筑波・富士S-FJ選手権

第3戦筑波予選 3連勝に向けて小村明生が大差のポールポジション獲得

ポールポジションは小村明生(ファーストガレージAKASO TKR)

 2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第3戦公式予選が5月28日(日)に筑波サーキットで開催され、開幕2連勝の小村明生(ファーストガレージAKASO TKR)が2番手の武者利仁(ZAP RA corsa ED)に0.264秒の差をつけて3戦連続でポールポジションを獲得した。

 第2戦から僅か3週間のインターバルで開催される本大会は、今年の「Super FJジャパンリーグ」第3大会にも指定されているが、例年と違って他のシリーズ戦からの遠征がなく、筑波/富士シリーズ戦を戦う選手12名がエントリーした。

 注目は何と言っても6年ぶりにレースに参戦してここまで筑波で2戦2勝の小村で、2016年筑波シリーズ王者である彼を誰が止めるのかが焦点だ。さらにフォーミュラマシンでは初のレースの木下祐希(ELEVレーシング制動屋HRF)、今年はFormula-Beatを主戦場としている岩本瞬(ファーストガレージ&ISP)が出場する。岩本の今回の参戦はファーストガレージで3台体制を取るために新たに導入したRD10Vのポテンシャルの見極めが目的とのことで、初めてのRV10Vは向きが変えやすく乗りやすいと前日の練習走行で語っていた。

 午前9時40分、小村を先頭に12台全車がスリックタイヤでコースイン、20分間の予選が開始される。朝から好天に恵まれた筑波サーキットは気温24.8度、路面温度36度と絶好のドライコンディション。

 まずは残り17分、計測2周目にここまで2戦連続表彰台でシリーズ2位、ストップ・ザ・小村の急先鋒である武者が58秒875のトップタイムを出すが、次の周回で小村がすかさず58秒839をマーク、トップに立つ。3番手は角間光起(ELIVレーシング10VED)の58秒887。角間は前戦がレースデビューで予選決勝ともに6位となっているが、2レース目とあって前回より落ち着いた雰囲気をまとっている。4番手はこちらもルーキーの小田部憲幸(いえらいふZAP 10VED)が58秒987で続く。小田部は雨の第1戦でいきなり3位をゲット、しかしドライの第2戦では9位と浮き沈みの大きなデビューシーズンを送っていて、第3戦では浮上を誓っている。

 残り16分、小村は58秒512とトップタイムを短縮、武者に続く3番手には安田航(ファーストガレージ&Sウインズ)が進出するもすぐに角間が58秒636を出して2番手へ浮上。さらに中澤凌(ZAP FOCS 10VED)が58秒737で3番手へつける。

 このタイミングでトップの小村はベストタイムを58秒300まで更新、2番手以下に早くも0.3秒以上の差をつける。ここで角間はいったんピットイン。各選手今回はタイヤの内圧の設定が難しいとの声があったので、早くも調整に入ったようで、すぐにピットアウト。

 残り12分、小村のトップは変わらず2番手に小田部が58秒630でポジションアップ、小田部はさらに58秒622までタイムを短縮するがそれでも0.322秒と筑波としては大差がある。3番手角間、以下中澤~武者~安田と続くがそこに前戦2位の内藤大輝(RaiseUP RCIT ED)が割って入り6番手、安田は7番手にダウン。今シーズンからマシンを東京R&DのRD10Vにチェンジした安田は開幕戦、第2戦と連続で4位。まだ彼本来のスピードが発揮できてないもどかしさを感じさせている。

 今回3台が出場のマスターズクラスでは秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)が全体8番手でクラストップだ。クラス2番手は本間隆史(MATレーシングPJ10V)が全体11番手で続く。

 残り10分。この頃から内圧調整やタイヤのクールダウンにピットインするクルマが目立ちはじめ、トップ小村をはじめ、4番手武者、5番手中澤、6番手内藤、7番手安田がピット前に並んでいる。走り続けているマシンもタイヤのおいしいところを使い切ったのか自己ベストを更新する選手が少なくなる。トップの小村も5周目に出した58秒300から更新がない状況だ。そんな中で、ピットアウトした武者は残り6分時点で58秒650とタイムを更新するがポジションは4番手で変わらず。安田も58秒758を出すが順位は7番手で変わらず。

予選2位は武者利仁(ZAP RA corsa ED)

予選3位は中澤凌(ZAP FOCS 10V ED)

予選4位は小田部憲幸(いえらいふZAP 10V ED)

予選5位は角間光起(ELEVレーシング10V ED)

予選6位は内藤大輝(RaiseUP RCIT ED)

 膠着状態を打破したのは武者で、残り1分で58秒589を叩き出して2番手へ進出。さらにチェッカードフラッグが振られる中で58秒564までタイムを削り取るが、小村を上回ることはできず0.264秒の差で予選2番手、フロントロウに並んだ。セカンドロウはZAP SPEED勢の争いになり、3番手にはこちらも最後までアタックを続けた中澤が58秒617をマークしてチームメイトの小田部を0.005秒差で4番手へ追いやった。一時2番手につけていた角間はその後タイムが伸びず5番手、内藤と3列目に並んだ。

マスタークラスポールポジションは秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)

 安田7番手で隣の8番手にマスターズクラストップの秋山がつけ、木下は59秒147と前日の公約通り0.3秒以上のタイムアップを果たして9番手。それに続いてスポット参戦の岩本が10番手となった。秋山に続くマスターズクラス2番手は全体11位の塚本成人(NRSエンドレスKK-S)。塚本は2年ぶりの筑波S-FJ参戦で、マスターズクラス常連の本間隆史(MATレーシングPJ10V)を0.187秒上回った。

 トップ小村は突出して速かったが2位以下は筑波らしく接戦で、7番手の安田でもトップと0.444秒差、2位武者からだと0.178秒の差しかない。

 決勝は午後2時55分コースイン予定。これまでの2戦小村はスタートを決めるとそのままトップを譲らない完勝を見せている。小村を仕留めるにはまずスタートダッシュが決め手になるのは想像に難くない。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA


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