先日鈴鹿で開幕した全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権。その開幕直前の2月25日になって新規参戦を発表したのがDELiGHTWORKS RACINGだ。チーム代表兼監督を元レーシングドライバーの下山征人が務め、レーシングアドバイザーに野尻智紀と松下信治を迎える注目のチームだ。そのドライバーとして起用されたのが荒尾創大と三井優介。
荒尾はフランスF4選手権や英国のGB3で活躍し、昨年からスーパーフォーミュラ・ライツに参戦して2年目のシーズンを迎える。
一方の三井は2022年にホンダの育成選手としてFIA-F4に参戦、初年度からあの小出峻と最後までチャンピオンを争う強さを見せ、翌年も大いに期待されたが、ここでもタイトル獲得はならず。翌2024年はフォーミュラを離れ、活動の場をスーパーGTとスーパー耐久に移すことになった。
その三井が再びフォーミュラに戻ってきた。開幕戦の行われている鈴鹿サーキットで本人の意気込みを聞いた。
「去年一年、メインはスーパー耐久で、スプリントレース、自分一人のレースっていうのは全然やってこなかったので、FIA-F4以来ずっとレースをしたいな、自分のスプリントのレースをしたいなと思っていました。で、今回こういう話をいただいて、代表兼監督にもすごい感謝してますし、お話いただいた時、もうめちゃくちゃ嬉しくて、なんとしてもチャンピオン取りに行こうと。F4で取れなかったチャンピオンを取りたいなっていう意気込みできました」
「きっかけは野尻さんなんですよ、野尻さんがこのチームに紹介してくださいました。僕はなんか乗れるところないかなと思って、野尻さんに相談したところ、じゃあっていう話になりました」
続いて三井が今年加わったチームの印象を聞いた。DELiGHTWORKS RACINGは戸田レーシングがメンテナンスを担当しており、荒尾も昨年と同じカーナンバー2を使用しているものの、実態は運営母体が全く別なのだという。また下山監督はかつてSRS-F卒業生としてフォーミュラドリームやスーパーGTで活躍していた経歴を持つ。
「クルマを触っている方は戸田レーシングなんですが、去年の戸田を引き継いだというより、新しくさらに良いものを作っていこうという形でみんなで頑張っています。僕がSRS-Fを受講していた時のスクールカーはフォーミュラドリーム(FD)だったんですが、そのFDのレースがあった時代に下山監督が活躍されてたのも知ってて、尊敬してました。ご自身が経験者ということでドライバーの側に立っていろいろ相談に乗っていただいているので、すごくいい環境です。実はレースを始めたのが下山さんの兄さん(下山和人氏)がやられてるサーキットだったんです。そういう意味でもご縁があったなと」
鈴鹿大会の三井は第1戦で予選7位から決勝5位。第2戦は予選10位から決勝7位。第3戦は5番手スタートから決勝6位と表彰台にはあと一歩及ばなかったが、第1戦、第3戦ではスタートを決めて一時4番手を快走する場面もあり、今後に期待できる内容だったと言えよう。
次戦の舞台は九州のオートポリス。三井の躍進に期待したい。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Yoshinori OHNISHI