SUPER GT

SUPER GT第5戦もてぎ ホンダリポート

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Honda NSX-GT勢が1-2フィニッシュ
RAYBRIG NSXが6年振りのGTシリーズ戦勝利を飾る

決勝日:9月4日(日)
サーキット:ツインリンクもてぎ 天候:予選/晴れ 決勝/曇り 気温:31℃/路面温度44℃(14:00現在) 決勝レース:63周(約302.463km) コースコンディション:ドライ 観客数:52,000人(主催者発表)

9月4日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)において、2005年SUPER GT第5戦「MOTEGI GT 300km RACE」の決勝レース(63周=約302.463km)が開催された。

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 前戦SUGOラウンドから全車NA(自然吸気)化されたHonda NSX-GT勢は今回もポテンシャルの高い走りを披露し、3日(土)の午後に行われたスーパーラップ(予選1回目の上位10台が決勝グリッドを争うタイムアタック・セクション)に全車4台が参加した。

 このタイムアタックにおいて40kgのハンディウェイトを積む#8 伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組(ARTA NSX)がトップタイムをマーク。第3戦マレーシアラウンドに続く今シーズン2回目のポールポジションを獲得した。さらに#18 道上龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)が予選2番手、#100 セバスチャン・フィリップ/ジェレミー・デュフォア組(RAYBRIG NSX)が予選3番手と、NSX-GTが1-2-3グリッドを独占することとなった。#32 松田次生/アンドレ・ロッテラー組(EPSON NSX)は予選8番手からのスタートとなった。

 4日(日)は朝から曇が空を覆っていたが、スタートが近づくにつれて青空がのぞき、気温も31℃、路面温度は44℃まで上昇した。残暑のツインリンクもてぎに駆けつけた5万2千人の観衆が見守るなか、参加台数44台(GT500クラス18台)のマシンによって、63周のレースがスタートした。

 オープニングラップは、R.ファーマン選手(#8 ARTA NSX)がトップ、道上 龍選手(#18 TAKATA童夢NSX)が2位、S.フィリップ選手(#100 RAYBRIG NSX)が3位と1-2-3態勢を築き、序盤からNSX-GT勢がレースの主導権を握った。予選8番手からスタートしたA.ロッテラー選手(#32 EPSON NSX)もポジションを2つ上げて6位を走行し、上位進出を狙う。

 周回遅れが目立ってきた9周目に、S.フィリップ選手が2位に浮上。さらにトップを走るR.ファーマン選手に迫る。さらに3位の道上選手の背後に迫っていた#3 G'ZOX・HASEMI・Zが#38 ZENTセルモスープラに接触されたためにコースアウト。この間にA.ロッテラー選手が4位に浮上し、12周目に入る時にはNSX-GT勢が1-2-3-4態勢を築くこととなった。

 その後もNSX-GT勢は1分49秒台の安定したタイムをキープ。4位以下に6秒以上の大差をつける独走態勢となった。21周目には、A.ロッテラー選手が道上選手をパスして3位に浮上した。

 そして、26周終了時にトップを走行していた#8 ARTA NSXは、シフトリンケージのトラブルが発生したため急きょピットインを敢行。2位の#18 TAKATA童夢NSXも同時にドライバー交代のためピットイン。道上選手は順調にピットアウトしたものの、伊藤 大輔選手(#8 ARTA NSX)は修復に時間を要したため、コースに復帰したときにはトップと2周もの差がついてしまった。

 続く27周目終了時には、S.フィリップ選手がピットイン。#100 RAYBRIG NSXはリアタイヤのみの交換で36秒のピットタイムでコースに復帰し、実質上のトップに浮上した。

 ピットインのタイミングを遅らせて力走していた#32 EPSON NSXだったが、イエローフラッグ時の追い越しのためドライビングスルーペナルティーが課されたため、ペナルティーを実行した次周の32周目終了時にピットイン。40秒のピットストップで松田 次生選手(#32 EPSON NSX)がコースに復帰した。

 GT500クラスの全車がドライバー交代を敢行した35周目時点で、トップにJ.デュフォア選手(#100 RAYBRIG NSX)、2位に小暮 卓史選手(#18 TAKATA童夢NSX)。松田選手が5位、伊藤選手は18位からの追い上げとなった。

 レース後半戦で激しい追い上げをみせていた#32 EPSON NSXの松田選手は、61周目に#22 モチュール ピットワークZを抜いて4位に浮上。さらにハイペースを続け、3位の#12 カルソニック インパルZを追った。

 トップを走る#100 RAYBRIG NSXのデュフォア選手はタイヤの摩耗に苦しみながらも安定したペースで走りきり、NSX-GTにとって昨年のJGTC(全日本GT選手権)第5戦もてぎラウンド(#32 EPSON NSX 松田次生/A.ロッテラー組)以来の勝利となった。2位には、小暮選手が続き、NSX-GTが1-2フィニッシュを果たした。

 5位フィニッシュを目前としていた松田選手は最終ラップにガス欠のためコース脇にマシンを止めたため、チェッカーフラッグは受けられなかったものの結果的に10位となった。#8 ARTA NSXは4周遅れの16位でチェッカーフラッグを受けた。

 NSX-GTにとってGTシリーズ戦での1-2フィニッシュは、2002年のJGTC最終戦鈴鹿ラウンド(優勝:Mobil 1 NSX 松田次生/R.ファーマン組 2位:ARTA NSX 土屋圭市/金石勝智組)以来である。RAYBRIG NSXにとっては1999年のJGTC第2戦富士以来、6年振りのGTシリーズ3勝目(高橋国光/飯田章組)となった。

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■コメント

白井 裕(Hiroshi Shirai)NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「ようやく勝つことができました。今回は予選から1-2-3番グリッドを獲得し、NSX-GTのパフォーマンスを見せてくれました。決勝でもデュフォア選手が最後まで粘りの走りをみせて見事な優勝を飾ってくれました。2位のTAKATA童夢NSXも素晴らしい走りで、もてぎラウンドを1-2フィニッシュで飾ることができました。ただ、我々がさらに努力して改善しなければならない部分もあり、残りの3戦はこの反省をふまえてチャンピオンシップに臨んでいきたいと思いますので応援をよろしくお願いいたします」

優勝 #100 RAYBRIG NSX
セバスチャン・フィリップ(Sebastien Philippe)選手
 「簡単なレースではありませんでした。スタートはNSX-GT勢のポジションを守ることに専念しました。我々は最初からタイヤ交換はリアのみで、ピット時間を短縮するという作戦だったので、フロントタイヤをいたわって走りました。この作戦でトップに立つ自信はありましたが、8号車のトラブルは複雑な気持ちになりましたね。本当は表彰台を独占したかったです。今までGTシリーズ戦で優勝したレースはチェッカーを受ける役だったので、見守っているときは本当に緊張しました。レース後の監督(高橋国光監督)はとても嬉しそうな顔をしてくれました。また、これからもこのチームで勝利を目指していきたいですね」

ジェレミー・デュフォア(Jeremie Dufour)選手
 「とても嬉しい優勝でした。前戦のSUGOでトップを走行しながらアクシデントで優勝を逃していただけに、今回でチーム、マシン、ドライバーの実力を示すことができて良かったです。NSX-GTは本当に素晴らしいクルマでした。今回はフロントタイヤを交換しないで走りきる作戦だったのですが、クルマのフィーリングはほとんど変わりませんでした。2位との差を4~5秒に保って走りましたが、クルマのポテンシャルはまだ余裕がありました。シーズン前はテストが十分にできず、ドライバー2人も初めてのチームだったこともあり、慣れるのに時間がかかりましたが、もう大丈夫です。残り3戦も優勝を狙えると思っています」

Text & Photo: ©HONDA



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