F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第9,10戦SUGO 里見乃亜、初レースのSUGOで得られた大きな自信と第10戦の悔しさは、必ず後半戦の糧になる! (Le Beausset)

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 ル・ボーセモータースポーツが今年から新たに挑む、FIA-F4選手権の第5大会がスポーツランドSUGO(宮城県)で、9月19日(土)〜20日(日)に開催された。このアップダウンに富んだテクニカルコースに、里見乃亜が挑むのは今回が初めて。チームの豊富な経験でフォローする一方で、前回の鈴鹿同様に適応力が試されることとなる。コース幅が狭いため、オーバーテイクポイントが少なく、アクシデントも起こりやすいのが特徴でもあるため、予選でいかに上位につけるか、いかにトラブルに巻き込まれないかも重視された。

予選 9月19日(土)天候/晴れ コース状況/ドライ

 このレースウィークの走り出しは木曜日で、初めてレースするサーキットとあって、ドライコンディションでマイレージを稼ぎたかったところだが、午後の専有走行はあいにくの雨模様。その前に設けられたスポーツ走行だけがドライだったが、むしろ金曜日の専有走行1回目まで濡れたままであったのが恵みの雨となって、ドライビングやセッティングに対し気づいたことがあったようだ。2回目になって路面の一部はまだ川のようになって濡れていたものの、それ以外は完全に乾いており、いよいよドライタイヤを装着しての走行に。本戦に向けて最終チェックが行われた。

 そして迎えた土曜日の予選は、完全なドライコンディションに。すぐアタックを開始して、着実にタイムを詰めていたのだが、3周目に差し掛かったところで赤旗が。それでも集中力を切らさず、再開後も周を重ねるごとにタイムを縮め、ついに1分24秒933へと到達。その後、2周のクールダウンを挟み、再度アタックをかけたのだが……。タイヤのピークを迎える間に内圧が上がり過ぎてしまい、セカンドベストタイムとして1分25秒011を出すのがやっと。最後の1周にすべてをかけようとピットに入って内圧調整を行おうとした直後に、再び赤旗が。計測は2分を残していたものの、あえなく終了とされてしまう。

 その結果、第9戦には18番手グリッドから、そして第10戦には17番手グリッドから決勝レースに挑むこととなった。

第9戦決勝 9月19日(土)天候/曇り コース状況/ドライ

 好スタートを切った第9戦決勝レースではあったが、1コーナーへのイン側からのアプローチが裏目に。行き場をなくして、アウトから2台にかわされてしまったからだ。それでも前を行く車両にはぴたりと食らいついて周回を重ね、逆転の機会を待つこととなった。その一方で、後方からのプレッシャーも厳しかったものの、これは耐え続ける中、ついにチャンスは訪れた。4周目のヘアピンで1台をパスした直後に、複数の車両がからむアクシデントが発生。これを巧みにかわしたことで17番手に浮上する。

 しかも混戦状態から抜け出し視界も広がったこともあって、ペースもそれまでより大幅にアップし、次第に前の車両との差も縮まっていく。そして、13周目には予選タイムをも上回る自己ベスト、1分24秒742まで叩き出すように。前車を射程圏内にしたところでチェッカーが振られてしまったが、ポジションを上げて来られたこと、そしてアクシデントを回避できたことで、17位という結果以上にドライバーが手応えを掴んでいたことが最大の成果となっていた。

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第10戦決勝 9月20日(日)天候/曇り コース状況/ドライ

 メインのスーパーGTの決勝日、そしてシルバーウィークの真っ最中ということもあり、日曜日には3万人近い観客が訪れ、スタンドの印象はガラリと変わっていた。

 第10戦決勝レースでもスタートを決めて、今度は1コーナー、そして3コーナーでもオーバーテイクに成功。バックストレートで並びかけられるシーンはあったものの、これは凌いでいただけに、何番手でピット前に戻ってくるか、大いに期待された。ところが、なかなか戻って来ない。それどころか、ノーズとフロントウィングを傷めてピットに戻ってくるではないか!

 最終コーナーでの接触が原因だった。すぐにメカニックはノーズを交換してコースに送り戻すも、その間すでに周回遅れに。そればかりか接触が危険行為と判定され、ドライビングスルーペナルティの指示が……。やむなく6周目にピットに戻ることとなる。チェッカーを受けたものの、規定周回数に満たぬ10周しか走行できず、完走扱いとはならなかったものの、手負いの状態でありながらも、終盤には1分25秒台前半で走り続けることができた。

 次回のレースはオートポリスが舞台。もちろん、九州のサーキットでのレース経験は皆無ながら、それはほとんどのドライバーにも当てはまること。言うなれば、ノーハンデにも等しい戦いでもある。SUGOでは手応えも得られた、しかし悔しさも覚えた。思いのすべてを、走りに表すことが大いに期待される。

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チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)COMMENT
 里見にとって初めてのSUGOとなったが、練習日にウェットコンデションで走り込めたことでクルマへの理解が深まった。予選のタイムはベストで繋げたものではなく、ほんの少しのロスでグリットが決まってしまった。レースでは一周目に順位を上げて最終コーナーを迎えたが、前車の幾度の進路変更で接触してしまったようだ。結果を受け止めて次のレースに繋げて欲しい。
Driver 里見乃亜(Noa Satomi)COMMENT
 予選はタイヤの温度を上げるのが早過ぎて、一番美味しいところでタイムが出せなかったのが痛かったです。決勝も第9戦はスタートも悪くなかったのですが、イン側に行ったら渋滞していて、アウトから2台に抜かれて。それでも4周目に1台を抜いたら、前に多重クラッシュがあって上手くすり抜けられた後は、いいタイムで走り続けられたので、第10戦はもっと行けると思ったんですが……。実際、スタートは決まって、1コーナー、3コーナーで抜けたんですが、最終コーナーで前のクルマに追いついたらブロックされて、アウトに行ったら、またかぶせられて。あそこでブレーキ踏んだら危なかったので、ハンドルで逃げたら接触してしまいました。ただ、次に繋げられることも多く得られた週末だったので、その成果をオートポリスでは絶対に見せます。
Le Beausset Motorsports


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