初のノックダウン方式で行われた2007スーパーGT第7戦もてぎの公式予選2回目は、 #18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が今季5度目のポールポジションを獲得する結果となった。 GT300クラスは#43ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)が今季初のポールを獲得した。
午後2時40分、いよいよ注目のノックダウン方式による公式予選2回目が開始された。
これは予選セッションを各クラス3つづつにわけ、それぞれのセッションで下位のチームを順番にふるいにかけていくという、
F1でもおなじみの方式だ。
更にGTではこの3セッションを1セットのタイヤで走行しなければならず、
いかにタイヤを温存しながらタイムを出していくかという難題が突きつけられることとなった。
15分間で行われるセッション1では、GT500は上位12台、GT300は上位20台がセッション2へ進むことができ、 それ以下はここでグリッドが確定する。
GT300クラスでは、車検不通過の#101トイストーリーMR-Sの最後尾グリッドが確定、
黒澤翼が基準タイムに及ばなかった#67tripleaガイヤルドが24番手となる。
それでも101号車は大嶋和也の果敢なアタックで1分55秒783と、このセッションのベストタイムを叩き出し、
ポテンシャルの高さを見せ付けた。
101号車を除いてのトップタイムは#26ユンケルタイサンポルシェの谷口信輝。大嶋には及ばないながらも56秒225を叩き出した。
2位には#13エンドレスZの影山正美。
3位には#62ウィルコムヴィーマックの黒澤治樹がつけ、最終的に上記2台のほか#9レイジュンダンロップMT900、
#66tripleaガイヤルド、#71外国屋ポルシェらがここで脱落した。
続いて始まったGT500では、残り時間8分あたりから続々とコースインする車が現れ、
トップから最後尾までめまぐるしいタイムアタック合戦が繰り広げられた。
こうした中、なんと昨年、一昨年ともてぎラウンドを連覇している#100レイブリックNSXのドミニク・
シュワガーが13位に終わる大波乱があり、このレイブリックとともに#17リアルの金石年弘が14位と、
本来もてぎを得意とするはずのNSXが2台もセッション1で姿を消すこととなった。
このほか、#39デンソーサードSCが15位、#24ウッドワンZが16位と、この4台のグリッドが確定した。
トップタイムは1分45秒219を叩き出した#18TAKATA童夢の小暮。2番手には#38ZENTセルモSCの立川祐路がつけ、
#25エクリプスアドバンSCの土屋武士が3番手だった。
7分間のインターバルをおいて開始されたセッション2では、各クラス10分間の走行でGT500は12台中8台、 GT300が20台中10台がセッション3へ進むこととなる。特にGT300にとっては厳しいセッションだ。
GT300クラスは、セッション1でトップの26号車を駆る谷口がいきなり56秒524を叩き出してトップ。
しかしすぐに62号車の黒澤、#46宝山Zの佐々木孝太らが谷口のタイムを上回り、26号車は結局6位でセッション2を終えることとなった。
一方、ここでは10台が脱落するとあってボーダーライン上はめまぐるしく顔ぶれが変わり、そのタイムさも非常に接近した厳しい戦いとなった。
その結果、セッション1で2位につけた13号車の影山が僅か1000分の1秒の差で#4EBBRO 350Rの田中哲也に破れ、
11位に終わることとなった。他に#19ウェッズセリカ、#77クスコインプレッサ、#47宝山Z、#55フォードGT、
#112クムホボクスター、#33ハンコックポルシェ、#333ウエマツ320R、#11ジムセンターF360、
#666楽天320Rらがここで脱落した。
GT500クラスは、GT300の走行が終了するのを待って残り7分でコースイン。
ここでは38号車の立川がトップ、#22モチュールオーテックZのミハエル・クルムが2位につけ、18号車の小暮は3位。
一方、#6フォーラムエンジSC、#35バンダイSC、#23ザナヴィZ、の3台のほか、
前回鈴鹿1000kmで優勝した#1宝山SCまでもがここで姿を消すこととなった。
再び7分間のインターバルの後、いよいよポールポジションを決めるセッション3が開始された。
こちらも与えられた時間は各クラス10分間。
既に2度の全開アタックを経たタイヤがどこまで性能を維持しているかが勝負のカギを握る。
GT300は、26号車の谷口が最初のアタックでいきなり55秒732と、
これまでの自身のタイムを大きく上回る好タイムを叩き出してきた。62号車の黒澤、5号車の竹内も自己ベストを更新して上位進出を目論むが、
谷口のタイムには及ばない。
谷口はセッション終了を待たずして悠々ピットへ。これでポールは26号車に決まりかと思われたが、最後の最後、
チェッカーラップで#43ガライヤを駆る高木真一が1分55秒696を叩き出し、一気にポールポジションの座をものにした。
続いて行われたGT500クラスでは、残り3分で1分45秒720を叩き出した18号車小暮が一気にトップを奪うと、
38号車立川もセクター1、2と区間ベストを更新して猛然とアタック。しかし一歩及ばず45秒987で2位に留まった。
3番手には#32エプソンNSXのロイック・デュバルがつけ、ポイントリーダーの#8ARTA
NSXは6番グリッドから明日の決勝に臨むこととなった。
18号車のポール獲得は今季5回目。アタックを担当した小暮にとっては、今季4度目となる。
第7戦決勝は明日午後2時より、63周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO