SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿公式予選 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)がフロントローとなる2番手を獲得 (HONDA)

2011年8月20日(土)・予選  会場:鈴鹿サーキット(5.807km)  天候:曇りのち雨 気温:28℃(13:00現在) 路面温度:32℃(13:00現在)  コースコンディション:ドライのちウエット

gt110820001L.jpg  8月20日(土)、三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットにおいて、2011 オートバックス SUPER GT第5戦「第40回インターナショナル ポッカGT サマースペシャル」が開幕し、公式予選が行われました。

 この週末は気圧の谷が西日本を通過する影響で、予選当日の鈴鹿付近は厚い雲に覆われる空模様となりました。最高気温は30℃に届かず、また午後2時過ぎまでは雨も降らなかったため、おおむね過ごしやすい一日でしたが、その後は小雨が降り始め、やがて雨脚が強まって本降りとなりました。このため、午前中に行われた公式練習と、午後12時55分にスタートした公式予選1回目はドライコンディションとなりましたが、午後3時25分に始まった予選2回目並びに3回目はウエットコンディションのもとで行われました。

 2008年まで「鈴鹿1000kmレース」の名称で開催されていた本大会は、2009年にレース距離が700kmに短縮され、今年は東日本大震災の影響にかんがみて500kmレースとされました。それでも通常250~300kmで開催されるSUPER GTのシリーズ戦に比べれば、およそ2倍のレース距離で競われることになります。

 低速コーナーから中高速コーナーまでがバランスよく配置され、大きく回り込むコーナーが多い鈴鹿サーキットでは、何よりも優れたシャシー性能が求められます。この点、Hondaの培ったシャシー技術が惜しみなく投入されたHSV-010 GTが、第3戦セパン大会に続く今シーズン2勝目を挙げることに大きな期待が寄せられています。

 ドライバー部門のタイトル争いでは、現在、合計30ポイント獲得の#17 金石年弘/塚越広大組(KEIHIN HSV-010)がトップと11点差の2位につけているほか、#1 ウイダー HSV-010に乗る小暮卓史/ロイック・デュバル組は24ポイントで4位に名を連ねています。シリーズ終盤のタイトル争いを有利に進めるうえでも、本大会で上位フィニッシュすることが2台にとってはとりわけ重要だと言えます。

 午前9時55分から行われたこの日の公式練習では、1分55秒651を記録した#1 ウイダー HSV-010の4番手がHonda勢のトップ。さらに#100 伊沢拓也/山本尚貴組(RAYBRIG HSV-010)は9番手、#17 KEIHIN HSV-010は12番手、#32 道上龍/中山友貴組(EPSON HSV-010)は13番手、#8 武藤英紀/小林崇志組(ARTA HSV-010)は14番手となりました。

 今回の予選はノックアウト方式で行われました。予選1回目では上位11台が予選2回目に進出、予選2回目では上位7台が予選3回目に進出し、この予選3回目で記録した予選タイムにしたがって決勝レースのスターティンググリッドを決めます。また、惜しくも予選を通過できなかったチームは、その段階での予選順位が決勝レースでのスターティンググリッドとなります。

 午後12時55分に始まった予選1回目はドライコンディションのもと、#1 ウイダー HSV-010に乗るL.デュバル選手が1分53秒991を記録してトップに立ったほか、#17 KEIHIN HSV-010の塚越選手は3番手、#100 RAYBRIG HSV-010の山本選手は9番手のタイムを記録し、予選2回目への進出を決めました。一方、#8 ARTA HSV-010の武藤選手は13番手、#32 EPSON HSV-010の中山選手は14番手となり、この段階で決勝レースのスターティンググリッドが確定しました。

 予選2回目は午後3時38分のスタート。このときすでに雨が降り始めていたため、これ以降の予選セッションはウエットコンディションで行われました。ここで#1 ウイダー HSV-010の小暮選手は2分7秒790のタイムをマーク、2番手につけます。また、#17 KEIHIN HSV-010の金石選手は3番手、#100 RAYBRIG HSV-010の山本選手は4番手となり、3台のHSV-010 GTはそろって予選3回目への進出を決めました。

 午後4時12分に始まった予選3回目は、さらに雨量が増えたために厳しい路面状況でのタイムアタックとなりました。ここで#1 ウイダー HSV-010に乗るL.デュバル選手は、デグナー・コーナーへの進入でスピンを喫してコースアウトしましたが、幸いマシンはどこにも接触しなかったため、そのままアタックを続行できました。ここでHonda勢のトップに立ったのは2番手タイムを記録した#17 KEIHIN HSV-010に乗る塚越選手。L.デュバル選手もスピンを乗り越えて3番手のタイムを記録しましたが、最後のアタックに挑んでいた#100 RAYBRIG HSV-010の伊沢選手はL.デュバル選手と同じデグナー・コーナー手前でスピン。マシンのフロント部分がガードレールと接触し、大きく破損したためにタイムアタックをすることが不可能となったため、その直前に記録したタイムにより6番手となりました。

 この結果、#17 KEIHIN HSV-010は2番グリッド、#1 ウイダー HSV-010は3番グリッド、#100 RAYBRIG HSV-010は6番グリッド、#8 ARTA HSV-010は13番グリッド、#32 EPSON HSV-010は14番グリッドから明日の決勝レースに挑むことが決まりました。

 GT500クラスの決勝レースは、21日(日)15時10分より、87周で争われます。

瀧敬之介|Honda GTプロジェクトリーダー
「全般的にはまずまずの成績が得られたと思います。マシンの総合的なパッケージングを考えると、我々は決してウエットコンディションを得意としているわけではありませんが、それでも#17 KEIHIN HSV-010、#1 ウイダー HSV-010、#100 RAYBRIG HSV-010の3台が上位に食い込んでくれたので、手応えをつかむことができました。#1 ウイダー HSV-010はポールポジションを取ってくれると期待していましたが、アタック中のスピンでリズムを乱してしまったようで、3位となりました。ただし、あの状況でもマシンにダメージを与えないL.デュバル選手のテクニックはすばらしいと思いました。同じ場所でスピンをした#100 RAYBRIG HSV-010がダメージを負ったのは残念でしたが、明日までに問題なく補修作業は完了すると思います。明日はできればドライになり、#17 KEIHIN HSV-010と#1 ウイダー HSV-010には、タイトル争いを繰り広げるライバルの前でフィニッシュしてほしいですね。引き続きHSV-010 GTへのご声援をよろしくお願いします」
塚越広大選手(2番手 #17 KEIHIN HSV-010)
「今回は自分自身がドライビングで悩んでいる部分があって、事前に金石勝智監督に相談をしていたのですが、そこで金石監督に励ましていただき、思いきって走ることができました。予選3回目のときは雨が強く降っていて、路面はとても滑りやすい状態でしたが、なんとかコース上にとどまり、アタックを続けることができました。これが予選2位に結びついたと思います。チャンピオンシップのことを考えると今回はとても大切なレースなので、明日は、ポイントリーダーに立っているライバルの前でフィニッシュしたいと思っています」
ロイック・デュバル選手(3番手 #1 ウイダー HSV-010)
「僕たちはドライコンディションのほうが調子はいいので、予選もドライコンディションになることを期待していました。実際はウエットコンディションとなりましたが、幸運なことにウエットの路面でも僕たちは速さを示すことができました。3番グリッドは決して悪いポジションではないと思いますし、決勝レースでは何が起きるかわかりません。できれば明日はドライコンディションになってほしいところですが、仮に雨が降っても全力でレースを戦うつもりです」
Text & Photo: HONDA


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