Formula Nippon

FN:スウィフト製シャシーに3.4Lエンジン。JRPが2009シーズン車両のデザインイメージを公表!

fn_2009

日本レースプロモーション(JRP)は8月26日、 フォーミュラニッポン第6戦の開催されている富士スピードウェイで2009年~2011年の中期計画報告会を実施した。
今後の基本方針として、オーバルや市街地での開催や、環境に配慮したエンジンの研究に取り組むほか、 オーストラリアや中国など海外での開催も視野に入れることが明らかとなった。
同時に、この会見では2009シーズンから使用する車両の概要も併せて発表された。

swift.017nF34 swift.017nFV swift.017nPV.JPG swift.017nSIDE.JPG

これによると、シャシーはスウィフト製のワンメイク。
数社から提案のあった中で、日本独自のカテゴリーとして、先見性や斬新さを重視して選定した結果、同社の採用が決まった。
会見で公開された画像からも、フロントウィングやサイドポンツーンの形状など、これまでにない斬新なデザインがなされていることがわかる。
しかし見た目も斬新さだけでなく、車体下面で発生するダウンフォース量も増大するという。 現状では240km/h走行時で750kgを発生しているが、スウィフトの新シャシーは1トンを発生させる。
これにより、前後ウィングでの発生分を減らすことが可能となり、後方への乱流の影響を減少させ、オーバーテイクのしやすい車両が実現する。

エンジンは既報のとおりGT500車両と同一の3.4リッターV8の自然吸気エンジンとなる。 ただしこちらはリストリクターでなく、従来どおり10300回転でレブリミッターが作動する仕様となる。
設計上想定される最高出力は600馬力以上。これはGP2に代表される、昨今のF1の一つ下のカテゴリーにおける世界標準ともいえる数字だ。
その他、パドルシフトやカーボンディスクブレーキの採用など、多くの変更点が盛り込まれ、 2009年のフォーミュラニッポンは一層斬新でエキサイティングなものになることが期待される。

発表概要【参考】
2009~2011 JRP基本方針

 ハード・ソフトの組み合わせにより日本独自のトップカテゴリーとして地位を確立し、アジア、 パシフィック地域を代表するレースを構築する。

  • 世界から目標とされるシリーズの構築
  • 新シャーシー、新エンジンの導入
  • ハイブリッド、水素、バイオエタノールなどの環境に配慮したエンジンの研究
  • ファンの満足度アップとなる最も面白いレースの提供
  • 新規レースの調査、研究(市街地レース、オーバルレース)
  • 大会数は最大で国内10戦、海外1戦としパシフィックエリア開催を目指す
新シャーシーコンセプト
  • 日本独自のカテゴリーとして、今までにない斬新なデザインの追及(先進性と変化)
  • よりスリリングなレース展開が可能な車両
  • 最低3年間使用可能な安全性と耐久性の確保
シャーシー新旧比較

 車両レギュレーションは現行のJAF F3000を基本とする。(2007年8月26日現在案)

新型車両 現行車両 備考
車両最大幅 2000mm 1800mm 車両中心線からタイヤ外側まで実測で1000mm以内
車体最大幅 1600mm 1450mm ウイングを除く、ボディワークの最大幅
フロントウィング幅 1900mm 1450mm
リアウィング幅 1150mm 1000mm
車両重量 670kg 660kg ドライバー乗車時
燃料タンク容量 115L 135L 車体サイドに設ける給油口から給油可能な最大値
ミッション パドルシフト シーケンシャル
ブレーキ カーボン スティール
フロントタイヤ 265/55R13 235/55R13
リヤタイヤ 325/45R13 340/620R13
新エンジンレギュレーション概要

 より多くのエンジンメーカーが参加しやすいレギュレーションを確立する。現状の音量規制を遵守し、かつ、より魅力ある音を追求する。

  • 目標出力: 600馬力以上
  • 3.4リッター、V型8気筒
  • 最低重量: 120kg
  • パドルシフトの採用
  • 3レースで使用できるエンジンは1基とする
エンジン新旧比較
新型エンジン 現行エンジン 備考
排気量 3400cc 3000cc
出力600/hp+α 550/hp
気筒数 V型8気筒 V型8気筒 バンク角90度
吸気 自然吸気 自然吸気
重量 120kg 127kg エアボックス、エアフィルター込み
回転数制限 10300rpm 10300rpm
回転数制限方式 ECU ECU
新シャーシー・エンジン導入スケジュール
2007年 11月中旬 車両最終デザイン発表
2008年 2月初旬 新エンジン開発テスト走行開始
2月中旬 車両中間検証
5月中旬 車両最終検証
6月下旬 新型車両発表会および新車両、新エンジン組み合わせによる走行テスト
8月上旬 車両デリバリー開始
12月上旬 全車両納入終了
2009年 2月中旬 公式合同テスト開始

Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース