SUPER GT

SGT:第2戦岡山 NSX-GTが1-2フィニッシュで開幕戦の雪辱を果たす (HONDA)

ARTA NSX(伊藤大輔/R.ファーマン組)が優勝。Honda NSX-GTが1-2フィニッシュで開幕戦の雪辱を果たす

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第2戦 岡山国際サーキット 2007年4月8日(日)・決勝会場:岡山国際サーキット(3.703km) 天候:予選/曇り 決勝/晴れのち曇り気温:16℃(14:00現在) 路面温度:23℃(14:00現在) 決勝レース:82周(303.646km) コースコンディション:決勝/ドライ観客数:3万5000人(主催者発表)

 4月8日(日)、岡山県美作市にある岡山国際サーキットにおいて、2007 オートバックス SUPER GT第2戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝レースが開催された。

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 開幕戦鈴鹿ラウンドにおいて、予選からライバルを圧倒する走りを見せながら、レース終盤に勝利を逃したHonda NSX-GT勢は、リベンジを誓って岡山ラウンドに挑んだ。

 4月7日(土)に開催された公式予選において、NSX-GTは開幕戦に続き、予選1回目の上位10台で決勝グリッドが争われるスーパーラップに全車5台が出場した。スーパーラップにおいて、昨年の岡山ラウンド覇者である#18道上 龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)が1分22秒881を記録し、ポールポジションを獲得した。TAKATA童夢NSXは2年連続で岡山ラウンドのポールポジションを獲得。NSX-GTにとって、今シーズン開幕から2戦連続のポールポジション獲得となった。

 予選2番手には#8伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組(ARTA NSX)が続き、4番手に#32ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン組(EPSON NSX)、5番手に#100ドミニク・シュワガー/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)、#17 金石勝智/金石年弘組(REAL NSX)は7番グリッドから決勝レースをスタートすることとなった。

 8日(日)の決勝日は、昨日に続く曇り空となり気温16℃、路面温度23℃と肌寒く、1コーナーから最終コーナーに向かって強めの風が吹くコンディションとなった。総勢41台(GT500クラス計16台)のマシンは、14時00分にフォーメーションラップを開始し、82周=303.646kmのローリング・スタートが切られた。

 スタート直後の1コーナーで、ポールポジションからスタートした#18 TAKATA童夢NSXの道上選手が、#1宝山TOM'S SC430に右リアを追突されたためにスピンを喫し、グラベルに突っ込む。すぐに復帰したものの、GT500クラス最後尾からの追い上げを強いられることとなった。そのアクシデントの影響で#17 REAL NSXの金石勝智選手もスピンを喫している。

 代わってトップに立った#8 ARTA NSXのR.ファーマン選手がハイペースな走りで逃げきりを図り、7周目時点で2位との差を4秒857に広げた。この時点のNSX-GT勢は、3位に#100 RAYBRIG NSXのD.シュワガー選手、5位に#32 EPSON NSXのL.デュバル選手、14位に#18 TAKATA童夢NSXの道上選手が浮上、15位に金石勝智選手が続く展開となる。

 10周目、序盤で#18 TAKATA童夢NSXに追突した#1宝山TOM'S SC430にドライブスルー・ペナルティの裁定が下されたため、D.シュワガー選手が2位に浮上する。その後、トップを走行するR.ファーマン選手のマシンがアンダーステア傾向になったために、ラップタイムが伸びず、2位との差が23周目に1秒129まで縮まったが、粘り強い走りで再び4秒弱まで間隔を広げた。続く2位の#100 RAYBRIG NSXは、3位の#22 MOTUL AUTECH Z、4位の#32 EPSON NSXが接近しながら争う。最後尾からの追い上げとなった#18 TAKATA童夢NSXは、ポジションアップに苦しみながらも11位に浮上、#17 REAL NSXが12位を走行する。

 30周終了時から各車がドライバー交代のピットインを始め、#18 TAKATA童夢NSXと#17 REAL NSXが早めのピットインを敢行した。トップの#8 ARTA NSXは34周終了時にピットイン。リアタイヤのみの交換を行い、32秒のピット作業で伊藤大輔選手にドライバー交代を行った。

 GT500クラスの全車がピットインを終えた38周目時点で、NSX-GT勢はトップに#8 ARTA NSXの伊藤選手、約8秒後方の2位に#100 RAYBRIG NSXの細川慎弥選手が走行、3位に#32 EPSON NSXのF.カルボーン選手が浮上し、1-2-3態勢を築いた。

 レース中盤を過ぎ、細川選手とF.カルボーン選手が3位と4位に後退するものの、トップを走る伊藤選手は、2位との約10秒の間隔を守りながら快走を続けた。

 TAKATA童夢NSXの小暮卓史選手は、ミッショントラブルに苦労しながらも7位に浮上。細川選手も78周目に2位のポジションを奪い返し、NSX-GTが1-2態勢で82周のチェッカーフラッグを受けた。この結果、#8伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組(ARTA NSX)が優勝し、前戦の鈴鹿ラウンドで最終ラップに勝利を失った雪辱を果した。

 2位に#100ドミニク・シュワガー/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)、4位に#32ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン組(EPSON NSX)、7位に#18道上 龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)、#17 金石勝智/金石年弘組(REAL NSX)は10位でレースを終えた。

白井 裕 Honda NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー

 「開幕戦鈴鹿の雪辱を果たせて大変ホッとしています。今回の結果は、ここ2週間のエンジニアメカニックの皆さんによるハードワークのたまものだと思っております。スタート直後に起きたTAKATA童夢NSXのアクシデントは非常に残念でしたが、終始NSX-GT 勢がレースの主導権を握ることができたことに満足しております。次戦の富士は、今まで苦手だった高速コースですが、今年のマシンはその弱点を克服しており、ライバルたちと最高速でも真っ向勝負ができます。是非とも、富士でも勝利を挙げて、NSX-GTが持つポテンシャルの高さを皆様にお見せしたいと思っております。さらに、シーズンを見据えたチャンピオンシップ争いでも、攻めの姿勢で戦っていきたいと思いますので応援をよろしくお願いいたします」

伊藤大輔選手 #8 ARTA NSX(優勝)

 「前戦の悔しさを胸に岡山ラウンドに来ました。このサーキットはNSXとの相性がいいですが、18号車も好調だったのでポールポジション獲得は簡単なことではないと思っていました。決勝レースは、18号車と1号車のアクシデントがありましたが、ラルフ(・ファーマン)が落ち着いたラインを走行してトップに浮上してくれました。ラルフからトップでバトンを受けたあと、マシンのアンダーステアが強く、リズムをつかむのに苦労しました。後方で100号車と22号車がバトルをしていると無線で聞いたので、ここがプッシュする場面だと感じて、1分27秒台で走り続けた結果、2位との差を15秒まで広げることができたのだと思います。ラスト2周あたりで、前戦の思い出がよみがえってきて、ラストラップの最終コーナーを立ち上がるまでドキドキしてしまいました。今回の勝利で、NSXの強さを形にすることができ、今までやってきたことを改めてファンやHondaの皆さんに証明できてうれしく思います」

ラルフ・ファーマン選手 #8 ARTA NSX(優勝)

 「スタートはとてもよかった。最初の6~7周は、マシンが完ぺきだったのですが、GT300クラスが周回遅れとなり始めた10周目あたりから、マシンのバランスが悪くなってしまいました。急にアンダーステアが強くなり、まるでパンクしているような状態になりました。でも、25周あたりからマシンの調子が回復してきて安心しました。ピットインのタイミングも作戦通りで、うまくダイスケに渡すことができました。ダイスケは後半をアンダーステアと闘ったようで大変だったと思います。今回は絶対に優勝しようと誓っていたので、本当にうれしいです。次戦の富士は、ウエイトを積むことになりますが、着実にポイント圏内を走行してチャンスをねらっていきたいと思います」

Text & Photo: HONDA



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