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SF:第1戦鈴鹿決勝 大荒れのレースを制したのは予選12位の#37キャシディ!PP牧野はトラブルに泣く

2019全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦「NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース」の決勝が4月21日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。レースは4度のセーフティーカーランが入る大荒れの展開となったが、予選12位からスタートした#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が着実に順位を上げてトップに浮上、見事今季初勝利をものにした。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日23,000人/決勝日35,000人)

43周の決勝がスタートした

序盤ナカジマレーシングの牧野任祐とアレックス・パロウが1-2体制を築く

レースは4度もセーフティーカーが入る荒れた展開となった

ファイナルラップ前にピット作業を行う小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)

優勝はニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)

決勝2位は山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)

決勝3位は山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)

優勝したニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)

表彰式で歓喜のニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)

表彰式

第1戦決勝は午後2時より43周で行われた。ポールポジションの#65牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)と予選2位の#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)はソフトタイヤ、2列目の#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)と#5福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)はミディアムタイヤ、とチームごとに戦略の分かれる予想の難しい序盤となった。

ホールショットを奪ったのはポールの牧野。山本が2位にポジションを上げて1コーナーに飛び込む。予選2位のパロウは#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)の追撃を退けてなんとか3位を死守すると、2周目の1コーナーでオーバーテイクシステムを使いながら大外から山本をパス、2位を奪い返した。ミディアムタイヤの山本は序盤ペースが上がらず、3周目の130Rでは関口、4周目の1コーナーでは#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)の先行をも許してしまい、5位に後退してしまった。

ところが5周目。2位を走行していたパロウにスタート手順違反(全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則第31条4-4))によるドライビングスルーペナルティの裁定が下る。これによりパロウは8周終わりにピットに向かい、大きく順位を落とすことになった。

するとその直後、130Rで平川がホイールトラブルによりコース脇にストップ。さらに#17トリスタン・シャルパンティエ(REAL SF19)もその手前でクラッシュしたため、この日最初のセーフティーカーが導入される。これを見てトップの牧野を始め多くのドライバーがピットイン。給油とタイヤ交換を行なってコースに戻っていった。しかし#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)、#4国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19)そしてペナルティを消化したばかりのパロウはコースにとどまることを選択。また既に6周目にミディアムからソフトにタイヤ交換を済ませていたキャシディもこの恩恵に預かって5位にジャンプアップすることに成功した。

レースは12周目に追い越し可能となった。ステイアウトでトップに繰り上がった小林が後続を大きく引き離して1コーナーに飛び込むと、その後方ではソフトタイヤのキャシディがミディアムタイヤに替えたばかりの牧野と、ミディアムでコースにとどまっていた国本を立て続けにパス、一気に3位に浮上した。牧野は山本にもポジションを奪われて6位に後退、13周目に国本をパスしたものの、ソフトタイヤの上位陣にはついていくのが精一杯の状況となる。

すると15周目。今度はデグナーで#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)と中嶋をインから抜こうとした#51ハリソン・ニューウェイ(GOLDEX TAIROKU RACING SF19)が接触。揃ってグラベルの餌食となったため2度目のSCが入ることに。ここでも小林は動かず、トップのまま隊列を率いる。レースは17周目から追い越し可能となったが、1コーナーで小林に並びかけたパロウがS字コーナーでスローダウン。ホイールトラブルによりダンロップコーナー先でストップしたため3度目のSCが入ることになった。これにより順位は#18小林、#37キャシディ、1山本、65牧野の順に。

SCは21周終わりでピットイン、22周目から追い越し可能となったが、ここで#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)が#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)を抜いて5位に浮上、さらに27周目の1コーナーでは牧野にも挑み掛かるが、牧野は一歩も引かずに4位をキープ。しかし28周目のスプーンで牧野もホイールトラブルからコース脇に飛び出し、リタイヤを余儀なくされる。放心したように宙を見上げる牧野。彼のレースデビューはほろ苦い結末を迎えた。またこれによりこの日4回目のSCが入ることになった。しかしここでも小林はステイアウトを選択。一方国本はここで漸くタイヤ交換を行なった。

レースは32周目に再開となった。コースに留まり続けた小林はキャシディとの差を広げていき、40周終了時点で9秒差としたが、それでもピットストップでのタイムロスをカバーするには遠く及ばず、42周目に行なったピットストップで10位に後退せざるを得なかった。度重なるSCがKCMGの戦略を打ち砕いた格好だ。これでトップに繰り上がったキャシディがそのままチェッカーを受けて今季初勝利。2位には山本がつけ、牧野のリタイヤで順位を上げた山下が3位でフィニッシュ。終わってみれば昨年の最終戦で表彰台に上がった3人がチームと順位こそ違え、再び揃って表彰台に上がるという結果となった。

なおルーキー最上位は予選でクラッシュして18番手スタートとなった#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)。大荒れのレース展開の中で着実に順位を上げ、5位入賞を果たしている。

次戦の舞台は九州のオートポリス。5月19日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum


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