Formula Nippon

FN_Rd9:SPEEDMASTER MOONCRAFT予選リリース

        '99全日本選手権 フォーミュラ・ニッポン
            ROUND 9 ツインリンクもてぎ
            10月2日・土曜日  公式予選

      道上爆発! スーパーアタックで2列目をゲット
       影山は16番手から連続ポイントゲットを狙う

快晴に恵まれたツインリンクもてぎ。すでに秋の気配が周囲に漂いはじめてす
がすがしい一日となった(とは言え、本音は東海村の事故が気になってはいる
んだが)。

富士で見せた道上龍のアツイ走り、美祢では影山正彦がベテランのうまみを生
かしポイントをもぎとった。もちろんレイナード勢に対して苦戦は続いている
のは変わりはないが、しかし、スピードマスター・ムーンクラフトに追い風が
吹いているのも明らかだった。予選前夜、由良拓也監督は、今回のマシンにつ
いてはドラスティックな変更を加えず、これまでのマシンを熟成させるような
セットアップメニューを用意してもてぎに臨むと語っていた。その言葉からも、
チームが上昇気流に乗っていることを示していたといえるかもしれない。

その由良監督の言葉を裏付けるかのように、一夜明けての公式予選日である今
日、スピードマスター・ムーンクラフトはサーキットの話題を独占したと言っ
ても過言ではないだろう。そんな予選日となった。

朝のフリー走行で、道上は13番手、影山は17番手に低迷していた。しかし、両
ドライバーのコメントには悲壮感がないのがいつもと異なっていた。特に道上
は、シャシーのフィーリングはこれまでで最高のものとやる気を見せた。今日
は夕方まで天気がもちそうなことから、1回目の予選はニュータイヤを投入せ
ずさらなるポテ ンシャルアップを目指してセットアップに集中することに
なった。そんな中、細かくピットインアウトを繰り返しながらマシンを煮詰め
ていった道上は、なんと3番手タイムを叩き出す。トップはシリーズリーダー
のコロネル選手だが、タイム差はわずか0・269秒、ほぼすべてのドライバーが
ユーズドタイヤのまま走行し、条件はまったく一緒だ。トップは充分射程距離
内に見えた。この順位をどうキープできるかで、1回目に見せたポテンシャルが
証明される。1回目の予選終了直後から道上とスタッフは、貪欲に2回目の予選
に向けてのセットアップについてミーティング を行なった。

迎えた公式予選2回目、道上、そしてMCSローラのポテンシャルは本物だった。
ユーズドタイヤのままセットアップを煮詰めていった道上は、1分39秒276
をマー クし5番手につけていた。マシンの戦闘力はさらにアップしていること
を確認した チームはいつもより少し余裕を持って残り20分というところで
ニュータイヤを投入、本格的なアタックに入ることに。アタック開始2周目、
道上は午前のタイムを上 回る1分38秒023をマークし3番手に浮上し、さら
に37秒959へとスピードアップしていく。周囲もニュータイヤを履きコース
上は最後のアタック合戦、道上にとっては踏ん張りどころだ。そこで道上は最
後のアタックのためにピットに戻り、空力バランスの再調整をリクエスト。あ
くまでも攻めの姿勢を崩さない道上に応えチームは瞬時にセッティング変更を
行ない残り5分でコースに送り出した。

その時点で道上は5番手にドロップしていた。しかし、アタック1周目、道上は
1分37秒842で4番手にアップ! そのまま連続アタックに入っていった。残
りはすで に1分を切っておりこれが最後のアタックだった。道上は自己の区間
ベストを確信する最高の走りで最終セクションに突入していったところで、ス
ローカーが眼前に出現、道上はアクセルを緩めざるを得ず、タイムアップは
実現しなかった。結局、道上は4番手、大殊勲のグリッド2列目を獲得した。

一方の影山も、午前中のセッションでは確かな手応えを得ていた。マシンの
フィーリングはこれまでの中ではよく、これをどう煮詰めていくかがポイント
であった。
道上と同様マシンのセッティングは走る毎に向上していった。ドライバーの好
みなどで多少はセッティングの味付けは異なるものになっていたが、影山自身
も予選に向けて自信ありげな表情を見せていた。しかし、ニュータイヤに交換
後のアタックでは、思っていた以上にニュータイヤを使ったことによるタイム
の伸び率が鈍い。セットアップの煮詰まり具合が足りなかったようだ。結局、
ジャンプアップを狙った2回目の予選で、影山はアタックに失敗。17番手にと
どまった。しかし、決勝用 のセッティングには自信がある。前戦同様、しぶ
とく走りポイントゲットを狙う。

開幕戦から苦しみぬいてきたスピードマスター・ムーンクラフトは、これまで
のレポートでも報告したとおり、諦めることなくマシンを熟成させてきた。時
には大胆に、時には非常に繊細なワークを続けてきた我々だが、しかし、攻め
の姿勢だけは崩したことはなかった。その成果が今回の道上の結果といえよう。
影山もそれは同じだ。道上とは異なったアプローチでセットアップを進めたが、
前述のとおり今回はマシンを煮詰めきることができず16番手にとどまったが、
あくまでもこれもひとつの攻めた結果であり悔いはない。
明日の決勝レースは、道上、そして影山ともに、さらなる上を目指し全力を尽
くす。

由良拓也チーム監督;
「道上は最高の仕事をしてくれましたね。今回のマシンは視覚的にドラスティ
ックな変更はないですが、サスペンションを始め内部にはかなり手を加えた。
これまで諦めずにやってきたひとつの成果といえるでしょう。レースが終わっ
たわけじゃないですが、純粋にこの結果はすごく嬉しい。影山もいい感じで煮
詰めてきていたが、2回目の予選でアタックし損じた感じ。ただし、前回の流れ
が止まったわけじゃ なく、明日は16番手から頑張ってくれると信じています。
明日も今日と同じような気分で、いやそれ以上の気分で決勝を終えたいですね」

道上龍(予選4番手);
「マシンはこれまでで最高の仕上がりです。走りはじめた時から、違いがわか
った。だから今日は絶対にキメてやろうと思っていた。で、結果的に4番手にな
れてとても満足。このようなマシンを仕上げてくれたチームと無限ホンダのス
タッフに感謝の気持ちでいっぱいです。明日はスタートからマキシマムで表彰
台を狙います」

影山正彦(予選17番手);
「間違いなくマシンは進歩し、予選では自信があったんですが、ニュータイヤ
を履いてもその性能をフルに引き出せなかった。マシンを全体的に小さくまと
めてしまったのかもしれない。明日の決勝のセッティングには自信があるので、
また明日の決勝はしぶとく行きますよ。それにしても道上は頑張っていました
ね。負けたのは悔しいですが、チームメイトとして力を証明してくれたのは嬉
しい」


情報提供:SPEEDMASTER MOONCRAFT
     スピードマスターレーシング事務局
     http://www.speedmaster.co.jp


        *** FMOTOR4F SysOp 北島滋穂(SDI00685@nifty.ne.jp) ***



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