Motorsports


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