もてぎVITAシリーズ最終第6戦が11月23日(祝)にモビリティリゾートもてぎで行われ、ポールポジションから発進のイノウエケイイチ(ワコーズEDニルズVITA)がスタートで2位に後退したものの、トップを奪い返すとそのまま後続を離して優勝。ポイントランキングで首位だったイシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)を逆転して、シリーズ3連覇を達成した。
決勝は5分遅れの午後1時30分開始。快晴に恵まれたモビリティリゾートもてぎの気温は13度。日なたは暖かいほどで絶好のレースコンディションだ。注目のシリーズタイトル争いは、イシカワ55ポイントで1位、2位窪田俊浩(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)54ポイント、3位イノウエ53ポイントと僅差で、この3人の中で一番上位フィニッシュした者にタイトルの可能性がある。13台全車がコースインしてグリッドに整列、レッドライトが消灯してレーススタート。
2番グリッドからスタートの窪田の蹴り出しがよく、ポールポジションのイノウエに並びかけて加速、サイド・バイ・サイドで第1コーナーから第2コーナーに進入。アウトから被せにかかるイノウエの機先を制して窪田がトップに抜け出し3位にイシカワがつける。4位には5番グリッドからの出足がよかった西濱康行(ETA白浜ワークスVITA)が4番グリッドのカワモトミツル(シンエイジャパン&オートルックVITA)を第1コーナーアウト側から仕留めてポジションアップ。カワモト5番手にドロップする。後方では7番手スタートの相馬充寿(ブライルマーズアイテック01)の加速が鈍く、8番グリッドのLam Geoffrey(カーファクトリー亜衣★Geoffrey)、同じく9番手の小松寛子(XCEL-LITEマーズ01)の先行を許し、さらには第1コーナーでは佐藤純一(ELEVレーシングVITA)、YOSHIMA(NKGワコーズEDニルズ)も相馬をオーバーテイク。これで6位辻かずんど(MARS RACING VITA)に続いてLam Geoffrey7位、小松8位、佐藤9位、YOSHIMA10位となり相馬は11位までポジションを落とす。
トップに立った窪田だったが、第3コーナー出口で姿勢を乱してハーフスピン。アウト側のグラベル手前で踏みとどまるも最下位まで順位を落としてしまう。これでトップはイノウエ、2位イシカワ、3位西濱、4位カワモト、5位辻、6位Lam Geoffreyと続く。トップのイノウエと2位イシカワの差は0.373秒だ。スタートに失敗して11位まで順位を落とした相馬は、第3コーナーでYOSHIMAを S字の入り口で佐藤を仕留めて8位までポジションを挽回する。ハーフスピンで最下位まで落ちた窪田は伊勢屋貴史(御堂土地建物FE2)を抜いて12位。
2周目に入りイシカワがトップを行くイノウエにチャージ。テール・ツー・ノーズ状態でS字にアプローチ。後方3位西濱と4位カワモトも接近戦が展開している。しかし順位変動はおきずイノウエとイシカワは0.154秒差で3周目へ。第1コーナーでイシカワがインを伺うがイノウエに並ぶまでには至らない。後方では5位を走っていた辻が第3コーナーで単独スピン、全車が通過するのを待ってコースに復帰するも最下位まで落ちる。これでLam Geoffrey5位、小松6位と順位を上げるが辻を回避したためにトップ4台からは大きく離されてしまう。この周イノウエは2分14秒988とここまでのファステストラップを出してイシカワに0.640秒の差をつけると4周目14秒574、さらに6周目には14秒404と最速ラップを更新して、イシカワとのギャップを1.658秒までひろげる。
トップ争いが膠着状態になる中、次々とポジションを上げているのが1周目のスピンで最下位に落ちた窪田で、2周目11位から3周目には9位、6週目には8位まで挽回し、7位相馬から0.708秒差、6位小松からも1.494秒差と6位以内が見えてくる。
7周目、トップのイノウエと2位イシカワは1.746秒の差。接近しているのが3位西濱と4位カワモトで0.333秒差、さらに5位Lam Geoffreyと6位小松も接近していたが続く8周目の90度コーナーで小松がハーフスピンを喫し、10位までポジションを落としてしまう。これを回避した相馬のスキを突いて窪田が6位に進出。
イノウエはイシカワとの間合いを保って9周目、ファイナルラップを走り抜け、右腕を高く上げると1.720秒の差でチェッカードフラッグの下を通過、今シーズン3勝目を挙げた。2位イシカワ、3位西濱と続き、4位カワモトは0.272秒及ばず表彰台を逃した。そこから10秒近く離れたが、Lam Geoffreyが初のVITAレースで5位、そしてオープニングラップのスピンから挽回した窪田が6位に入った。
この結果、イノウエがポールポジションの1ポイントと合わせて21ポイントを加算し計73ポイント、イシカワが計70ポイントとなり、イノウエが2022年、2023年に続く3年連続シリーズチャンピオンを獲得した。イシカワは2年連続で2位に終わり。来年こそはとタイトル奪取を誓った。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
Asako SHIMA