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S耐:第3戦十勝24H決勝 ハイブリッドカー「トヨタ スープラ HV-R」が総合優勝 (TOYOTA)

ハイブリッドカー「トヨタ スープラ HV-R」、十勝24時間レースで総合優勝
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長かったレースを無事に終え、トヨタ スープラ HV-Rと共に、
スタッフ全員で喜びを分かち合う

 北の大地を舞台に、24時間に渡って繰り広げられた「第14回十勝24時間レース」もついにフィナーレを迎えた。レース専用のハイブリッドシステムを開発・搭載し、同レースに参戦した「トヨタ スープラ HV-R」は、24時間の長丁場を見事、トラブル無く走り抜き、総合優勝を飾った。

 レースも残り4時間を切り、車両も、ドライバー、スタッフも疲労の色が濃くなる中で、トヨタ スープラ HV-Rは安定したペースで、首位を独走。527周目に片岡龍也から飯田章にドライバーチェンジ、そして573周目に飯田章から、最後の走行を担当する平中克幸へと、予定通り、着実に周回を重ねて行った。

 そして午後3時、平中克幸がドライブする「トヨタ スープラ HV-R」が、616周(3136km)の走行を終え、トップでチェッカーフラッグを受けた。

 序盤戦においては、断続する降雨のため、タイヤ選択をはじめ、難しいレース戦略を強いられることとなった。また、夜のセッションにおいては、降雨とコースの汚れによる影響で視界が極めて悪く、ドライバーに負担をかける場面もあった。しかし、24時間を通じ各ドライバーは冷静沈着な走りで首位のポジションを堅持した。このドライビングに応え、トヨタ スープラ HV-Rはハイブリッドシステムを含む基本的なメカニズムにおいて、トラブルフリーで完走を果たした。

 今回のハイブリッドシステムの効果により、燃費は10%以上の向上が見られた。また、フロントの回生力行システムの効果により、フロントブレーキの摩耗も当初想定した半分以下のレベルに抑えられた。

 なお、準国際格式のレースにおいて、ハイブリッド車が総合優勝を果たしたのは、今回が世界で初めてとなる。

 そして、新たな時代を切り開く挑戦に対する特別賞として、昨年に引き続き、東京中日スポーツ紙より「東京中日スポーツ賞」が送られた。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部 部長 高橋敬三
 「ハイブリッド車が24時間レースに総合優勝したことは、世界のレース史に新たな足跡を残したことであり、大変嬉しく思っている。ただ、今回のこの結果は、モータースポーツというフィールドにおいて、ハイブリッド技術がスタートラインに立った、ということだと認識している。今回の勝利を通じて得られたデータやノウハウは、レースにおける性能向上だけでなく、量産を見据えたハイブリッド技術全体の更なる進化のために活かしていきたい。最後になるが、応援してくださったファンの皆様、ハイブリッドカーでの走行を許可してくれたレース主催者の皆様、また今回の勝利を支えてくれた関係者、関係会社の皆様に心より御礼申し上げたい」
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部 主査 村田久武
 「最後の30分は、それまでの23時間半と同じくらい長く感じた。我々は粛々と、目の前の課題をこなしてきただけであるが、今まで努力して積み重ねてきたものを、レースの現場で思い通りに実現出来たことは嬉しく思っている。今晩は、一緒に努力してきた仲間と労をねぎらいたい」
トヨタ・チーム・サード 代表 加藤眞
 「とにかくハイブリッド・レーシングカーという世界で唯一の車両で、初めて本格的なレースへ参戦し、勝てたということは、トヨタのエンジニアの努力の賜物だと思う。この素晴らしい技術はまだまだ進化を続けて行くはずで、若きエンジニアのパワーに期待したい。豊田喜一郎がまいた種が、こういう形で実を結んだのだと、感謝している」
トヨタ・チーム・サード チーム監督 大橋孝至
 「言葉がない。勝てるという自身はあったが、ゴールが近づくに連れ、不安が高まり、何もないことを祈っていた。初めてのハイブリッド・レーシングカーを短期間で実現してくれたトヨタのエンジニア、そして車体を作り上げてくれたサードのエンジニアやメカニック、そして、それを見事に操ってくれたドライバーに感謝したい」
トヨタ・チーム・サード ドライバー 飯田章
 「無事にチェッカーを受けることができ、本当に良かった。レースは何が起こるか分からないものであり、不安と自信、半分半分の状態でスタートした。前半はなかなか思い通りのペースでレースを戦うことが出来なかったが、終わってみれば、絵に描いたようなフィニッシュを飾ることが出来た。スタッフの努力が報われたのだと思う。我々ドライバーは、最後に完成したものを受け取って操っただけだ。とはいえ、完璧な仕事をしてくれた平中克幸、A.クート、片岡龍也の3人のドライバーには、リーダーとして、感謝している」
トヨタ・チーム・サード ドライバー 平中克幸
 「このような大きなプロジェクトのチェッカーを受ける最終ドライバーを担当させて貰い、本当に光栄に感じている。レース序盤戦は、ウェットコンディションの中スリックタイヤで走ることもあり、楽ではなかった。速度差が大きかったこともあって、安全第一で走った。それだけに、実際にチェッカーを受けたときは本当に嬉しかった。短い期間で、ここまで仕上げてくれたスタッフの努力のおかげだ」
トヨタ・チーム・サード ドライバー A.クート
 「この巨大なプロジェクトに参加し、トヨタと共にモータースポーツの歴史に残るレースを戦えたことは本当に誇りに思っている。私にとっては初めての24時間レースでの勝利であり、本当に嬉しい。チームも素晴らしい仕事をしてくれた」
トヨタ・チーム・サード ドライバー 片岡龍也
 「私はこのプロジェクトに途中から参加することとなったが、それでも、初めて乗ったときから、レースまでには、確実に進化を遂げていた。24時間レースという独特のレースであり、気を遣って走った。一番恐れていた、夜間の雨に見舞われたが、結果的には、それによって後続との差を広げることが出来、フロントウィンドウの視界不良に見舞われたときも、そのマージンを利用して、リスクを減らすことが出来た。何も起こらなければ勝てるとは思っていたが、レースは最後まで分からないものであり、最後の30分はとても長く感じた。ドライバー全員が冷静に戦ったことで、最後まで走り切れたのだと思う」

Text & Photo: トヨタ自動車株式会社



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