SUPER FORMULA

SF:第1戦鈴鹿公式予選 伊沢拓也が開幕戦でポールポジションを獲得、Hondaドライバーがフロントローを独占 (HONDA)

  • 2013年4月13日(土)・予選  会場:鈴鹿サーキット(5.807km)  天候:晴れ  気温:16℃(14:00時点) 路面温度:29℃(14:00時点)  コースコンディション:ドライ  観客:2万1000人(主催者発表)

sf130413001L.jpg  4月13日(土)、三重県・鈴鹿サーキットにおいて2013年 全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ開幕戦の公式予選が開催されました。

 昨年までフォーミュラ・ニッポンと呼ばれてきた国内最高峰のフォーミュラカーシリーズは、今年よりスーパーフォーミュラ シリーズと名称を変え、新たなスタートを切ることとなりました。なお、今シーズンの車両規則は昨年までと同様ですが、2014年からはエンジン、シャシーともに新型に置き換えられ、名実ともに新シリーズに切り替わることになります。

 Hondaはこれまでフォーミュラ・ニッポンで用いてきたエンジンをベースに、フリクションロスの低減、圧縮比と吸気効率の最適化、燃料インジェクションの形状見直しなどを実施し、性能の大幅な向上を達成した「HR12E」をスーパーフォーミュラ シリーズに投入します。このエンジンを4チーム8人のドライバーに供給し、2012年に獲得したチームタイトルの防衛に加えて、昨年は僅差で取り逃したドライバーズタイトルも勝ち取ることを目標に2013年シーズンに挑みます。

 今年、Hondaエンジンでスーパーフォーミュラ シリーズに参戦するのは、#10 塚越広大選手(HP REAL RACING)、#11 中山友貴選手(HP REAL RACING)、#15 佐藤琢磨選手(TEAM 無限)、#16 山本尚貴選手(TEAM 無限)、#31 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)、#40 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#41 武藤英紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の8人です。このうち、#15 佐藤選手はアメリカで開催されるインディカー・シリーズにも参戦しており、日程の関係で佐藤選手が出場できないレースは小林崇志選手が代わりにエントリーします。

 この日は午前9時5分より1時間にわたってフリー走行を行ったあと、午後1時50分より公式予選が行われました。2013年のスーパーフォーミュラ シリーズでは、第4戦もてぎ大会を除き、予選はすべてノックアウト方式が採用されます。これはQ1、Q2、Q3の3段階で予選を行ってスターティンググリッドを決めるもので、Q1は全ドライバー、Q2はQ1で14番手までに入ったドライバー、Q3はQ2で8番手までに入ったドライバーが出走します。そしてポールポジション(PP)から8番グリッドまではQ3の結果、9番グリッドから14番グリッドまではQ2の結果、15番グリッド以下はQ1の結果に従ってそれぞれ決定します。

 午前中に行われたフリー走行では1分38秒127を記録した#16 山本選手が参加全19人のドライバーの中でトップに立ちました。Honda勢でこれに続いたのは3番手の#40 伊沢選手でタイムは1分38秒214。以下、#32 小暮選手は1分38秒486で5番手、#10 塚越選手は1分38秒542で7番手、#41 武藤選手は1分38秒687で11番手、#15 佐藤選手は1分38秒775で12番手、#31 中嶋選手は1分39秒015で14番手、#11 中山選手は1分40秒136で18番手となりました。

 午後1時50分にスタートしたQ1は、各ドライバーがマシンの感触を確認していた開始6分の段階でアクシデントが発生したため、およそ8分間にわたり赤旗中断となりました。セッション再開後もチェック走行が続けられましたが、残り6分ほどになったところで各ドライバーは次々とニュータイヤを装着し、本格的なタイムアタックを開始しました。ここでトップタイムとなる1分38秒855をマークしたのは#32 小暮選手。さらに3番手に#15 佐藤選手、5番手が#16 山本選手となり、トップ5のうち3人がHondaドライバーによって占められました。これに22番手で続いたのは#10 塚越選手、22番手の#41 武藤選手、22番手の#40 伊沢選手でQ2進出を果たしました。なお、16番手の#11 中山選手と、17番手の#31 中嶋選手は、この段階で決勝のスターティンググリッドが決定しました。

 #32 小暮選手、#15 佐藤選手、#16 山本選手、#10 塚越選手、#41 武藤選手、#40 伊沢選手の6人が参加したQ2では、コースオープンとなった直後に14人のドライバーが続々とアタックを開始する展開となりました。ここでトップに立ったのは1分38秒492をマークした#16 山本選手。そして#15 佐藤選手が2番手となり、TEAM 無限のドライバーがトップ2を独占しました。さらに5番手の#40 伊沢選手と7番手の#32 小暮選手を含む4人がQ3進出を決めました。なお、#10 塚越選手は12番手、#41 武藤選手は13番手となり、決勝では同グリッドよりスタートすることになります。

 Q2と同じ7分間で競われたQ3は、コースコンディションの改善を期待して最初の2分間はだれも出走せず、残り5分となったところで各ドライバーが続々とコースインする展開となりました。ここでは、#40 伊沢選手が1分38秒217を記録してPPを獲得。さらに、#32 小暮選手が1分38秒333をマークして2番グリッドを勝ち取り、Hondaドライバーがフロントローを独占しました。さらに#16 山本選手は1分38秒578で5番グリッド、#15 佐藤選手は1分38秒581で6番グリッドを手に入れました。

 51周で競われる決勝レースは明日4月14日(日)の午後2時30分にスタートが切られます。

坂井典次(Tenji Sakai)|「HR12E」開発責任者
 「今シーズンよりタイヤの仕様が変わり、全体的により速いペースで走行できるようになりました。そこでこの速さを生かすため、コーナーの立ち上がりにおける加速の改善を目指して低中速トルクを向上させました。結果としてピークパワーも改善されましたが、今回はこのトルク特性の向上が2コーナーからデグナーコーナーに続くセクションのタイムを短縮に役立ったと考えています。明日のレースは従来よりも50kmほど長い300kmレースなので、より多くの燃料を積んだときのセッティングや燃費などについても考えなければいけません。そのような状況でも柔軟に対応できるよう、これから準備を進めていくことになります。明日はまず1勝を挙げ、そのあとも一つずつ勝利を積み重ねていくことでタイトルを獲得したいと考えています。引き続き、8人のHondaドライバーに熱い声援をお送りください」
伊沢拓也選手(ポールポジション #40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 「朝のフリー走行の段階ではマシンのフィーリングが悪かったのですが、マシンをあまり大きくは変えずに予選に挑みました。Q1は出走のタイミングが遅れてしまい、アタックができないままQ2を迎えました。Q1でマシンのバランスを確認し、Q2で戦うというステップが踏めず、Q2はヒヤヒヤしていましたが、なんとか通過できました。Q3で1、2コーナーを曲がった際に思ったよりも調子がよかったので、その感覚を信じて走ったことがポールポジションという結果につながりました。また、先週のSUPER GTで一緒に優勝した小暮選手が速かったので、“負けたくない”という思いが僕の方が強かったのだと思います。 マシンのセットアップに関しては心配がないので、明日はスタートさえうまくいけば優勝できるのではないかと思っています」
小暮卓史選手(2番手 #32 NAKAJIMA RACING)
 「フリー走行の時点では、自分がイメージしていたフィーリングと違っており、一からやり直しかと思うほどでした。ただバランスがよく、Q1はトップで終えることができました。Q2ではQ3に向けてセッティングをいろいろと試したのですが、思うようにいかなかったので元に戻しました。Q3では自分の中ではいいフィーリングで走れたので、ポールポジションが獲得できるかと思っていたのですが、伊沢選手がトップにいました。ただ、伊沢選手はSUPER GTのチームメートでもありますし、彼とは切磋琢磨したいので、僕としては久々にこのような争いができてうれしいです」
Text & Photo: HONDA


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