********************************************** EVERGREEN RacingTeam リリース ********************************************** '90 全日本 Panasonic F3 選手権シリーズ第3戦 ’90ミリオンカードカップ鈴鹿 <5月26日~27日> -------------------------------------------- NO.27 羽根幸浩 RaltRT34/Mugen MF204 予選 2位 ( 2'05"675) 決勝 2位 (36'06"057) -------------------------------------------- 久しぶりに、いい天気ににめぐまれた週末。ヨーロッパでは伝統と格式のモナコG Pが、アメリカでは、陽気なアメリカンたちの、これも伝統の1戦、インディ500 マイルレースがそれぞれ行われている。そして、日本では全日本のF3000とF3 レースである。前回、第2戦の富士で、F3挑戦4年目にして初めての優勝をかざっ た羽根幸浩は、当然、2連勝をねらうべく、土曜日の予選から力のはいった走りを見 せ、予選2番手の位置を獲得。フロントロウ外側のポジションからスタートして、原 貴彦選手、服部尚貴選手と激しいトップあらそいの結果、2位でフィニッシュした。 ================== 5月26日 土曜日 公式予選 ================== 55台のエントリーを集めたF3、いつものように、A・B2組に分かれて予選が 行われた。羽根は先に走るAグループである。今回、予選では、ポールポジションに は、必要以上にこだわらず、本番のレース用セッティングを重視してセットアップを 完ぺきにする、というのがチームの作戦であった。 羽根は予選開始早々にコースインして、タイムトライアルがはじまる。いつもの予 選なら、まず、コースの状況を見ながらタイヤを暖めたあと、路面がきれいなうちに 早めにタイムアタックをする、というのが定石なのだが、この日は予想したよりもず いぶんと気温が高く、また路面温度もかなり上がっていて、F3の前に行われたF3 000の予選でのQタイヤのコンパウンドのカスが、路面にかなりでているという悪 いコンディションであった。そのため、Aグループの中では、つねにトップあらそい のできるタイムをだして、予選をリードしていたものの、タイム自体は、思ったほど 上がってこない。結局、予選の最終ラップとなった12周目、Aグループのなかでは ただひとり、06秒台を切る2分05秒675をただきだして、暫定ポールを獲得。 Bグループの予選結果を待つ。 つづいておこなわれた、Bグループの予選では、今回、昨年型のRaltRT33/Mugenを 持ち込んだライバルの服部尚貴選手が、5周目に2分05秒501のBグループ最速 タイムを出してポールポジションを獲得。羽根は予選2番手、フロントロウ外側から のポジションからレースをスタートすることになった。 ■羽根選手のコメント 「気温が上がってたので、路面温度が高かったのと、コースの状態があまりよくな かったので、タイムが上がらなかった。Aグループでは、路面がきれいになる予 選のおわりの方でベストラップをだす選手が多かったが、ぼくの場合も最終ラッ プがベストラップだった。もうちょっとコンディションが良ければ、まだまだ、 行けたと思う。」 ================== 5月27日 日曜日 決勝レース ================== 決勝当日は、晴。予選に引き続いて、かなり気温も高く、路面温度も上がることが 予想される。前回の富士のレースでは、スタートで失敗し、大きく出遅れてしまった 羽根だったが、今回は、予選2番手のポジションからなかなかの好スタートをみせる。 が、しかし、その羽根以上にうまいロケットスタートを見せたのが原貴彦だった。4 列目内側、予選7番手のポジションから、絶妙のタイミングで飛び出した原は、予選 上位の間をすり抜けて先頭で1コーナーへむかう。原につづけて羽根は2番手で1コ ーナーに進入。スタートではやや出遅れたてしまった服部も、羽根につづいて3番手 につける。 1周目に、服部が羽根をパスして2番手に浮上。原-服部-羽根というオーダーで 1周目を終える。 レース序盤、上位3台は2分06秒台のペース。一方、予選4位と大健闘の夏川竜 一を先頭に、土屋圭一、高村一明らがつづく4位あらそいの第2グループは、7秒台 のペースで走行。上位3台が、4位以下を大きく引き離して、トップグループを形成 する展開になった。レース前半戦は、原-服部-羽根のトップグループ3台が、およ そコンマ5秒からコンマ8秒程度の間隔を保ったまま、2分06秒台のペースでラッ プが重ねられる。 このトップあらそいに変化が起こったのはレースも半ば過ぎの10周目。グランド スタンド前のストレートで、突然、服部のペースが落ちる。そのスキを見逃さず、羽 根は服部をパスして2番手にポジションアップ。服部は、その後もしばらくコース上 に残るが、結局はミッショントラブルのため13周目でピットにはいってそのままリ タイアとなってしまった。服部が消えた後のレース後半戦は、原と羽根の2台による 一騎討ちの展開となる。 各ラップとも、ヘアピン、シケインの低速コーナーでは、羽根が原のすぐ直後まで 迫るものの、立ち上がりとストレートで、また原に引き離されるというはげしいバト ルをつづけながら、レースは大詰めの終盤戦までもつれ込む。そして、最終ラップの 17周目。ヘアピンで原のインにノーズをさした羽根は、マシンのコントロールを乱 してしまい、痛恨のスピン。コースへはすぐにレース復帰はできたものの、さすがに 残り半周では追撃は不可能。結局、原につづいて2位でレースを終えた。 なお、羽根は、今回の2位入賞で6ポイントを獲得。前回の富士での9ポイントと あわせて15ポイントとなり、シリーズポイントの上では、トップに立った。 ■羽根選手のコメント 「序盤戦は、冷静だったよ。スタートの時に服部君に先行されても、まったく気に ならなかったし、あまり前とくっつくとオーバーヒートが心配なので、わざと適 当な間隔をあけていた。いつかは服部君が原君を抜いてトップにたつと読んでい たので、そのときに、服部君についていけばいいとおもっていたんだけど…。 服部君がリタイアして、後半にはいってからは、ちょっと焦ったね。コーナーで はちゃんと追いつけるんだけど、原君の立ち上がりが速くて、ストレートで抜く ことができないんだから。勝負は、最終ラップのシケインだと考えていたので、 最後のヘアピンでは仕掛けるつもりは、ぜんぜんなかった。ただ、後ろにつけて おこうとおもってたら、原君のブレーキングが思ったより早くて、結果的に、 ノーズがインにはいってしまったんだ。50万円、落としちゃったみたいな気分 だね(笑)」 ■若杉チーム代表のコメント 「いやぁ、本当に悔しいね。予選の時から、本番重視のセッティングをしてたので、 決勝では、ほかのチームより、コンマ5秒くらいのマージンがある思ってた。勝 てる自信はあったんだけど…。最初に抑えていくのは、予定通りだった。でも、 原君の速さが、正直にいって、ちょっと読み切れてなかった。最後は、一瞬ヒヤッ としたけど、まあ、ポイントはトップにたったんだし、今回はこれで良しという ことにしようかな。」 EVERGREEN RacingTeam ERGO TECHNIC FNAKI RACING --------------- EVERGREEN GROUP