スーパー耐久

S耐:第1戦鈴鹿決勝 ST-Xクラスの星野敏/ダレン・ターナー/近藤翼組が初戦を制す

 ピレリスーパー耐久シリーズ第1戦「鈴鹿"S耐"春の陣」の決勝が24日、鈴鹿サーキットで行われST-Xクラスの星野敏/ダレン・ターナー/近藤翼組(D'station Vantage GT3)が5時間を走りきり総合優勝を飾った。

グループ1のスタートシーン

グループ2のスタートシーン

ピットインする星野敏/ダレン・ターナー/近藤翼組(D'station Vantage GT3)

ピットインする内田優大/山内英輝/高橋翼組(ENDLESS AMG GT4)

ピットインする嵯峨宏紀/山下健太/小河諒組(DENSO Le Beausset RC350)

ST-Xクラス優勝は星野敏/ダレン・ターナー/近藤翼組(D'station Vantage GT3)

ST-Xクラス優勝の星野敏/ダレン・ターナー/近藤翼組(D'station Vantage GT3)

ST-Zクラス優勝は内田優大/山内英輝/高橋翼組(ENDLESS AMG GT4)

ST-TCRクラス優勝は岡島秀章/加藤正将/下山征人/今村大輔組(Phenomen Mars Audi RS3 LMS)

ST-TCRクラス優勝の岡島秀章/加藤正将/下山征人/今村大輔組(Phenomen Mars Audi RS3 LMS)

ST-1クラス優勝は星野辰也/織戸学/濱賢⼆組(D'station Porsche)

ST-2クラス優勝は大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組(DAMD MOTUL ED WRX STI)

ST-3クラス優勝は嵯峨宏紀/山下健太/小河諒組(DENSO Le Beausset RC350)

ST-4クラス優勝は平中克幸/国本雄資/HIRO HAYASHI組(林テレンプSHADE RACING 86)

ST-5クラス優勝は井尻薫/森かずんど/関豊組(DXLワコーズNOPROデミオSKY-D)

 5時間レースの決勝は午後12時30分にローリングラップが始まった。朝方から冷え込み、風も強く、流れる雲に太陽が見え隠れする中、1周を回ってスタートが切られた。

 予選順にST-Xクラスの浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組(GTNET GT3 GT-R)の藤波、星野敏/ダレン・ターナー/近藤翼組(D'station Vantage GT3)の近藤、山口大陸/ハリソン・ニューウェイ/ニコラス・コスタ/高木真一組(TAIROKU RACING Ferrari 488 GT3)のコスタ、佐藤敦/元嶋佑弥/山下亮生組(SATO-SS SPORTS AMG GT3)の元嶋、JOESHINDO/柴田優作/影山正美/富田竜一郎組(MP Racing GT-R)の富田、TSE Ka Hing/道見ショーン真也/TANG Philip組(X WORKS R8)の道見、田中徹/田中哲也/佐藤公哉組(LEXUS RC-F GT3)の田中徹のオーダーでレースは始まった。

 トップ藤波は2位近藤を引き離しながら、早くも独走態勢を築く。3位コスタと4位元嶋は接近戦だが、パスするには至らず序盤のレースは進行した。

 トップが29周目を走行中にヘアピン手前でストップした車両がありFCY(フルコースイエロー)が導入されると、これを見てトップグループはピットインしてドライバーを交代。藤波は浜野に、近藤は星野敏に、コスタはニューウェイに、元嶋は佐藤に交代するも、佐藤はアウトラップのシケインでスピンして再びFCYが導入される。

 FCY開けからは、トップのままピットアウトした浜野と2位の星野敏のジェントルマンドライバー同士のバトルが勃発。浜野と星野敏は一進一退の攻防を繰り広げるが、その後ろからは一時は8秒ほどあった差をニューウェイが猛追して一気にトップ2人に接近してきた。

 ニューウェイは45周目の1コーナで浜野を、48周目の1コーナーで星野敏をパスしてトップに躍り出た。

 トップ、ニューウェイが53周目を走行中には2位の浜野と豊田大輔/飯田章/小倉康宏/MORIZO組(ROOKIE RACING 86)の小倉がスプーン立ち上がりで接触。小倉は激しくクラッシュし、浜野は右リアタイヤがバーストしてピットインしたため大きく後退。このアクシデントでSC(セーフティーカー)が導入されることとなった。

 SC中に、ニューウェイは山口に、星野敏は再び近藤に後退。この間、トップには田中徹から代わった田中哲也が立つ。2位には山口が、3位には近藤が、その後ろには富田から代わった影山が続く。

 しかし、2位の山口のペースが上がらない。63周目のS字区間では山口は影山、近藤に立て続けにパスされ4位に落ちると、64周目のヘアピンでは近藤は影山をもパスして2位に浮上。影山は3位に落ちた。

 67周を回って田中哲也がピットインして佐藤に交代すると、トップには近藤が浮上。2位に影山、3位に山口が繰り上がった。

 トップは近藤のままだが、影山が柴田に交代すると山口は2位に。3位には佐藤が上がってきたが、77周目に山口がスプーンで他車と接触してクラッシュし、リタイア。2位に佐藤が浮上し、またもやFCYが導入されることとなった。

 これを見て、79周終わりでトップ近藤はターナーに交代。トップのまま戦列に復帰した。FCY後にはターナーは2位佐藤を1分27秒と大きくリードとすることとなった。

 ターナーは110周を回ってピットインして給油。ドライバーを交代せずにトップのままコースに復帰した。

 ターナーはこのまま余裕のゴール。2位を大きく離してD'station Vantage GT3に優勝をプレゼントした。2位にはLEXUS RC-F GT3が、3位にはMP Racing GT-Rが入った。

 ST-Zクラスは、予選2位の内田優大/山内英輝/高橋翼組(ENDLESS AMG GT4)が序盤からレースをリードして、そのまま優勝。ポールポジションの飯田太陽/加藤寛規/高橋一穂組(ケーズフロンティア SYNTIUM KTM)はトラブルでのピットインなどペースが上がらず2位でレースを終えた。3位には奥村浩一/水谷晃/林久盛/山脇大輔組(BRP Mersedes AMG GT4)が入った。

 ST-TCRクラスは、植松忠雄/中野信治/遠藤光博/大津弘樹組(Modulo CIVIC)が序盤レースをリードしていたが、FCY、SCのタイミングを効率よく利用した、岡島秀章/加藤正将/下山征人/今村大輔組(Phenomen Mars Audi RS3 LMS)がトップに浮上。最終ドライバーの加藤が長時間ドライブし、最後は燃費を気にしながらペースを落として優勝した。

 2位には終盤、ヒロボン/松本武士/篠原拓朗組(BRP Audi Mie RS3 LMS)の松本が付けていたが、最終ドライバーの大津が猛追。残り20分あたりでダンロップコーナーで松本のインにねじ込んだ大津がパスした。しかし、大津は1コーナーで松本と接触していたため、ペナルティーで後退。結局、3位でゴールしたBRP Audi Mie RS3 LMSが2位に、3位にはポール・イップ/ジム・カー・トゥ/マシュー・ホーソン組(KCMG Annika CIVIC TCR)が繰り上がった。Modulo CIVICは4位でレースを終えることとなった。

 ST-1クラスは、序盤から星野辰也/織戸学/濱賢二組(D'station Porsche)がトップを快走。ペナルティー、トラブルなどでタイムロスしたXU Ling Xiao/Zhang Zhi Oiang/廣田築/Ye Hong Li組(Z-REX ADVICS R8 TRACY)を尻目に優勝を飾った。Z-REX ADVICS R8 TRACYは2位でレースを終えた。

 ST-2クラスは、大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組(DAMD MOTUL ED WRX STI)が序盤からレースをリード。ライバルがトラブルで交代する中、優勝を飾り、7連覇に向けて好スタートを切った。2位には大きく遅れて冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組(新菱オート☆DIXCELエボⅩ)が、3位には野上達也/谷川達也/大谷飛雄/野上敏彦組(DXLアラゴスタNOPROアクセラSKY-D)が入った。

 ST-3クラスは、序盤からポールシッターの嵯峨宏紀/山下健太/小河諒組(DENSO Le Beausset RC350)がレースをリード。しかしピットインで2度手間取り、一時は2位に落ちるが先行車を抜き去りトップを奪い返すとそのまま優勝した。2位には堀田誠/阪口良平/堤優威組(ADVICS muta racing RC 350 TWS)が、3位には服部尚貴/脇阪薫一/吉田広樹組(埼玉トヨペットGreen Brave GR SPORTマークX)が入った。

 ST-4クラスは、予選2位の平中克幸/国本雄資/HIRO HAYASHI組(林テレンプSHADE RACING 86)がスタートでトップに立つと、ポールシッターでライバルの坪井翔/中山雄一/松井孝允組(TOM'S SPIRIT 86)が、駆動系のトラブルで後退。最終的には2位以下を2ラップ遅れにして余裕の優勝を飾った。2位には大塚隆一郎/吉田靖之/仙波王仁/赤星陽太郎組(アルカディア号☆WSエンジニアリング☆PRINCE)、3位には久保凜太郎/細川慎弥/山口礼組(GR Garage水戸インターGR86)が入った。

 ST-5クラスはポールシッターの橋本陸/武地孝幸/筒井克彦組(odula Idia ROADSTER)のペースが上がらず後退。ディーゼルエンジンで燃費のいい井尻薫/森かずんど/関豊組(DXLワコーズNOPROデミオSKY-D)が他チームより1度少ない3度のピットストップ作戦で終盤トップに浮上すると、そのまま優勝した。2位には蘭牟田政治/植田正幸/久保田英夫組(J'S RACING☆FIT)、3位は梅本淳一/窪田俊浩/梅田真祐組(J'S RACING☆FIT)とJ'Sレーシングコンビが入った。

 第2戦は、4月27日、28日、スポーツランドSUGOで2グループに分けて3時間レースとして行われる。

ST-Xクラスの表彰式 ST-Zクラスの表彰式 ST-TCRクラスの表彰式 ST-1クラスの表彰式 ST-2クラスの表彰式 ST-3クラスの表彰式 ST-4クラスの表彰式 ST-5クラスの表彰式

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Keiichiro TAKESHITA
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