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SGT:第8戦もてぎ決勝 #911エンドレスポルシェが今季初勝利を挙げて逆転王座に!GT500は#38ZENT SCが今季2勝目

2012オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」の決勝が10月28日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#38ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)が接戦を制し今季2勝目を挙げた。
上位3台がタイトルの権利を残して最終戦を迎えたGT300クラスは、#911エンドレスTAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝組)が勝利を挙げ、シリーズポイントでも#33HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢組)を上回ってタイトルをものにした。(天候:雨 コース:ウェット 観客動員数:27,000人)

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朝のフリー走行を終えた直後からコース上には小雨が降り続くあいにくのコンディションとなった。
このため午後2時からの決勝レースはセーフティーカーの先導で始まり、3周目から追い越しが解禁となった。
ポールシッターの#38平手が快調にトップで周回を重ねる一方、予選2番手の#6エネオスSCを駆る伊藤大輔は1周目の90度コーナーでまさかのコースオフ、大きく順位を落として13位でコントロールラインに戻ってきた。
それとは逆に順位を上げてきたのが#1SロードGT-Rだ。
#1Sロードはスタートを担当したロニー・クインタレッリが4周目に#18ウイダーHSVのカルロ・ヴァン・ダムを抜いて4位に上がると、5周目の90度コーナーでは#100レイブリックHSVの伊沢拓也のインをこじ開けて3位、さらに10周目の1コーナーで#23モチュールGT-Rのミハエル・クルムを抜いて2位に上がってきた。
更に一時は6秒以上あった#38平手との差をも着実に削り取り、14周を終えた時点では3.8秒、各チームのピット作業が始まった23周目には僅か1.7秒にまで接近してきた。

ここからは#38平手もペースを上げ、1−2位の差は2秒前後を推移するようになる。
両者の戦いに変化が訪れたのは32周目。38号車より先にピットに飛び込んだ1号車はタイヤ無交換作戦を敢行。給油とドライバー交代のみでわずか21秒でピットアウトしていった。
対する#38ZENT SCも34周目にピットに飛び込むと、こちらもタイヤを変えずに立川を#1柳田の前でコースに送り出す。
ここからは19周にわたって一進一退の攻防が続く。しかし徐々に#1柳田が間隔を詰め、39周を終えた時点で両者のギャップは1秒を切った。
しかし立川は最後まで柳田に付け入る隙を与えず、最後は僅か0.138秒差で53周を逃げ切り、今季2勝目を挙げて2012シーズンを締めくくった。
また、3位には一時はコースアウトにより順位を落としつつも、ウェットコンディションの中、第7戦オートポリスを彷彿とさせるハイペースで追い上げた#32エプソンHSVが入った。

#33ハンコックポルシェ、#66アストンマーチン、#911エンドレスポルシェの三つ巴のタイトル争いとなったGT300クラスは、予選2番手からスタートした#911エンドレスポルシェを駆る横溝が8周目のヘアピンでポールスタートの#33ハンコックポルシェ/影山正美のインをついてトップに躍り出る。
抜かれた#33影山はペースが上がらず、10周目には#87、12周目に#88と2台のランボルギーニに相次いで抜かれ、その後もじりじりと順位を落としていくことになった。

これで9ポイントあった差を一気に逆転する可能性が濃厚となった#911エンドレスポルシェは33周目にピットイン、峰尾に交代してコースに復帰するが、レース終盤#87ランボルギーニを駆る山内英輝がテールに食らいついてきた。
しかし峰尾は最後まで山内の先行を許さず、0.735秒差で逃げ切って今季初勝利を挙げた。
これにより911号車の獲得ポイントは82となった。

一方、ポールスタートの#33ハンコックポルシェは結局7位でフィニッシュすることになり、獲得ポイントは75にとどまった。
予選でのトラブルにより最後列からのスタートとなった#66アストンマーチンも、前半を担当した星野一樹が次々とオーバーテイクを繰り返し、一時は3位まで上り詰めたが、29周目にドライバー交代を行った際にピットレーン速度違反という痛恨のミスを犯してしまい、ドライブスルーペナルティーを課せられてしまった。
その後は前を行く#3SロードGT-Rの攻略に手間取って上位陣との差を縮められず、5位でレースを終えたため獲得ポイントは73に留まった。
これにより#911エンドレスTAISAN 911が2012シーズンのGT300クラスチャンピオンを獲得することになった。

また、レース後のセレモニーで吉本大樹の口からA speedの解散が告げられ、66号車の参戦が今季限りであることも明らかとなった。今シーズンのGT300を盛り上げた主役の一つがスーパーGTを去ることは残念という他ないだろう。

スーパーGTはこのあと、11月16-17日に富士スピードウェイで行われる特別戦「富士スプリントカップ」をもって2012シーズンを終了する。
そしてGT500クラスが現行車両で戦う最後のシーズン、2013年のスーパーGTの開幕は4月6-7日、舞台は岡山国際サーキットだ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA


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