全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦は18日、大分県のオートポリスで41周の決勝を行い、ディフェンディングチャンピオンの坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が今季初優勝を飾った。
決勝は午後2時40分に41台が参加してフォーメーションラップが始まった。昨日から降り続いた雨も上がり、どんよりとした雨模様だが、霧も去り路面はドライコンディションとなった。
スタートでは、ポールシッターの野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)が好スタートで1コーナーへ向かう一方、予選2位の山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)と同3位の小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)は加速が悪く、出遅れる。対して同5位の坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)と同7位の岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)はロケットスタートを決め、一気に2位、3位まで浮上してきた。また、予選8位でポイントリーダー太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)もストールして一気に後方集団に飲み込まれてしまった。
オープニングラップ1周目の順位は、トップ野尻、2位坪井、3位岩佐、4位山下、5位福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、6位小林だ。
トップに立った野尻は徐々に2位坪井から逃げ始める。1周目に0秒9だった差は、9周目には3秒3まで開いた。坪井から1秒4差で岩佐が、さらに5秒遅れて山下が続く。
14周目、トップグループでは岩佐が真っ先にピットイン。ピットアウトすると、16周目に1分30秒201とここまでのファステストラップをマーク、さらに翌17周目には29秒659とこのレースのファステストラップをたたき出す。トップ野尻より秒単位で速く、差は37秒ほどだ。
オートポリスの場合、ピットインしてトップを守れるしきい値は35秒ほど。これをみて、岩佐のオーバーカットを阻止すべく、トップ野尻と2位坪井が19周目にそろってピットイン。タイヤを交換してピットアウトすると坪井が野尻に先行してコースイン。しかしその背後には岩佐が迫る。タイヤの冷えた坪井と野尻にはなすすべなく、岩佐が2台をパスして実質的なトップに立った。
20周目、後方集団を走っていたザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)が最終セクションでコースアウト。これでセーフティーカー(SC)が導入され、ピットインを行っていなかったドライバーがすべてピットインした。
これで名実ともにトップに立ったのが岩佐、2位坪井、3位野尻、4位山下、5位牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、6位佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)と続く。
SCが退きレースは26周目から再開されるが、なんと27周目を走行中のトップ岩佐の右フロントタイヤのナットが緩みスロー走行。岩佐は待避路にマシンを止めてリタイアとなった。
これでトップに立ったのは坪井、2位に野尻、3位に山下、4位牧野、5位佐藤、6位阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)となる。
トップ坪井を捉えるべく、オーバーテークシステムを駆使して2位の野尻が食らいつくも、31周目まで1秒切っていた差は、32周目からは開くばかり。41周を回って、坪井が今季初優勝を飾った。2位には野尻が、3位には山下が入った。
4位は佐藤、5位には29周目に牧野をパスした阪口が、6位には牧野、7位には小林、8位にはイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、9位には福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、10位には大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)が入り、ここまでがポイントを獲得した。ポイントリーダーの大田は13位でノーポイントに終わった。
ドライバーズ選手権では、6位に入り5ポイントを加算、65ポイントとした牧野がリーダーに立った。2位にはノーポイントの大田が61ポイントで続き、優勝した坪井が51ポイントとし3位に浮上してきた。
第6、7戦は富士スピードウェイに舞台を移し、7月19日、20日に決勝が行われる。
Text: Yoshinori OHNISHI