いよいよNSXの逆襲が始まった(Photo:K.Takeshita)
JGTC第6戦もてぎGTチャンピオンレースは、昨日に引き続いて快晴のもとで行われ、 GT500は今週末好調を維持してきた#16G'ZOX-NSXがポールシッターの#36WOODONEトムス スープラを見事なピットワークでかわして今季初優勝を飾り、GT300でも#71シグマ DUNLOPセリカが#19ウェッズスポーツCELICAの猛追を振り切って鈴鹿1000kmに引き続いて の優勝を飾った。(GT選手権では今季初) 今週末ずっと好天に恵まれているツインリンクもてぎは決勝日も厳しい残暑に見舞われ、 スタート直前時点での気温は34度、路面温度は47度に達していた。 そんななか、レースは予定通り午後2時にスタートし、PPの#36WOODONEが危なげなく 1コーナーを制すると、そのままぐんぐんと後続を引き離していった。 その後方では#22モチュールピットワークGT-Rと#16G'ZOX-NSXが熾烈な2位争いを展開、 #16伊藤大輔は何度もアタックを仕掛けるが#22影山正美も簡単には譲らず、結局90度 コーナー手前でインをついて抜き去るまでには10周を要してしまった。 この間に#36との差は5秒以上に広がってしまったが、2位に上がってからの伊藤の追い 上げはすさまじく、ピットストップ直前の26周目にはその差を1.1秒まで縮めてきた。 予選ではウェイトハンデを抱えながらも好タイムを記録していたスカイライン勢だったが、 決勝では思うような走りが出来ず、G'ZOXに攻略された#22号車だけでなく#12カルソニック も#23ザナヴィもじりじりと順位を下げてしまう。 その一方で#64Mobil1や#100RAYBRIGらのNSX勢は序盤から積極果敢に前に出て行こうと する。 これに#1エッソウルトラフローや#38auセルモらのスープラが絡んで、セカンドグループ 以降は抜きつ抜かれつの接近戦がそこかしこで繰り広げられた。 トップの#36を除く上位陣は27周目に相次いでピットストップを敢行。 ここで手際よく作業を終わらせた#100RAYBRIGが#38auの前でピットアウト。 トム・コロネルに交代した#16もアウトラップから猛然とプッシュして、#36がピット ストップを行った29周目には遂にこれをかわして実質上のトップに上がると、そのまま 後続を突き放して63周を走りきって今季初優勝、開幕から苦戦の続いたNSX勢としては 前回の富士に続いての2連勝を飾った。 一方、ランキング首位を争う#23と#1は、#23本山がファイナルラップでストップ。 #1は一時3位まで上がったものの終盤ペースダウンして4位でレースを終えた。 GT300はPPの#43ガライヤを#77インプレッサ、#71セリカ、#11フェラーリが追う展開で 始まり、この後方から#19セリカもじわじわと順位を上げてきた。 このうち、#11フェラーリは10周目に燃料系のトラブルで、#77はクラッチトラブルから 23周目にストップ。トップ争いは#43と#71の2台に絞られた。 今回がGT選手権デビュー戦となる#71片岡龍也は序盤で#77インプレッサを抜いて2位に 上がると積極果敢に#43新田守男を追いたて、25周目のS字でインを奪うとそのまま トップに躍り出て、28周目に澤圭太にバトンタッチ。ピットストップを33周目まで 引っ張った#19セリカに一時は10秒近い差をつけたが、#19田中実の追い上げはすさまじく、 57周目にはなんと0.5秒差まで詰め寄ってきた。 勝負が決したのは58周目の90度コーナーだった。 澤自身も「お互いに後先を考えない」と語るとおりのギリギリのブレーキ勝負の結果、 両者グラベルに飛び出し、澤はすぐにコース復帰したものの田中は無念にもスタック。 これにより#71シグマの今季初優勝が決まった。
2003年9月14日 ツインリンクもてぎ(栃木県) 決勝 天候:晴れ/コース:ドライ
-P.-No.Cls-Car------------------------------Drivers----------Lap-Time/Diff---(WH) 1 16 500 G'ZOX-NSX 伊藤/コロネル 63 1"38'35.192 (10) 2 36 500 WOODONEトムススープラ 土屋/コマス 63 5.621 (50) 3 25 500 ADVAN スープラ 荒/デュフォア 63 36.188 (10) 4 1 500 エッソウルトラフロースープラ 脇阪/飯田 63 36.583 (90) 5 100 500 RAYBRIG NSX 加藤/光貞 63 37.042 (10) 6 12 500 カルソニックスカイライン トレルイエ/井出 63 41.561 (50) 7 39 500 デンソーサードスープラGT シュワガー/織戸 63 1'02.188 (20) 8 * 8 500 ARTA NSX 土屋/金石 63 1'18.464 9 38 500 auセルモスープラ 竹内/立川 63 1'37.770 (80) 10 37 500 ZENTトムススープラ 黒澤/アピチェラ 63 1'42.099 (10) 11 23 500 ザナヴィ ニスモ GT-R 本山/クルム 62 1Lap (110) 12 35 500 プロジェクトμエスペリアスープラ 服部/脇阪 59 4Lap (10) 13 71 300 シグマテックDUNLOPセリカ 片岡/澤 59 4Lap (20) 14 43 300 ARTA Garaiya 新田/高木 59 4Lap (10) 15 3 300 ハセミスポーツエンドレスZ 木下/柳田 59 4Lap (50) 16 81 300 ダイシンADVANシルビア 星野/植松 58 5Lap (30) 17 34 300 DENTAIRE MR-S 西澤/松田 58 5Lap 18 31 300 RECKLESS MR-S 佐々木/後藤 58 5Lap (55) 19 51 300 C-WEST・AUTOSTAFF・ADVANシルビア 尾本/加藤 58 5Lap 20 19 300 ウェッズスポーツCELICA 青木/田中 57 6Lap (70) 21 17 300 Kosei SPIRIT MR-S 松永/長嶋 57 6Lap 22 69 300 FK/Massimo 外国屋 ADVAN GT3R 山岸/位高 57 6Lap 23 911 300 高見沢バイタルポイントGT3R 高見沢/砂子 57 6Lap 24 61 300 R&DスポーツダンロップGT3R 勝間田/井原 57 6Lap 25 15 300 AMPREX BMW M3GT 橋本/クワン 57 6Lap 26 22 500 モチュールピットワークGT-R ライアン/影山 56 7Lap (50) 27 7 300 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7 谷口/大井 56 7Lap 28 910 300 910 BOROアドバンポルシェ 平川/宮川 55 8Lap 29 111 300 ARKTECHダンロップGT3 飯島/芳賀 55 8Lap 30 70 300 外車の外国屋ダンロップポルシェ 石橋/伊橋 54 9Lap 31 18 500 TAKATA童夢NSX 道上/フィリップ 52 11Lap (60) 32 24 300 EndlassタイサンアドバンGT3R 余郷/浅井 47 16Lap (30) 33 2 300 リニューカー・ベルノ東海NSX 高橋/渡辺 47 16Lap (10) 34 88 500 ノマド ディアブロ JGT-1 山西/WADA 44 19Lap ----------------------以上完走--------------------------------------------------- 35 55 300 ECLIPSEタイサンADVANバイパー 山田/木下 37 26Lap (25) 36 26 300 PLUS e タイサンアドバンGT3R 山路/西澤 36 27Lap (60) 37 5 300 BANPRESTO B-1マッハ号GT320R 玉中/三船 32 31Lap (10) 38 64 500 Mobil 1 NSX 松田/ロッテラー 31 32Lap 39 62 500 VemacR&Dダンロップ350R 柴原/密山 31 32Lap 40 9 300 正義の味方 覆面レーサーXMT 石川/筒井 26 37Lap (10) 41 77 300 クスコスバルADVANインプレッサ 小林/谷川 22 41Lap 42 76 500 イエローコーンマクラーレンGTR 清水/田嶋 11 52Lap 43 11 300 JIM RodeoDrive アドバンF360 松田/田中 9 54Lap (35) ---------------------------------------------------------------------------------- Best Lap : #38auセルモスープラ 1'49.613(45/63) 規定周回数:44 *#8は、2003全日本GT選手権統一規則書 第34条2.違反(ジャッキアップ中のエンジン始動) により、ドライビングスルーペナルティを課した。