昨年9月より改修工事を行っていた鈴鹿サーキットは、新施設がほぼ完成、12日一般公開の「"スタート鈴鹿"オープニングサンクスデー」に先立ち、9日にメディアを対象とした視察会を開催した。
視察会は、株式会社モビリティランド専務取締役野口但氏のあいさつに続き、同取締役鈴鹿サーキット総支配人樽井良司氏による改修工事の説明が行われた。
テーマは、「安全」、「安心」、「快適」。観戦・イベントエリア、ピットビル、パドック、レーシングコースの4カ所が200億円をかけ改修された。
イベントエリアとしては、グランドスタンド裏にGPスクエアと呼ばれる1万平方メートルのエリアを確保。1コーナーへの導線を確保するため陸橋を設け、歩車分離を図った。また、グランドスタンドには真夏でも日差しをさけることができる大屋根を設置。席数も12,830席と増設した。常設の大型ビジョンは、デジタルハイビジョンで従来の2基から3基とした。
逆バンクへ向かうトンネルも改修。拡張し、階段を無くしたため車いす等でのアクセスも快適となっている。パドックとスタンドを結ぶトンネルも拡張。エレベーターも設置した。
東コース内からはどこにいても視認できるリーダータワーを設置。また、1コーナーゲートやスプーンゲートも新設し、サーキットへの入場ルートを増やした。正面駐車場は、ゴルフ練習場を閉鎖し、新たに1,400台分の駐車スペースを確保した。
ピットビルも一新された。48のピットボックスは拡張され、その西側には救急へリポートに隣接したメディカルセンターを設置。2階にはホスピタリティラウンジ、最新機器を導入したコントロールタワーにメディアセンター、そして3階にはホスピタリティテラスが設置された。
パドックは、山田池を埋め立てスペースを1.2倍に拡大。センターハウスにはパドックレストラン「SUZUKA-ZE(すずかせ)」が入居。平屋のチームオフィスは、42室から52室に増加した。
レーシングコースは、2コーナーアウト側に舗装部分を設けた。コースアウトしてもグラベルでリタイアすることが少なくなり、よりエキサイティングな争いが見られるようになる。また、東コースにはアウトとインにサービスロードを設置。迅速な救急保安活動が可能となった。
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI