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SGT:第2戦富士決勝 降りしきる雨に波乱続出!勝ったのは#23モチュールGT-R。GT300は#33ハンコックポルシェが貫禄の独走優勝!

2011AUTOBACS SUPER GT第2戦「富士GT400kmレース」の決勝が5月1日、富士スピードウェイで行われた。スタート直前から激しい雨の降る難しいコンディションの中、レースは60周で赤旗中断となり、そのまま終了とされた。
GT500クラスは#23MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)、GT300クラスは#33HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢組)がそれぞれ優勝した。

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スタート進行が始まり、ウォームアップ走行が行われた頃に一時止んでいた雨はグリッド整列が始まる直前になって再び降り始めた。このため14時00分にローリング開始となった決勝はそのまま5周にわたってセーフティーカーランが継続され、6周目に漸くシグナルグリーンとなった。

ホールショットを奪ったのはポールシッターの#39サードSC。ドライバーは石浦宏明。
しかし2番手スタートの#46モーラGT-Rを駆るロニー・クインタレッリは1コーナーでオーバーラン、一旦は#6エネオスSCの後ろ、5位の位置でコース復帰したものの、みるみるうちに順位を落とし、9番手でコントロールラインに戻ってきた。#39サードSCもトップを守れたのは2コーナーまでで、次々に後続に抜かれ、この周だけで7位まで後退してしまう。この2台はいずれもミシュランタイヤユーザーで、スタート時のチョイスに問題があったようだ。7周終わりで石浦はピットイン。タイヤだけを交換して出て行くと、そこからは好タイムを連発、次第に順位を回復していった。
その後方ではホンダHSV勢が相次いでピットに飛び込んでくる。こちらは室内のベンチレーションに問題があるのか、いずれも窓を拭いてピットイン、アウトを繰り返すことになる。

一方、トップ争いは熾烈を極めた。
#39サードSCを抜いてトップに立った#24コンドウGT-Rを#12カルソニックGT-Rが激しく追い上げ、12周目の1コーナーで大外から抜き去っていく。 24号車はビヨン・ビルドハイム、12号車はJ.P.オリベイラだ。
さらにその更に後方からはトレルイエの駆る#23モチュールGT-Rが11周目の1コーナーで#6大嶋を抜き去ると、そのままトップ2台に一気に迫り、12周目の100Rで真ん中に周回遅れのGT300車両を挟んでなんと大外から大胆に抜いていった。

その後トレルイエはオリベイラの巻き上げる水しぶきに視界を遮られるのを嫌って一定の距離を置いて走っていたが、18周目のダンロップ進入でオリベイラがリヤを滑らせてしまい、#27イカ娘フェラーリを巻き込んでリヤバンパーと左ドアを破損したために、労せずしてトップの座を手に入れた。

快調にペースを上げて後続との差を引き離しにかかる23号車に対し、12号車は破損した車両を騙し騙し21周目まで引っ張ってピットイン、修復作業とルーティンストップを同時に行う作戦に出たが、損傷が大きかったために作業に時間がかかり、結局2週遅れで戦列に復帰することとなってしまった。

後続に14秒以上のマージンを築いたトレルイエは規定ギリギリの44週を走ってピットイン、本山にステアリングを託す。
タイヤ無交換でロスを最小限にとどめ、逃げ切る作戦に出た本山だったが、増え続ける雨量と消耗したタイヤにペースをあげることができず、14秒あった2位#6エネオスSCとの差は55周終わりでは4.782秒にまで縮まってしまう。
しかし追う#6伊藤大輔もまたタイヤ無交換で苦しい走りを強いられており、56周、57周と周回を重ねるにつれて再び差は広がっていった。

レースは60周目にスピン、コースアウトが続出したために赤旗中断となり、そのまま終了となった。最終順位は規定に従い59周目のものとなる。
これにより、#23モチュールGT-Rの勝利が確定、2位は#6エネオスSC、3位には18番手スタートから怒涛の追い上げを見せた#19ウェッズスポーツSCが入り、ウェッズスポーツはGT500初陣にして見事表彰台を手にした。

GT300クラスはポールポジションの#33ハンコックポルシェが後続を全く寄せ付けない圧巻の走りで55周を走り切り、2位以下に34秒もの大差をつけて優勝したが、その後方では激しいバトルに加えてアクシデントやペナルティと、様々な状況で目まぐるしく順位の入れ替わる展開が最後まで繰り広げられた。

まず、予選6番手の#11JIMゲイナー458がセーフティーカーラン中にスピンアウト、これにより11号車は予定外のタイヤ交換と10秒ストップのペナルティで一気に最後尾まで沈んでしまうが、スタートドライバーの平中克幸はそこからトップ影山を4秒近く上回るハイペースで追い上げ、前を行く車両を次々と攻め落としていく。
その前方では昨日のスーパーラップで最速タイムを叩きだしながら僅か1.5kgの重量不足に泣いた#88JLOCランボの関口雄飛が順位を上げており、13周を終えた頃には10位、18周めには6位に浮上した関口だったが、15周目に#26タイサンポルシェと接触したことに対してドライブスルーのペナルティを課せられてしまい、再び後方に沈む。

11号車は平中の果敢な走りで30周を終える頃にはクラス5位まで挽回、その後も33周目のプリウスコーナーで#31カローラを抜いて4位、続く34周目の13コーナーで62レガシィを抜いて3位、それまで2位を走行していた#25ZENTポルシェがこの周でピットストップを行ったため34周終了時点では2位に浮上していた。
平中は規定一杯の44周終わりで田中哲也に交代するが、この間に#25ポルシェを駆る土屋武士が再び2位を取り戻す。
しかし田中は49周目のダンロップで土屋のインに飛び込み2位を奪い返すと、土屋も56周目に田中を抜き返す。

ところがここで赤旗終了のジャッジが下ったため、1周前の55周で順位が確定、#11JIMゲイナー458が2位、#25ZENTポルシェは3位でレースを終えることとなった。

次回は岡山国際サーキット。大会名称は第1戦のままで5月22日に決勝が行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA & Motorsports Forum


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