SUPER GT

SUPER GT第3戦セパン Honda Media Website

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NAエンジン仕様のARTA NSXがSUPER GT初となるポールポジションからスタート 激しいトップ争いを繰り広げて2位表彰台を獲得
決勝日:5月26日(日)
サーキット:セパン・サーキット 天候:予選/晴れ 決勝/晴れ 気温:35℃(16:00現在)
決勝レース:54周(299.268km)
コースコンディション:ドライ 観客数:45,000人(主催者発表)

 6月26日(日)、セパン・サーキット(マレーシア)において、2005年SUPER GT第3戦「JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA」の決勝レースが開催された。

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 Honda NSX-GT勢は、新たなチャレンジとして今レースから#8 ARTA NSXの1台にNA(自然吸気)エンジン仕様車を投入した。今シーズンの車体は、新たにワイド&ロングボディを採用、ダウンフォースの大幅な向上と軽量化を実現したが、今シーズン中盤に向けさらに戦闘力向上のための仕様を再検討した。その結果、NAエンジンを搭載することで、エンジン回りの軽量化による重量配分の向上、インタークーラー用サイドインテークの廃止による空力性能の向上、その他の改良と合わせ、トータルパフォーマンスが高められると考え、NAエンジンの実戦投入を決断した。このNAエンジンは、量産NSX搭載のV6 3.2リッターをベースとし、排気量を3.5リッターに拡大、SUPER GT用に進化させている。まずは、ARTA NSXの1台にNAエンジンを搭載し、実戦での評価に基づき、今後のエンジン仕様を決定する予定となっている。

 金曜日の練習走行から早くもNAエンジン仕様の#8伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組(ARTA NSX)が速さをみせた。練習走行2回目でトップタイムを記録し、25日(土)に行われた予選1回目でもトップタイムとなる1分59秒387をマークした。ターボ仕様車は#18道上龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)が1分59秒924を記録し5番手、#32松田次生/アンドレ・ロッテラー組 (EPSON NSX)が6番手となり、NSX-GT勢は3台が予選2回目に行われるスーパーラップへ進出することとなった。

 予選1回目の上位10台と予選2回目のフリー走行で上位2台に入った計12台のマシンにより、決勝グリッドが決定するスーパーラップは午後4時から開始された。午前中に行われた予選1回目より気温と路面温度が下がっているため、好コンディションでのタイムアタックが期待された。このスーパーラップにおいて#8 ARTA NSXは、R.ファーマン選手が走行し、ただ一人57秒台に入る1分57秒824を記録し、見事にポールポジションを獲得。Honda NSX-GTにとってSUPER GT初のポールポジション獲得となった(GTシリーズとしては2002年第7戦MINE以来)。続く2番グリッドには1分58秒707を記録した#32 EPSON NSXが入り、Honda NSX-GTがフロントロー独占を果たした。#18 TAKATA童夢NSXは6番グリッドからのスタートとなり、スーパーラップ進出を逃した#100 セバスチャン・フィリップ/ジェレミー・デュフォア組(RAYBRIG NSX)は15番手グリッドから決勝を戦うこととなった。

 決勝日は多くのファンがサーキットに駆けつけ、グランドスタンドがほぼ埋まるほどの盛況ぶりとなった。レースは日中の高気温を避けるために、午後 4時にスタートされる。しかしながら、天候に恵まれた決勝日はスタート時でも気温35度、路面温度55度まで上昇し、マシン、ドライバーにとって厳しいコンディションでの決勝スタートとなった。

 決勝はフロントローからスタートした#8 ARTA NSXのR.ファーマン選手がトップを守り、オープニングラップを走行。2番手スタートのA.ロッテラー選手(#32 EPSON NSX)は3位、道上龍選手(TAKATA童夢NSX)が6位、S.フィリップ選手(#100 RAYBRIG NSX)が13位と続いた。トップを快走するファーマン選手は、ただ一人2分00秒台で周回を重ね、後続との差を広げていき、6周終了時には実に7秒以上もの差をつけて独走態勢に入る。A.ロッテラー選手は4位にポジションを落としたものの、5位まで浮上した道上龍選手とともにセカンドグループで激しいバトルを繰り広げた。

 果敢に攻めていたA.ロッテラー選手は、16周目の最終コーナーで#6エッソウルトラフロースープラをパスして3位に浮上する。一方、道上龍選手はレース中盤となる23周目の最終コーナーで、#6エッソウルトラフロースープラのイン側から抜こうとしたが接触してスピン。すぐにコースへ復帰するが、ポジションを13位まで落としてしまう。

 レースも折り返しとなった24周目終了時にトップを走るR.ファーマン選手がピットイン。タイヤ交換と燃料補給をし、ドライバー交代して伊藤大輔選手に交代した。その後、2位のザナヴィ ニスモ Zを抑えながら粘りの走行をみせる。全車がほぼドライバー交代を終えた時点で、トップに#8 ARTA NSX、5位に#32 EPSON NSX、7位に挽回の走りをみせる#18 TAKATA童夢NSX、10位に#100 RAYBRIG NSXと続く。10位を走行していたJ.デュフォア選手(#100 RAYBRIG NSX)は37周目の最終コーナーで後続に追突されスピンを喫するが、コースに復帰する。

 2位と1秒以内の接近戦を20周にわたり繰り広げていた伊藤大輔選手は、44周目の1コーナーで2位に後退するものの、激しい攻めをみせテール・トゥ・ノーズのトップ争いを繰り広げた。そして、残り3周となった52周目に再びトップを奪取。しかし、直後の53周目の1コーナーでトップを奪われ、チェッカーフラッグまで逆転はならず2位となった。続くHonda NSX-GT勢は#32 EPSON NSXが5位。#18 TAKATA童夢NSXが7位。#100 RAYBRIG NSXが10位でチェッカーを受けた。

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コメント

■白井 裕(Hiroshi Shirai)NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー

「優勝を狙っていましたが、本当に悔しい結果となりました。新たなマシンの戦闘力の高さを感じることができました。さらに、ターボ仕様車も予選2位を獲得し、ポテンシャルの高さを示すことができましたし、今後は2つのエンジンのメリット、デメリットを分析して優勝するための最善策を講じたいと思います。これからもNSX-GTへの応援をよろしくお願い致します」

2位 #8 ARTA NSX
■伊藤 大輔(Daisuke Ito)選手

「ラルフがポールポジションからスタートして、後続とのアドバンテージを築いてくれたのですが、ソフトタイヤを選択してしまったので早めのピットインとなり、後半は厳しい展開となりました。今朝の時点でクールスーツに問題があるのが分かったのですが、対策が完全ではなく、ラスト10周あたりから体力的に厳しい状況でした。残り3周でトップを奪い返したのですが、抜き返されてから集中力が少し切れてしまったのと、体力的に限界に近い状況だったので逆転することができませんでした。でも、この短期間でポテンシャルの高いマシンを仕上げてくれたHondaとチームに感謝したいです。スタッフのためにも、どうしても優勝したかったし、悔しい気持ちでいっぱいです」

■ラルフ・ファーマン(Ralph Firman)選手

「優勝できなかったのは残念でしたが、納得のいくレースでした。序盤から2位との差をキープして走ることができました。ただ、周回遅れをパスする際にタイムをロスしてしまったことを後悔しています。でも、マシンのポテンシャルは非常に高いので、細かい改良をしていけば、また優勝するチャンスはあるよ」



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