SUPER GT

SGT:第4戦SUGO決勝 近藤監督のギャンブルが大成功!!#24フォーラムエンジニアリングGT-Rが今季初勝利。GT300は#31プリウスが優勝

7月24日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われたオートバックス スーパーGT第4戦「SUGO GT300kmレース」の決勝は、予選9番手からスタートした#24フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組)がタイヤ無交換という大胆な作戦を的中させて今季初勝利をものにした。
GT300クラスは予選2番手からスタートした#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が終盤トップに立ち、こちらも今季初勝利を挙げている。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:予選8,200人/決勝29,500人/大会総入場者数37,700人)

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午後2時に宮城県警の白バイ5台、パトカー1台の先導でスタートした第4戦決勝はスタート前から荒れに荒れた。
まずウォームアップ走行を終えてダミーグリッドに向かう際に#12カルソニックGT-Rが最終コーナー先の上り坂でストップ。原因はプロペラシャフトの破損で、12号車はそのままメカニックの手でピットガレージに押し戻されてシャフト交換のためピットスタートとなった。
スタート進行の時点では霧雨が降っていたものの路面はほぼドライ。全車スリックタイヤでのスタートとなった。

序盤トップに立ったのはポールシッターの#6ワコーズRC F(アンドレア・カルダレッリ)だったが、6号車は6周めの1コーナーで周回遅れの#22アールキューズSLS(和田久)と痛恨の接触。スピンアウトして一気に13位に後退してしまった。
これでトップに立ったのは#17ケーヒンNSX(小暮卓史)。しかし17号車も16周めの馬の背でインをついてきた#38ZENT RC F(石浦宏明)と接触してスピンアウト、12位に落ちてしまった。
これで38号車がトップに浮上する。

しかしその後方から凄まじい勢いで順位を上げてきていたのが予選8番手からスタートした#39デンソーサードRC F(ヘイッキ・コバライネン)と、14番手からスタートした#19ウェッズスポーツRC F(関口雄飛)だった。

#39コバライネンは12周めのレインボーコーナーで#100レイブリックNSX(山本尚貴)のインをついて4位に浮上すると、#17小暮のスピンアウトに乗じで3位に浮上、20周めの馬の背では#37KeePer RC F(ジェームス・ロシター)をアウトからかわして2位に、そして22周めの最終コーナーで#38石浦のインに並びかけホームストレート上で遂にトップに立った。

一方#19関口も19周めのレインボーコーナーで#64エプソンNSX(ベルトラン・バゲット)のインをこじ開けて5位に浮上すると、その後も#15ドラゴモデューロNSX(オリバー・ターベイ)、#37ロシターらを次々に攻め落とし、25周めのハイポイントコーナーで#38石浦のインをついて2位に浮上。最終コーナーで#5マッハ車検MC86(山下潤一郎)がクラッシュしたことにより26周めにセーフティーカーが導入されてトップとの差が一気に詰まると、31周めのリスタートから果敢にコバライネンを攻め立てる。
35周めの1コーナー、40周めの馬の背と積極的にコバライネンに挑みかかる関口だったが、ついにトップに浮上することは叶わず、44周めにピットイン。後半を国本雄資に託すことになった。

トップの39号車は47周まで引っ張ってようやくピットへ。平手晃平に交代してコースに戻ったが、その平手を猛スピードで抜き去って行ったのが#24フォーラムエンジニアリングGT-R(佐々木大樹)だった。
24号車30周終わりでピットオープンになるや否やピットに飛び込んでドライバーチェンジを行ったが、ここでタイヤ無交換という大胆な作戦を採り、一気に順位を上げてきていたのだ。

これで一時は3秒近い差を#24佐々木につけられた#39平手だったが、装着したニュータイヤに熱が入ってからは次第に#24佐々木との差を詰めていき、51周を終えた頃には僅か0.756秒差にまで迫った。
しかしウェイトハンデ38kgの39号車に対し24号車は4kgという車重の差もあり、1コーナーのブレーキングで交わすのは難しい状況。なおかつ予想以上に後半の気温と路面温度が上昇したことでタイヤの特性ともマッチせず、次第に苦しい走りを強いられるようになる。

さらに佐々木と平手がトップ争いを展開しているうちに後方から#38ZENT RC F(立川祐路)、#6ワコーズRC F(大嶋和也)らが迫ってきて、レース終盤には24-39、39-38、38-6がそれぞれコンマ数秒差という団子状態になってきた。
そして74周めのホームストレートでトップ2台が周回遅れに詰まったところを#39立川は見逃さず、一気に大外から勝負に出て#39平手の前に出た。

ところがこの直後、最終コーナーで#25アップガレージバンドー86(山田真之亮)がコースアウトし、激しくバリアに突っ込んだため、レースは赤旗中断となり、そのまま終了とされた。
このため、規定により最終順位は74周終了時点で確定、立川の果敢なオーバーテイクは幻のものとなり、消耗するタイヤをなだめながら最後までトップを守り抜いた#24フォーラムエンジニアリングGT-Rが今期初勝利を手にすることになり、#39デンソーサードRC Fが2位を獲得した。

GT300クラスは、序盤、PPスタートの#25VivaC 86 MC(土屋)、好スタートを決め1コーナーで2位に浮上した#61SUBARU BRZ R&D SPORT(山内)、以下#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨)、#11GAINER TANAX AMG GT3(ビルドハイム)と続いた。  

この4台はレース終盤まで脱落することなく、安定したペースで走行を続けるが、この争いに食い込んだのが、#18UPGARAGE BANDOH 86(山田)と#88マネパランボルギーニGT3(織戸)の2台。  

#18ハチロクは、22周目の#5マッハ車検MC86(山下)のコースアウトによるセーフティカー(SC)ランを境に始まったピットインで、早めの作業を敢行。狙いどおりトップに浮上するも、その後はズルズルと順位を落とし、最後はレース終了の原因となる派手なクラッシュを演じてしまった。  

#88ランボルギーニは、ピットインを遅らせ作業時間をギリギリまで短縮。トップの座を奪うことに成功するが、終盤徐々にペースが落ち始め、迫ってきた#31プリウス、#25ハチロク、#61BRZなどに次々と抜かれ順位を落としてしまった。 

終盤は、白熱するGT500クラスのトップ争いとGT300の上位陣が交錯して、#31プリウスが抜け出す形となったが、終わってみれば予選トップ3が安定した力を見せて表彰台に上る結果となった。

スーパーGT真夏の三連戦、次戦の舞台は富士スピードウェイ。
8月7日決勝だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI


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