1994年全日本GT選手権シリーズ第1戦 全日本富士GTレース大会 決勝レースレポート -------------------------------------------- 94年全日本GT選手権の開幕レースを、ディフェンディング・チャンピオ ン影山正彦の駆る#1カルソニックスカイラインが、300kmのサバイバルレ ースを制した。 心配された雨も降らず、グランドスタンドを文字どおり埋め尽くした観客が 見守る中、13時30分にフォーメーション・ラップが開始された。 ペースカーのシボレー・カマロに引き連れられて、ゆっくりと周回をしたマ シンがグリッドに着く。 13時34分、シグナルがグリーンに変わり、300kmのセミ耐久レースの幕が 切って落とされた。ポールポジションの#50タイサン・ADVAN・962C が出遅れて、大きく順位を落とす。それを後目に、#1カルソニックスカイラ インと#2ZEXELスカイラインが猛スパートを見せて1コーナーに並走状 態で飛び込んだ。 混乱の1コーナーでは、#10Johnson SKYLINEがコース外へ 飛び出すが、すぐにコース復帰を果たす。 1周終了時のオーダーは、#1カルソニックスカイライン - #2ZEX ELスカイライン - #24コクピット館林GT-R - #3ユニシアジェ ックススカイライン - #14CCIあめんぼうシルビア - #50タイサン ・ADVAN・962C - #5BLITZ SUPRA - #40タイサ ン・ADVAN・F40 - #9acom ポルシェ RSR - #33ミ ューズオイル OW RX-7 - #29KORG KEGANI ポルシェ - #25FEDEX NISSAN GT-Z - #10Johnson SKYLINE - #11ハンターレーシングチーム - #70欧州車販売の 外国屋スカイライン - #37グレコレーシング スープラ - #88レイン X・アート・カウンタック。 2周目、#2ZEXELスカイラインが#1カルソニックスカイラインを交 わしてトップに立つ。 今朝のウォームアップがシェイクダウン走行だった#25FEDEX NIS SAN GT-Zが、ヘアピンでストップ。 5周目、挽回を見せはじめていた#50タイサン・ADVAN・962Cがピッ トイン。長いドック入りが始まる。 トップ4台のスカイラインGT-Rは、それぞれ 1.5~ 1.8秒の間隔で走行、 5位の#40タイサン・ADVAN・F40とは約10秒の差が開いているため、 早くもGT-Rによる優勝争いの様相を呈する。 後方では、#29KORG KEGANI ポルシェ、#33ミューズオイル OW RX-7、#10Johnson SKYLINEによる6位争い、 #5BLITZ SUPRA、#14CCIあめんぼうシルビア、#9acom ポルシェRSRの9位争いが行われている。 6周目、トップを行くスカイライン勢はペースを緩めず、早くも周回遅れが 出始める。 10周目、#1カルソニックスカイラインが#2ZEXELスカイラインに追い つき、1コーナーでテール・ツー・ノーズ状態になるが、#2ZEXELスカ イラインの方がダンロップ・コーナーの立ち上がりで優っているため、スリッ プに入ることが出来ない。 12周目、#37グレコレーシング スープラがピットイン。ピットアウトした 後もエキゾーストノートはよくない。この後もピットイン、ピットアウトを度 々繰り返すことになる。 18周目、トップ争いの#2ZEXELスカイラインと#1カルソニックスカ イラインが、6位争いの3台を周回遅れにして行く。 21周目:#1カルソニックスカイラインが#2ZEXELスカイラインをス トレートで交わしてトップに立つ。#2ZEXELスカイラインはペースが上 がらないのか、ピットインを行いボンネットを開ける。原因は解明出来ずに燃 料補給とタイヤ交換のみでピットアウト。この間に1周遅れとなるが、ピット アウト後は、激しい追い上げを見せる。 23周目、レースの3分の1が経過した。この時点の順位は、#1カルソニッ クスカイライン - #3ユニシアジェックススカイライン - #24コクピッ ト館林GT-R - #40タイサン・ADVAN・F40 - #5BLITZ SUPRA - #14CCIあめんぼうシルビア -、#9acomポルシェ RSR。 トップグループのスカイラインを脅かすものはなさそうな状況である。追い 上げの期待された#40タイサン・ADVAN・F40は、#24コクピット館林 GT-Rとほぼ同じペースで周回しており、約6秒の差は縮まりそうにない。 25周目、スタート直後から激しく争っている#5BLITZ SUPRAと #14CCIあめんぼうシルビア。#14CCIあめんぼうシルビアがダンロップ コーナーの進入で半ば強引に抜くが、26周目のサントリーコーナーで#5BL ITZ SUPRAが抜きかえす。この2台が争っているあいだに、一時は離 されかけた#9acomポルシェRSRが接近して、3台による5位争いにな る。 27周目、#5BLITZ SUPRAが白煙を上げてスローダウン。オレン ジボール旗が用意されるが、掲示される前に自らピットインしてレースを終え た。 #29KORG KEGANI ポルシェと#70欧州車販売の外国屋スカイラ インの争いが一段と激しくなる。この争いは、レースが終わるまで続けられた。 33周目、レギュレーションで義務付けられている燃料補給を行うためのピッ トインが始まる。この周回は、#88レインX・アート・カウンタック、#3ユ ニシアジェックススカイライン、#2ZEXELスカイラインがピットインを 行う。#88レインX・アート・カウンタックはトラブルらしく、ピットに張り 付いたままになる。 34周目、レースは残り半分。トップを走る#1カルソニックスカイラインが ピットイン。燃料補給と左前後輪を交換して、30秒ほどかかるが、十分なリー ドを保っているため、トップのままでピットアウトする。 (パート2へ続く) レポート:進藤 泰昭(GEA00555)