- #11 GAINER DIXCEL SLS
- Katsuyuki HIRANAKA / Bjorn WIRDHEIM
- 予選:19位 決勝:2位
- 入場者数/予選日18,500人・決勝日26,500人
8月9日(土曜日)
- 公式練習 9:00~10:50 曇/ドライ/気温:25度/路面温度:29度
- ノックアウト予選1回目 14:00~14:15 曇/ドライ/気温:25度/路面温度:31度
- ノックアウト予選2回目 14:40~14:52 曇/ドライ/気温:25度/路面温度:28度
台風11号がゆっくりと北上し、富士スピードウェイにもかなりの影響が出ると思われた予選日。意外にも雨は降らず、厚い雲が被われる中公式練習はスタートした。
まず平中克幸からマシンセットに入る。セクター3のアンダーステアがきつく、フロントサスペンションを調整する。その後少し症状は改善され、ビョンビルドハイムと交代。ハイスピードコーナーでのアンダーを訴える。足回り、リアウイングを再び調整する。その後アクセルペダルに不具合がでて、このセッションの走行は終わった。
その後メカニックがトラブル修理に当たるが、予選ギリギリまで時間を費やすことになった。少し雨がぱらつき始めるが、路面を濡らすことはなく、なんとかドライでの予選が出来そうだ。Q1を担当するビヨンが乗り込み6分遅れでコースへ。ビヨンの無線機から、朝の練習走行終わりに出ていた同じ症状があると悲痛な叫びが。
明日の決勝は天候が読めず、チャンピオンシップを考えた上でも上位からのスタートが望ましかったが、結局アタックは満足できるものではなく、20番手で予選は終わった。その後、タイム抹消になったマシンがあり、明日の決勝は19番手からのグリッドが確定した。
- 平中克幸ドライバーコメント
- 結果からいうと19番手で最悪な予選となりました。朝の段階で出たトラブルを直し切ることが出来ず、予選をスタートすることになってしまい、トラブルが出たままで走行しなければならなかった事は非常に残念でした。ただただ残念ですが、それを責めることも出来ないので、とりあえず明日はレースが出来るコンディションであれば、追い上げることは可能なので、そっちの方に集中して気持ちを切り替えていきたいと思います。
- Bjorn WIRDHEIMドライバーコメント
- 朝からアンダーが強く、足回りのセットを変えてからトラブルが出た。長い修理時間を費やし、予選になんとか走れる状態までになった。しかし、スロットルにトラブルが出て、シフトダウンがきちんと出来なくなっていた。ファイナルセクターでは2速のチェンジアップも全く出来なくなってしまった。トラブルがなければ予選はトップ10に残っていたはずだし、チャンピオンシップを考えても非常に残念な予選になった。明日はきちんとマシントラブルを解消し、必ず上位でチェッカーを受けます。
8月10日(日曜日)
- フリー走行 9:00~9:30 雨/ウエット/気温:22度/路面温度:22度
- 決勝 15:00~ 雨/ウェット/気温:24度/路面温度:26度
前回の菅生戦から雨のレースウィークの為か、真夏の3連戦が思わぬ低気温と低路面温度のスタートとなっている。日曜日のフリー走行は台風11号の影響で、雨と風の走行開始となる。
初めにビヨンがコースへ。走行開始後雨が酷くなり、赤旗中断となる。午後のレースを占うような雨となる。雨が小康状態となり7分ほどの中断のあと、走行は再開した。
雨のDUNLOPと言われているように、昨日の予選の鬱憤を晴らすかのようなビヨンの走りにチームもホッと胸をなで下ろす。昨日のトラブルは完全に解消され、周回毎にタイムを上げて走行している。一旦平中と交代し、平中も雨の状況を確認。このセッションは3番手のタイムで終了した。
今回の決勝レースは、普段より1時間スタートが遅い。それが11号車にとって、吉と出るか凶と出るかは終わってみなければわからない。ただ決勝がセーフティーカー(SC)のみで成立しないことを祈るのみ。3時30分頃から激しい雨になると予報では伝えられていた。
スタートを担当するのはビヨン。雨のため2周に渡ってSCの先導が行われ決勝レースはスタートした。シングルで必ず戻ってくると言っていたビヨンはその通りに、1周で3台をパスして16番手でまで浮上しビヨン劇場が始まった。周を重ねる毎にポジションをあげ、9周目には10番手のポイント圏内まで驚異の追い上げを披露。この辺りから急激に雨が激しくなり、スタートして8周目にSCが入り、その後14周目に赤旗中断となり、ストレートに全車整列。
30分ほどの中断の後、SC先導でレース再開された。再びビヨンの激走が始まる。17周目には9番手、18周目には7番手、19周目には6番手と、各コーナーで気持ちよく前車を抜いていく。
21周目には12番手からスタートしてここまでポジションを上げていた10号車山内もパスし4番手に。55号車CR-Z、3号車GT-Rを抜き去り24周目には2番手までポジションを上げる。
トップを走るミシュランタイヤを装着する61号車BR-Zは、異次元の走りで周回を重ねていたため、この時点で20秒の差。ビヨンをもってしても1周ラップの差が約1秒もあり、この時点でのこれ以上のポジションアップは見込めなかった。
この頃から徐々に雨が止み初め、ウエットタイヤではだんだんと路面状況と合わなくなり、ルーティーンのピット作業と合わせてタイヤを早めに交換してくるマシンも現れる。11号車は予定通り38周目にルーティーンのピット作業を行い、平中をコースへ送り出す。
早めにピット作業を行っていた86号車ランボルギーニと、交代してから4番手まで順位を上げていた4号車が平中がコースに入ると約2秒前方を走行。平中は次周の1コーナーで4号車をパス。続いて44周目に86号車も抜き、ピットに入るポジションの2番手まで難なく復帰。
トップの61号車との差も46周目に23秒あった差が、54周目までには10秒差まで詰めてきていた。しかし、ここへ来て無情の雨が降り始め、再び55周目にSCが導入される。残り2周でも1周でも再開されることを祈っていたが、SCのまま2番手でチェッカーフラッグが振られた。これにより11号車はポイントランキングもトップになり、次戦鈴鹿では100kgのウエイトハンディを載せて戦うこととなる。
- 平中克幸ドライバーコメント
- 予選19番手から難しいコンディションの中のレースでしたが、最初のスティントのビヨンがものすごく良い走りをしてくれて・・・本当に完璧なスティントをこなしてくれました。僕のスティントではそれを生かして、走ることが出来たのです。ピットでは少しZ4の4号車が早くて、86号車も早めのピットタイミングで前に出られていたのですが、それでも車のパフォーマンスとダンロップタイヤさんのパフォーマンスを生かして、すぐに巻き返すことが出来ましたし、そのあともしっかりと走ることが出来ました。路面が乾いてからも、凄く安定して速く走れることが出来たので本当に良かった。予選のトラブル以外は全て完璧だったと思うし、ランキングもトップになりましたしから、次の鈴鹿では重くはなりますが、今回の決勝の様なしっかりとしたレースをすれば、展開次第では大量ポイントも取れるので、この先もしっかりと気を引き締めて戦っていきたいと思っています。
- Bjorn WIRDHEIMドライバーコメント
- ファンタスティックな決勝だった。昨日はトラブルだったのでパーフェクトなカムバックだった。チャンピオンシップもリーダーになったし、ダンロップタイヤのパフォーマンスも良く、レインのコンディションとマッチしていた。KATSUのファイナルスティントもピットで逆転されたポジションもすぐに2位まで戻って来てくれた。ピット作業もパーフェクトでKATSUを送り出してくれた。昨日の悪いポジションから本当にパーフェクトだった。61号車のミシュランタイヤは本当に強かった。本当に今日はHAPPYだった。次の鈴鹿も期待していて!
- 田中哲也監督コメント
- 11号車は予選でトラブルが発生してしまい、後方グリッドからの苦しい展開になりましたが、ドライバー、チームスタッフ、ダンロップタイヤすべてが最高のパフォーマンスを発揮してくれて2位という素晴らしい結果を掴みとってくれました。今回のようなつらい状況をなんとか乗り越えたことは、チーム全体として非常に自信になり今後のレースにつながる内容だといえます。次回以降のレース対する教訓も含めてとても素晴らしいレースでした。