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SGT:第9戦もてぎ決勝 NSXラストランはARTAのポール・トゥ・ウィン! タイトルは脇阪/ロッテラー組のものに

2009オートバックスSUPER GT第9戦「もてぎGT250kmレース」の決勝レースが11月8日、ツインリンクもてぎで行われた。
レースはエンジンブローした車両の吹き上げたオイルを処理するために途中セーフティーカーが入る荒れた展開となったが、ポールポジションからスタートした#8ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組)がスタートで先行した#36PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組)を巧みなピット戦術で抜き返し、NSXのラストランを見事勝利で飾った。
惜しくも2位に終わった脇阪/ロッテラー組だったが、#1モチュールGT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)がレース前半にタイヤバーストに見舞われてクラス最後尾に後退、ノーポイントに終わったため、合計ポイントで本山を逆転、見事2009年のドライバーズタイトルを獲得した。

GT300クラスは終盤まで熾烈なデッドヒートが繰り広げられたが、ポールポジションの#81ダイシンアドバンFerrari(青木孝行/藤井誠暢組)が終盤追い上げてきた#7M7MUTIARA MOTORS雨宮RX-7(谷口信輝/折目遼組)を0.416秒の僅差で退けて今季2勝目をものにした。
なおタイトルは3位でフィニッシュし合計85ポイントを計上した#19ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也組)が獲得した。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:35,000人)

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決勝レースは午後2時にローリング開始。
スタートでトップに躍り出たのは#36ロッテラー。#8ファーマンを1コーナーで大外から抜き去り、そのまま8号車を押さえて周回を重ねていく。
その後方では#38ZENT SCのリチャード・ライアンと#1モチュールGT-Rのトレルイエが接触も辞さない熾烈な4位争いを展開。
一旦はトレルイエが前に出たものの、ここでの激しいドライビングが祟ってか、#1モチュールGT-Rはレース距離の3分の1となる18周目に左フロントタイヤをバーストさせ、それが元でフロントフェンダーをも大破してしまう。
ポイントリーダーとして最終戦に臨んだ1号車だったが、このアクシデントによりガレージに戻されての修復作業を余儀なくされ、一気に最後尾に落ちてしまった。
この時点でタイトル獲得もほぼ絶望的になった。

トップを快走する36号車は23周終わりでピットイン。ステアリングを脇阪に委ねて29.7秒でピットアウトしていく。
代わってトップに立った8号車は、ファーマンが32周まで引っ張って漸くピットイン。タイヤ4本交換ながらも伊沢は見事36号車の前でピットアウト、冷えたタイヤで脇阪の猛追を凌ぎった。その差は33周終わりで僅か0.8秒だ。

#32エプソンNSXが33周終わりでピットインしたことによりGT500全車がルーティンストップを済ませた結果、トップは8号車のものとなった。

伊沢は徐々に脇阪とのギャップを広げにかかっていたが、#55J-TRUSTポルシェがエンジンブローしたために5コーナー周辺にオイルが撒き散らされ、これを処理するために36周目からセーフティーカーが導入されることとなった。
これで再び8号車と36号車はテール・トゥ・ノーズの状態に。

セーフティーカーは39周目でピットイン。レースは40周目から再開となった。
この時点でトップと2位の差は逆転不可能なものではなかったが、このままでもタイトル獲得が可能な脇阪は敢えてリスクを犯さず、2位のまま周回を重ねて53周を走り切った。
この結果、脇阪/ロッテラー組は15ポイントを獲得してシリーズポイントを88とし、ノーポイントに終わった本山を10ポイント上回って2007年以来のドライバーズタイトルを獲得した。
3位にはルーキー塚越広大の終盤の追い上げが実り、#17ケーヒンNSXが入ってこちらもラストランに花を添えた。

6台6名にタイトルの可能性を抱えてスタートしたGT300クラスは 、ポールの#81ダイシンフェラーリが悠々とトップを快走する一方で、タイトルのかかった2位以下のバトルは今回も混戦を極めた。
そうした中、燃費で不利な状況にあったはずの#7雨宮RX-7が今回はタイヤ4本交換で序盤からハイペースで飛ばす作戦を採り、2番手に躍り出る。ピットストップ直後には一旦#19ウェッズスポーツ、#2紫電、#11ジムゲイナーらの先行を許したが、これらタイヤ無交換作戦のチームに対し、ニュータイヤに熱が入って以降#7折目遼が逆襲に転じ、1台、1台とパスをしていって再び2位の座を奪い返した。

しかし今季優勝のない7号車は2位ではタイトル獲得に充分なポイントを得られないため、猛然とトップの81号車を追い上げにかかった。
そこへ前述の55号車のアクシデントによりSCが入ったため、一時20秒以上あったトップとの差は、レース再開時点で間に周回遅れを挟みながらも僅か4秒あまりとなった。

終盤#81青木を1秒以上上回るハイペースで追い上げた#7折目だったが、青木も途中からペースを上げて抵抗。最終的にはダイシンフェラーリが僅か0.416秒差で雨宮RX-7の追撃を退け、今季2勝目を挙げてシーズンを締めくくった。

これにより7号車のシリーズポイントは82となったが、19号車が11号車の猛追を退けて3位でフィニッシュしたため、織戸/片岡組が合計85ポイントで今季のドライバーズタイトルを獲得した。

2010年のスーパーGTは3月20-21日、鈴鹿サーキットで開幕する。
ホンダがNSXに代えてどんなクルマをデビューさせるのか、ドライバーラインナップがどのように変わるのか、注目点は今から盛り沢山だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA


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