筑波・富士S-FJ選手権

S-FJ:筑波第1戦決勝 4番グリッドスタートの内藤がスタートを決め逆転初優勝

雨のためセーフティーカースタートとなった セーフティーカーが退きスタートが切られた 安田航と内藤大輝のトップ争い 野島遼葵と関根陽幹の争い 優勝は内藤大輝(RCIT RaiseUP ED) 決勝2位は安田航(Fガレージ&SウインズSII) 決勝3位は野島遼葵(Deep-R・10V ED) 決勝4位は武者利仁(ZAP SPEED 10V ED) 決勝5位は関根陽幹(オートルック☆10V) 決勝6位は板野貴毅(ZAPムトウ・サービス10V) 決勝7位は本田千啓(オートルック☆モダン☆10V)、後ろの秋山健也とは同着で写真判定となった マスタークラス優勝は秋山健也(スーパーウインズKKS・ED)

 2021年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第1戦決勝は3月28日(日)に筑波サーキットで開催された。

 朝の予選は曇天の下で行われたが、11時頃から雨が降り出し、全車レインタイヤに履き替えチームによってはセッティングの変更を施す。そのレインタイヤもニュータイヤを投入する者、スクラブだけ済ませてある者、溝が少なめのユーズドを選ぶ者など選択が分かれた。

 そんな中、今回が初レースの91号車・澤井良太朗(ELEVレーシングドリームED)のピットではマシンのリヤセクションを修理する光景が見られた。ドライブシャフトを支えるパーツの破損という事で急遽交換作業が行われたが時間内に終了。ただし澤井自身は練習走行で雨の経験が全く無いそうで、酷なデビュー戦となってしまい、チームの前田代表も「今回はとにかく安全運転で完走すること」を厳命する。

 予定よりやや遅れて12時50分に全車コースイン。雨がやまない為にセーフティカー(SC)先導でフォーメーションラップを始めてそのままスタート。SCは3周目の終わりにコースを外れ、4周目からが本格的にレース開始となった。

 この開始のタイミングをチャンスに変えたのが4番手スタートだった22号車・内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)。コントロールラインを通過するとすぐに3番手スタートの13号車・武者利仁(ZAP SPEED 10V ED)を追い詰めて第1コーナーで前に出て、第2ヘアピンで7号車・本田千啓(オートルック☆モダン☆10V)を攻略して2位に進出。一方で雨の初レースを迎えた澤井がS字の入り口でスピンするとアウト側のスポンジバリアに接触。後続はかろうじてこれを回避したがこれにより9位以下のグループは大きく遅れてしまう。澤井は最後尾から再スタート。

 内藤の勢いは止まらず続く5周目の第2ヘアピンでポールポジションからスタートの52号車・安田航(Fガレージ&SウインズSII)も仕留めてついにトップに躍り出るとギャップを拡げだす。一方3位に落ちた本田はレインセッティングが合わなかった模様で次第に後退。武者、66号車・野島遼葵(Deep-R・10V ED)7周目に1号車・関根陽幹(オートルック☆10V)と次々にオーバテイクを許す。

 7周目を終えて内藤は安田に2.2秒の差。3位武者は更に1.3秒と各車ギャップが拡がり以下野島~関根~本田もそれぞれ1秒前後の差があり順位はいったん安定する。

 この頃から雨はやや小降りになり路面の水もはけだして、ラップタイムが1分5秒台に入り始めるが、ここでも内藤のペースは良く、2位安田との差を3秒程度に保持し続ける。

 マスターズクラスは総合8位の3号車・秋山健也(スーパーウインズKKS・ED)がクラス2位を20秒以上引き離す独走状態。

 レースの膠着状態を終盤に打破したのは4位を走行していた野島で、11周目にそこまでの最速ラップを出すと3位武者に迫り、15周目についに追い落として3位に進出。3秒近くあった2位安田との差を削りにかかるが時すでに遅く、ファイナルラップに1分4秒819とファステストラップをマークしたがそのまま3位フィニッシュ。内藤は4周目から独走で2年めの嬉しい初優勝を飾った。2位は安田。デビューレースで好走を見せた武者だが惜しくも表彰台に届かず4位となった。

 マスターズクラスはぶっちぎりの差をつけた秋山がファイナルラップに7位本田を追い詰めて並走状態でフォニッシュラインを通過、千分の一秒まで同タイムだったが判定で本田が7位を守った。

表彰式 マスタークラスの表彰式

■決勝後のコメント

優勝 22号車・内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)
優勝した内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)  「スタートがうまくいって前のクルマを追い越すことができ、その後2ヘアでトップに立ち、その後は順調にラップを重ねられた。優勝はおろか表彰台も初めてで嬉しい」
2位 52号車・安田航(Fガレージ&SウインズSII)
決勝2位の安田航(Fガレージ&SウインズSII)  「序盤のペースが悪くて、後半はついて行けたが序盤の自分のタイヤの温め方が悪くて追い上げられなかったのが敗因だ。次戦以降勝てるように頑張る」
3位 66号車・野島遼葵(Deep-R・10V・ED)
決勝3位の野島遼葵(Deep-R・10V ED)  「(第1ヘアピンでの本田選手との攻防について)イン側を突いてすこし擦ったかもしれないが、自分のラインは守った。その後はマシンも問題なかった。(難しいコンディションだった?)序盤に大事に行き過ぎた」
マスターズクラス優勝(総合7位) 3号車秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)
マスタークラス優勝の秋山健也(スーパーウインズKKS・ED)  「(クラスでは圧勝だが?)総合での上位争いを目指しているので悔しい結果だ」
7位 7号車・本田千啓(オートルック☆モダン☆10V)
 「(3周目以降に順位を落とした要因は?)筑波の雨での走行が1年ぶりぐらいで感覚が戻らなかった。ブレーキバランスとかも走りながら調整していた状態でよいポイントが見つからなかった。雨の日を狙ってでも練習しないとダメだ。先週走行日に雨があったが、そこで練習していた人が今回速かった」

■初レースを終えた二人に聞く

4位 13号車・武者利仁(ZAP SPEED 10V ED)
レースを終えた武者利仁(ZAP SPEED 10V ED)  「(レースペースが上がらなかった様に見えたが?)自分のメンタルが弱くて守りに入っていた。監督からもブレーキが全く踏めていなかったと指摘され、自分でもそうだと思った。走りながら自分で優位なところ不利なところも見えなくなってしまった。予選でトップタイムを出せていたのに、何故レースでは力が出なかったのか、悔しい。今後のレースは未定だがこの結果のままで終わりたくない気持ちが強く、チャンスを掴みたい」
14位 91号車・澤井良太朗(ELEVレーシングドリームED)
レースを終えた澤井良太朗(ELEVレーシングドリームED)  「レースの洗礼を受けたという感じだ。レインの経験も無ければローリングスタートも初めてで戸惑ったが、いい勉強にはなった。今回経験したことを次戦以降に活かせればいいなと思う」

 2021年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第2戦は5月5日(水)に開催される。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE


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