全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/5

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 4 JAPAN SPECIAL GT CUP                                 9 Aug.'97
   Inside Report                 インサイドレポート 1          FMOTOR4版
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'97GTC第4戦 JAPAN SPECIAL GT CUP
       ◎カーナンバー前の"#"はGT500クラス、"*"はGT300クラスを表します

☆練習日(8日)のトピック
#5 5ZIGEN SUPRA
 前回の富士のレースで一時トップを走り、惜しいレースを落としているだけに今回
は気合いが入っている。田嶋栄一によれば、「ウチはテストを全然していないんで、
他のチームより出だしは遅れているんですけどね。でも思ったよりパッパッと順調に
来てますよ。最終コーナーがまだちょっと遅いんですけど、それが決まれば、かなり
いけそうです。タイヤも悪くないんで、予選はひょっとしたら……」とのこと。もち
ろん決勝も、「相棒のグーセンは予選では2秒くらい違うんですけど、決勝レースの
ラップはそれほど差がないので問題ないです。前回落としたチャンスを引き寄せられ
れば、いい線いけるんじゃないですかね」と自信を見せていた。

#39 デンソーサードスープラGT
 前回の富士で優勝し、現在ランキング2位。金曜日には40kgのハンデを背負いなが
ら総合で8番手と、タイム的にもまずまずだった。だが影山正美は満足いかないよう
す。「ウチのクルマは97年型スープラの1号車で、テストなんかでかなり走り込んで
るんで、もうそろそろ賞味期限切れかなって感じなんです。だから予選でフロントロ
ーをとるのはむずかしいでしょうね。でもここで勝たないとチャンピオンに近づけな
いからなぁ…。チームには新品シャシーにしてほしいって言ってるんですけど、ちょ
っとそれもむずかしいみたいだし…」と、ちょっとボヤキが入っている(?)。

#2 ZEXELスカイライン
 現在ポイントリーダー。鈴木亜久里は、前戦の仙台ハイランドではあと少しのとこ
ろで2勝めを逃しているだけに打倒スープラに燃えていると思ったのだが、金曜日の
フリー走行では9番手と今ひとつ。しかし、「もうちょっとはいけたと思うよ。ただ
アタックに出ると遅いクルマにひっかかったりしたんで、こんなもんでしょ。え、そ
れがなければ29秒台前半までいけたかって? それはムリ、ムリ。予選は30秒0くら
いじゃないかな。スープラには:いつかないよ。でも決勝はゼンゼン大丈夫だよ。コ
ンスタントなラップはスープラと変わらないから」と、自信は失っていないようすだ
った。

#3 ユニシアジェックススカイライン
 ラリー・レイド・モンゴルで優勝を飾って帰国した長谷見昌弘。「いやぁ他が壊れ
たからだよ」と謙遜するが、「去年よりスピードは全然速かったからね。今度はパリ
ダカでいい成績を残したいね」と、早くも次の目標を見定めていた。しかし、今回の
レースはどうも調子が今ひとつ。「今回スカイラインは基本的に遅いよ。スープラは
ストレート速いし、NSXはコーナー速いし。しかも同じスカイラインでもNISMOの2台
はいろいろと新しいことやってるんで、ウチと星野のところより速いんだよね。ウチ
が遅い直接の原因はアンダーオーバーがなおらないからなんだけど、コーナーのRの
大小で挙動が違うんだよ。これがそう簡単になおる症状じゃなくてね。予選までには
なんとかしなくちゃいけないんだけど、ちょっと厳しいね」ということで、悩みは深
いようだ。

#47 アドバンスオートGTカマロ
 今回がデビューとなるニューカマー。クルマは元来はIMSA用で、'96年のJPレース
で走行したものがベース。パイプフレームにカウルを被せたを構成で、今回は欠場し
ている#75 300ZX GTSとよく似た造り。パイプフレーム製のボディは耐久性にも優れ
るが、車重が1027kgと軽いため100kg近いウエイトを搭載しなければならない。パワ
ーユニットはシボレーの350と呼ばれる5.7LのNAのOHVエンジンだが、これにボーリ
ングを施したため5886ccに拡大されている。リストリクターの装着でパワーは530ps
から400ps程度までダウンしているという。「クルマをGT用に改造するため、あわて
てエアジャッキと給油口の装着をしました。走っているカッコは円盤みたいで評判は
いいと思う。リアバネが4kgの段階で1分38秒台のタイムが出ている」とはメインテ
ナンスを担当するススキレーシングの須々木社長。オーナー兼ドライバーの山本正人
氏は、「プライベーターなんで金銭的になかなか厳しく、3年がかりで2000万円ぐら
いの予算でなんとかデビューにこぎつけました。今回は来シーズンへの準備といった
ところです。N1耐久でもGTRだと1年で同じぐらいの予算がかかるんで、プライベー
ターの範囲でできるIMSA仕様のクルマということで注目していただければと思いま
す」。タイヤはGTCでは唯一のグッドイヤーで、16インチにフロント12J、リア14Jの
ホイールを装着する。シェイクダウンから使用しているが、「ソフトだと3周しか
持たない。タイヤの特性がまだ把握出来ていないから苦戦しています」(須々木氏)。

*60 ワイズダンロップBP キャバリエ
 こちらも今回がデビュー戦。今シーズンGTCに参戦しているクルマのなかでは唯一
の前輪駆動となる。「スーパーツーリングスペックのマシンを、FFのまま耐久仕様
にしてどこまで戦えるかでやってみようと言うことになりました。シャシーが重い
んでボディも重い。全長は市販車と同じですが、60mmのワイドボディになっていま
す。今回はスケジュール的にギリギリです」と言うのはクラフトの平岡監督。実際、
マシンが出来上がったのは木曜の夕方で、ドライバーの佐藤久実は「ここまでの本
格的なレーシングマシンはドライブするのは初めてです。N1耐久もFF続きで、GTま
でFF(笑)。JTCCよりもタイヤが太いんで、キックバックがすごいんです」。 “ス
ーパーツーリングの2ドア版”と言えるキャバリエだが、エンジンは同じチームの
MR2がターボに換装したために流用できるNAの3S-GE。パワーは295ps程度で、Xト
ラックの6速シーケンシャルで、18インチの9J(フロント)、8J(リア)のホイー
ルを装着している。

*17 東京科芸専:REロードスター
 前戦の仙台ハイランドでデビューする予定だったが、トラブルで延期。仕切り直
しの1戦となった。野上敏彦によれば「筑波でやったメディア対抗のユーノスレー
スのとき、ラストのスポーツ走行で走らせてもらいました。単独のデモランでもよ
かったけど万が一動かなかったらカッコつかないでしょ(笑)。このときは10周走
りました。一緒に走ったユーノスのノーマルのお客さんが喜んでくれましたよ。今
回は3度目の正直で決勝を走りたいですね」とのこと。

#38 カストロール・セルモ・スープラ
竹内浩典「もうちょっとだったんですけどね。完全にクリアラップで『エイヤーッ』
で出したタイムがクルムとコンマ16くらい違いますから、あとどうしたらいいですか
ね。なんか秘密兵器があったら教えてください(笑)。ウチは午前中2セット使っ
ちゃいましたから、午後にもう1回いくとしたら、程度のいいほうを選んでになり
ます。でもそこでクルムのタイムを上回っても、むこうはもう1セット残してます
から、逆転される可能性が高いですね。でもクルマはかなり決まってきてますよ。
とくに最終コーナーからストレートにかけてが速いですね。スカイラインは簡単に
抜かせてもらいました(笑)。残り3戦は全部表彰台に立つつもりで、そのうち1
回は勝ちたいと思っています」

#100 RAYBRIG NSX
飯田章「うーん、どうもパッとしないですねぇ。ホントは28秒台くらいまでいける
と思ってたんですけど、ダメでした。エンジンがちょっとミスファイアしてたせい
もあるんですけど、なんででしょうかね。フィーリングとしては悪くないんです
よ。とくにコーナーはすごくいい。足は悪くないんです。最終コーナーなんかすご
くいい感じだし。でもそれがストレートのスピードにつながらないんですよ。スー
プラなんかスリップにすら入れてもらえないくらいですから。やっぱり夏場はNAエ
ンジンに不利なんでしょうかね。午前中はタイヤを1セットしか使いませんでした
けれど、午後はアタックするかどうか様子を見てから決めます。あまり意味がない
ようだったら、アタックせずに、本番用にセットを煮詰めたいですね。とにかく完
走したいんです、今回は。ただ前回壊れたミッションがまだ不安なんですよ。一応
対策はしてるんですけどね」


☆予選日のトピック
*25 つちやMR2
「ターボのコンピュータが今回はうまくいって、インタークーラーがフロント装着に
なって仙台での問題だった個所がクリアされました。IHI製のタービンも小さくなっ
てピックアップがよくなった。パーフェクトはありえないんですが(笑)。この予選
タイムには誰も届かないと思う。武士がなかなか走る時間がないんで、午後は決勝に
向けてのセットアップにしたい。こないだのレースはうまくいきましたね。ダンロッ
プ勢の固まりを抜けられたから」(土屋春雄代表)

*7 RE雨宮SuperG RX-7
山路慎一「今までは3ローターのハイパワーを生かすセットだったのが、今回はよう
やくここへきて昨日の段階でいいセットが見つかった。サスペンションがすごくよく
なったというのが最大の理由です。前回のテストデーも雨だったし、順調に進まなか
ったのが、今回はレースウィークがうまくいってます。それにしてもMR2は速すぎま
す。ストレートの速さはもちろん、コーナーも武士がうまく乗れてるし、うまくセッ
トできてるんでしょう。向こうは予選用のブーストみたいだったし、ヨコハマのほう
がラップタイムのアドバンテージがあると思う。でも、ダンロップもよくなっている
から、予選で2秒という差は、決勝では0.5秒から1秒くらいの差にしかならないで
しょう。クルマがよすぎて攻めきれなかったんで、午後はタイムが縮まるはずです」

*81 ダイシン シルビア
木下隆之「ブレーキを新しいのつけてアタックらしいことをした。まだタイヤは1
セット残ってるんで、午後は2位ねらいでいきたい。ブーストの設定問題はクリアし
たけど、ストレートの伸び不足はしかたないね。GT400クラス(笑)のMR2には届かな
いでしょう」

*19 RS☆Rシルビア
福山英朗「ダイシンのほうが前でも当然でしょう。昨日から負けてるから…。向こう
は軽いからね。昼からもっとタイムが上がるでしょう。エンジンの調子がおかしいみ
たいで序盤のクリアなときにピットインしてたもんね。ウチは(ウエイトハンデのお
かげで)ストレート遅いしピックアップが悪い。それでもコンマ2秒ぐらいはアップ
できるとは思うけど…」

*26 タイサン スターカード RSR
新田守男「まっすぐは遅いし勝負にならない。最高速で14km/hくらい差があるみたい
で、差が大きすぎる。40kgのウエイトも効いてるんでしょう。根本的に真っ直ぐのス
ピードをなんとかしてほしい。決勝は条件厳しいし、恵一さんと淡々といきます。と
くには問題もなくミスもなかった」

*91 バーディークラブ・MR-2
金曜日、三原じゅん子が走行中に1コーナーでスピン。三原は「ブレーキのあたりを
つけていたら、突然スピンしてしまった」。コンクリートウォールに激突して右後部
を大破してしまったが、徹夜で修復してきた。松永雅博によると「今朝5時までかか
って板金して、それからメカニックが作業してギリギリ車検に間に合いました。走る
のにはまったく支障はありません。ただセットを出せてないので…。それと、じゅん
子のほうにちょっと後遺症が残ってます。首がまだ痛いのと、恐いでしょうからね。
できるだけ慣熟走行させます」とのこと。

*27 チームFCJフェラーリ
 予選1回目でGT300クラス3番手のタイムを叩き出し、注目を集めた#27チームFC
Jフェラーリ。前回仙台ハイランドでは、FIA-GT選手権と日程が重なったためにア
ンドスカーがドライブしたが、今回はオロフソンが太田哲也の相棒に復帰している。
今回マシン的には前戦と大きく差はないものの、着実に軽量化を含めた熟成が進んで
いるようだ。ただしまだ不安要素は多い。というのも、太田が予選タイムを出した後
オロフソンに交代してすぐ、ダンロップ・コーナーで左後輪が外れてストップし、赤
旗中断の原因を作ってしまったからだ。タイヤが取れた理由は、センターロックにす
るために装着しているハブの内側で、ノーマルの5本のスタッドボルトがスッパリ根
元から折れてしまっていたため。これは前回ハイランドで右後輪に起きたのと全く同
じ症状で、しかも第2戦富士でもハブのトラブルが起きているから、3戦連続という
ことになる。チームはとりあえず予備のセンターロック用ハブで修理をし2回目の予
選を走らせる予定だが、オロフソンによれば、「決勝は5穴のハブとホイールに戻し
て走ると思う。タイヤ交換はできなくなるが、タイヤは交換なしでも問題ないから、
安全のためにそうすることになるだろう」とのことだった。なお開幕戦から続いてる
燃料が減ると燃圧が低下するトラブルも、今回完治できていないようで、チームでは
フューエル・クーラーをつけたり、燃料タンクのなかにあるシェル部分の形状を変更
するなどして対策を行っている。

#510 RH CERUMO SUPRA 
 ようやく本来の実力を見せはじめた元F1ドライバーのベルトラン・ガショー。予選
第1回目に4番手のタイムを記録して満足気だ。「クルマは'96 年仕様だが、チーム
がすばらしい仕事をしてくれて、クルマのバランスがかなりよくなった。前回の仙台
戦からよくなっているが、今回はとくによく、ドライブしていて楽しい。タイム? 
予選第2回目に雨が降らなければタイムは更新できたと思う。ただ、それは他のチー
ムも同じだろうから、はたしてポジションが上がったかどうかはわからないね」。一
方パートナーのポール・ベルモントは、「クルマは運転しやすくなった。乗っていて
楽しいよ。ベルトランが乗っているときにタイヤを傷めてしまったので、あまりドラ
イブできなかった。クオリファイするために乗ったけど、もちろんボクはタイムアタ
ックはやっていない。決勝はいけると思うよ」

#3 長谷見昌弘(ユニシアジェックススカイライン)
「クルマ自体の調子はどこも悪くない。ただストレートスピードが遅いんだよ。この
コースでストレートが遅いと勝負にならないから。スープラは4気筒で、後ろ寄りに
搭載してるから、前のほうに余裕がある。だからラジエターを水平に寝かせたりレイ
アウトに自由がある。スカイラインは直6だから、重いし、エンジンルームはいっぱ
いだし…。このレースはエンジンを積み替えていいルールなんだから、スカイライン
も積み替えたらちょっと違うと思うんだけどね。VQ型なんかいい素材だと思うんだけ
ど。3リッターくらいで、ターボつけて…。レースは勝てないとやっててつらいよ。
まあ、このレースははじめからリストリクターや車重なんかが平等じゃないわけで、
それが今はたまたまスープラに有利なように作用しているということでしょう」

#8 POWER CRAFT SUPRA
トム・クリステンセン「まず日本に帰ってこられて非常にうれしく思っているととも
に、このチャンスを与えてくれたFETチームに感謝したいと思います。予選は去年と
比べてすべての車両がよくなっていると思いますし、そのなかで3番手の位置を獲得
できたことはうれしく思います。明日の決勝が非常に楽しみです。新型スープラに乗
るのは初めてですが、昨年型よりかなり進化していることは確かですね。またウェイ
ン(・ガードナー)が時間の限られたなかでクルマをすばらしく仕上げてくれている
ので、非常によいクルマだと思います。彼は2輪の元チャンピオンでもあるし、とて
もナイスガイなので、リラックスしていい関係でレースができそうです。ペドロとマ
イケルは速いので、つかまえるのはむずかしいとは思いますが、レースはなにがおこ
るかわからないので、明日は楽しみにしたいと思います。今シーズンは国際F3000と
バッティングしないかぎり出場する予定で、とりあえず美祢には出場します」

#18 avex 童夢 無限NSX
黒澤琢弥「5番手という結果には落胆していないんですが、それよりトップのマシン
とタイム差が1秒以上あることが問題ですね。1秒以内には入りたかったかなと。た
だずっとNSXはトラブル、とくにミッション系のトラブルをかかえていましたから、
今回メカニックとスタッフがすごくいい仕事をしてくれまして、ミッションの調子が
よくなったことはよかったです。これまではテストでよくてもレースはスタッフが大
変な思いをしてましたので…。これで明日はやっとレースができそうです。ただまだ
ロングディスタンスでどうかという不安は残っているんですけれどね。まぁ正直なと
ころドライのレースではつらいかもしれませんね。でもレースなので何が起きるかわ
からないので、しつこくいきたいと思います。それに明日もしウェットになれば、
NSXは結構バランスがいいので、できれば雨になることを望んでますけども、逆にい
うと、ドライでロング・ディスタンスのテストができていないので、レースを完走し
てデータをきちんと取りたいという希望もあります。ちょっとムリできる状態でもな
いので、クルマをいたわりながら完走して、トップ6には入りたいですね」


☆ポールシッター・インタビュー
#36カストロール・トムス・スープラ(予選総合1位)
ミハエル・クルム「今日の予選結果は、カストロール・トムス・チームにとって今年
4回目のポールポジションであるとともに、スープラの強さを証明できたすばらしい
予選だったと思います。マシンも完璧でしたし、アタックのタイミングも、コンディ
ションも完璧でした。このままの勢いで決勝も終われればと思っています。明日はチ
ャンピオンシップにとってたいへん重要なレースですが、すべてうまくいけば、自分
たちにかなりチャンスがあると思います。同時に今の我々のコンディションが非常に
いいところにありますので、明日の天気などにもよりますが、結果は自然についてく
るでしょう。明日のレースに勝つ自信はもちろんあります。40kgの重量ハンデについ
ては、(ここだけ日本語で)スゴクイイバランスニナッタトオモイマス(笑)。ホン
ト」
ペドロ・デ・ラ・ロサ「今日の予選はボクはほとんどアタックしていないので、詳し
くはマイケルに聞いてほしいんですけれど、今回はポールポジションはそれほど重要
ではないでしょう。前回富士でもポールポジションを取ったのに3位だったし…。そ
れより今回は、明日の決勝に向けてクルマがコンスタントにタイムが出せるようにな
ったことが重要ですね。明日はお天気にもよりますが、ドライであればスープラのレ
ースになると思います。もっとも雨が降っても、スープラ勢が有利なのには変わりが
ないでしょう」


*25つちやMR2(予選GT300クラス1位)
土屋武士「アタックもクリアでしたし、ほぼ完璧な走りができましたから、2位に2
秒近い差がつけられたのだと思います。結果には満足しています。クルマがそこまで
まとまっているということでもありますね。我々のMR2はNAのときはストレートで歴
然と差がありました。それでも予選では他車に肉薄できていたので、それがターボを
得てストレートも速くなったので、その結果ということですね。前回はターボラグが
大きいということと、吸気温が高すぎたという問題があったんです。それを改善し
て、若干パワーは落ちたんですが、使える幅がひろがったために、非常によくなりま
した。クルマとしては完璧な状態に近いですね。ただボクの好みがハイスピードで入
っていけるような方向のセッティングなもので、長嶋君には苦労させてしまってるん
ですけれど…。ま、決勝は少し乗りやすい方向にセッティングしなおすつもりです。
 ただですね…、実は予定でいうと今回が最後のレースになるんです。スポンサーの
面と人手が足りないということで…。まだ決定ではないんですが…。せっかくいいク
ルマなので、ボクとしては参戦したいのですけれど。今回ブッチぎって勝ってしまう
と、もう勝ったからいいだろう、やめようという話にはなってるみたいなんです。ボ
クはやりたいんですが、よく性格知ってるチーム監督なもので(笑)。ブッチぎるこ
とが目標だったらしくて、それが達成されてしまったので、面白味がなくなってしま
ったようです。もちろんノースポンサーでほとんど趣味でやっているレースですし。
それでもボクとしてはGT500にステップアップしたいという気持ちがありますので、
前回と今回で十分アピールさせてもらえたことは感謝しています。ですから明日は来
年につながる走りができるといいですね。最後の手段で、他のチームにクルマとドラ
イバーごと移籍するということも少しは考えているのですが、まだまったくわからな
いですね。でもちょっとダダこねてみたいと思っています(笑)」

*インサイドレポート2に続く
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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