SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿決勝 目まぐるしく変わる天候が演出したドラマ!#1ウイダーHSVが#46エスロードGT-Rの」猛追を振り切り、今季2勝目を挙げる

2011オートバックススーパーGT第5戦「インターナショナルポッカGTサマースペシャル」の決勝が8月21日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
昨日から続く不安定な天候によりコースコンディションが目まぐるしく変化する中、コースのいたるところでクラッシュやアクシデントが相次ぎ、レースは規定により午後6時30分に86周で終了。
この厳しい戦いを制したのは#1ウイダーHSV(小暮卓史/ロイック・デュバル組)。#46S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)の猛追を退け、第3戦セパンに続く今季2勝目を挙げた。
GT300クラスは昨年のポッカGTを制した#62R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太組)が終盤まで展開された#33ハンコックポルシェ(影山正美/藤井誠暢組)とのバトルを制し、2年連続優勝を達成した。
(天候:雨>曇り>雨 コース:ウェット 観客動員数27,000人)

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決勝レースは午後3時10分にスタート。
コース上はウェットながら、スタート時点では雨がおさまりつつあったため、グリッド上で足回りのセッティングに手を加えるチームがいくつもみられる中、500kmの長い戦いが始まった。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#46エスロードGT-R。2番手に#17ケーヒンHSVがつけ、4番手スタートの#12カルソニックGT-Rが3番手でオープニングラップを終える。12号車は3周目のシケインで17号車を抜いて2位に浮上、その後方では浅溝タイヤで5番手からスタートした#23モチュールGT-Rが5周目に入った辺りから急速にペースを上げて上位4台を切り崩しにかかった。
23号車のスタートを担当したトレルイエは5周目のダンロップで#1ウイダーHSVのインをこじ開けて4位に浮上すると、続くヘアピンでは#17ケーヒンHSVのインに飛び込み、一気に3位に浮上。更に7周目の1コーナーで#12カルソニックGT-Rを抜き去り、そのままの勢いでトップ46号車を追い上げにかかる。

こうしたバトルが展開している間に一時は8秒以上のマージンを築き上げていた46号車のクインタレッリだったが、11周を終える頃にはその差は1.1秒に縮まり、12周終わりではわずか0.6秒、そして遂に15周目の2コーナーで46号車が周回遅れに詰まったところをすかさずついてトレルイエはトップに立った。

これを見て他のチームも最初のピットストップで続々と浅溝をチョイス。#23モチュールの追い上げにかかる。
逆に23号車は28周目のピットインで雨脚の強まりを考慮してフルウェットに交換。
ところがこれが裏目に出て、2番手の本山は苦戦を強いられ、43周目のダンロップコーナーで#1ウイダーHSVを駆る小暮に捉えられてトップを明け渡してしまう。
ここで4番手を走行していた#100レイブリックHSVがヘアピン先200Rでクラッシュしたため、セーフティーカーが導入された。ドライブしていた山本尚貴は無事救出されたが、昨夜遅くまでかかって修復された100号車のレースはここで終わってしまった。

レースは47周目に再開。
ここで一気に後続を突き放しにかかる#1小暮。追う#23本山はペースが上がらず#36ペトロナス、#39デンソーの2台のレクサスSCに追いつかれて接近戦に持ち込まれた挙句、50周目のスプーンで痛恨のコースオフ。トップ争いから脱落してしまった。

この間に8秒以上のマージンを2位以下につけた#1ウイダーHSVだったが、53周目のシケインでなんと周回遅れのGT300クラス、#2エヴァンゲリオンRT初号機と接触のうえスピンアウト、2位につけていた#36ペトロナスSCの先行を許してしまった。
しかし36号車は54周終わりで早々と2度目のピットストップを行ったため、1号車は再びトップに返り咲くことに。ここで小暮は猛然とプッシュ、2分4秒台のファステストラップを叩き出しながら62周終わりでデュバルに交代する。
この時点では路面が乾き始めており、先にピットインした#46エスロードGT-R、#24コンドウGT-Rらがスリックタイヤを装着していたが、ウイダーのスタッフは敢えて浅溝を選択。
このことが終盤の展開に大きく影響することとなった。

序盤トップを快走していた46号車は、最初のピットストップを終えた辺りからペースが上がらず、一時は7位にまで後退していた。トップとの差は50秒以上。しかし乾き始めた路面にいち早く対応し、スリックタイヤを投入したことで、中盤に生じたビハインドを一気に削り取り始める。

最後のスティントを担当したクインタレッリは、2分フラットから1分59秒台のハイペース飛ばしに飛ばし、先行するクルマを次々にパス、77周を終える頃には#36ペトロナスSC、#12カルソニックGT-Rの2位集団に追いつくことに成功した。
そして78周目。併走状態でスプーンに進入した12号車が36号車を押し出してしまった隙に46号車は3位に浮上。さらに12号車との差を縮めて80周目の2コーナーでインをこじ開け、順位を2位まで挽回することに成功した。
トップを行く1号車との差はこの時点で15秒になっていた。
残り周回は7周。

浅溝タイヤの1号車とスリックの46号車では1周当たり4秒以上の差があったため、この15秒のギャップはあっという間に縮まってしまい、82周を終える頃には4.3秒、84周を終えた頃には1.8秒となった。
ところがここで再び雨が降り始め、46号車はペースダウンを余儀なくされる。
懸命に追い上げるクインタレッリだったが、ウェット路面になってはなすすべもなく、先行する#1デュバルとの差は徐々に広がり始めた。
更に、雨によるスローペースと中盤のセーフティーカーランの影響で、周回数の如何に関わらず午後6時30分をもってレースは終了することとなったため、86周でチェッカーが出され、#1ウイダーHSVは第3戦セパンに続く今季2勝目を、ホンダのホームコースである鈴鹿で手にすることとなった。

GT300クラスはポールポジションからトップに立った#43ガライヤを8周目の最終コーナーで抜き去った#62レガシイが終始好位置を快走。一時は#33ハンコックポルシェの先行を許すが、71周目のバックストレートで佐々木孝太が影山正美を攻略、再びトップを奪い返してそのまま逃げ切り、昨年に続いて2年連続でポッカGTを制することとなった。
2番手には#33ハンコックポルシェ。ポールシッターの#43ガライヤは60周目のダンロップに差し掛かったところでエンジントラブルによりストップ。完走扱いとはなったものの20位でレースを終えることとなった。

次戦は富士スピードウェイ。今季ウェイトハンデが課せられる最後のレースとなる。
9月11日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA


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