2024年Formula Beat(F-Be)地方選手権第14戦公式予選が11月9日(土)にスポーツランドSUGOで開催され、シリーズランキング2位のハンマー伊澤(アルカディア☆ハンマーRハヤテ)が従来のコースレコードを0.6秒以上短縮するタイムを叩き出してポールポジションを獲得、2番手にはランキング首位の酒井翔太(ファーストガレージ F108)が0.238秒の差で並んだ。
最低気温は0度近くまで冷え込むようになり遠くの山にはうっすら雪も見え、晩秋から初冬に向かいつつあるスポーツランドSUGOでのシリーズ最終ラウンド。本日第14戦の予選と決勝、明日10日(日)に第15戦の決勝が行われシリーズも大団円を迎える。
第14戦予選は午前9時コースオープン。夜明け前に比べれば気温が上昇したとはいえ9度、第1セクターの路面温度は8.7度と触れれば冷たい状態で先に予選が行われたスーパーFJと同様にタイヤの発動に時間を要しそうなコンディションの中、20分間の予選がスタート。みきてぃ(LP・Shop kts24)を先頭に13台がコースインした。
各車慎重にウォームアップを行い、計測3周目、まずはハンマー伊澤が1分24秒946のトップタイム。2番手酒井25秒813とまだ小手調べの状態だが、ここでジェントルマンクラスの舩井俊仁(ファーストガレージ FG108)がSPコーナーでスピンしてスポンジバリアにクラッシュ。ただちに赤旗が提示されて予選中断。
舩井のマシンが移動され午前9時18分、残り時間13分22秒から予選再開。もう一度タイヤのウォームアップからの仕切り直しだがここで再び赤旗。今度もジェントルマンクラスの長嶋重登(ミスト☆T.U.CGROUP)が同じSPコーナーでスピン、停止してしまう。その前のスーパーFJの予選でもSPコーナーでコースアウトする車両があり、今回はSPコーナーに魔物出現か。オレンジ色のメタリック塗装が目立つ長嶋のマシンは救出されると自走でピットに戻り、午前9時26分、残り時間11分10秒から予選が再開される。この間にコース上は雲が切れて陽が差し始め、第1セクターの路面温度は10度を超えてきたが、各車はみたびタイヤの熱入れから始めないとならない。
残り8分、酒井が1分24秒696を出してトップに立つ。ハンマー伊澤2番手、3番手に金井亮忠(チームNATS正義001)が28秒059、4番手宇高希(TAKE FIRST F108)29秒289、5番手には昨年末から新型マシン「SYNERGY RD04W」を投入し、この1年熟成させてきたKAMIKAZE(FIRSTGARAGE&04W)が31秒022でジェントルマンクラスのトップ。6番手に三浦勝(NUTEC ルノー)が32秒031でクラス2位。
残り6分、酒井が第1、第3セクターと全体ベストを刻んでトップタイムを1分23秒454まで短縮するが、第2セクターと第4セクターで全体ベストを出したハンマー伊澤が22秒859と順位をひっくり返す。この2名のタイムが突出しており3位金井は5秒近い差がある。金井の後方4番手にはKAMIKAZEが浮上、宇高5番手。
残り4分50秒、ハンマー伊澤はトップタイムを1分22秒244まで短縮、酒井も23秒205まで自己ベストを縮めているが0.961秒の差がある。金井3番手は変わらないが、23秒991とトップ2台との差を詰めてきている。4位は再び宇高が浮上。残り4分、今度は酒井が1分22秒168をマークして0.078秒の差で再度トップに出る、しかしその直後にコントロールラインを通過したハンマー伊澤のタイムは21秒635で、2022年に金井がマークしたコースレコードを上回るタイムでトップに返り咲く。前レコードホルダーの金井は1分23秒を切り22秒939を出して残り時間は3分を切った。トップがハンマー伊澤、2番手酒井、3番手金井に続き、4番手宇高24秒431、5番手KAMIKAZE26秒475、6番手三浦26秒854というトップ6だ。
残り2分30秒、酒井も1分21秒台に入れて21秒856。こちらも従来のレコードを上回っている。続いてハンマー伊澤が21秒407とベストタイムを更新、低い気温にも助けられ、伊澤と酒井のコースレコード合戦の様相を呈してきた。後方ではKAMIKAZE対三浦のジェントルマンクラスのトップ争いが展開し、三浦が26秒119とKAMIKAZEを上回り総合5位のクラストップ。ジェントルマンクラスの3番手は総合7位の植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)で、こちらも0.038秒の差でKAMIKAZEに詰め寄っている。
残り1分、酒井はさらに自己ベストを縮め1分21秒510をマーク、ハンマー伊澤とは0.103秒の差とするが、その直後に伊澤が叩き出したタイムは21秒272。従来のコースレコードを0.67秒も短縮する驚速でポールポジション争いに決着をつけた。2番手酒井は0.238秒の差。金井も最後まで自己ベストを削り続け、22秒001で酒井と0.491秒差の3番手、そして宇高が23秒329でセカンドロウを確保した。
ジェントルマンクラスの争いは最後のタイムアタックで決着。KAMIKAZEが24秒933で総合5番手に返り咲き、三浦が25秒398でクラス2位。植田が25秒664でクラス3位となった。
Formula Beat第14戦決勝は本日12時45開始予定。チャンピオンを争う酒井とハンマー伊澤の一騎打ちが見られるか注目だ。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE