F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第7,8戦鈴鹿 ドライバーズサーキットで、順位を上げてきた第8戦、得られた好感触を、今後のレースに生かす (Le Beausset)

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 ル・ボーセモータースポーツが今年から新たに挑む、FIA-F4選手権の第4大会が鈴鹿サーキット(三重県)で、8月29日(土)〜30日(日)に開催された。里見乃亜にとって、このサーキットでのレース経験は昨年のF1日本GPのサポートレース、スーパーFJドリームカップの1回のみで、ライバルの多くがホームコースとすることから、大きな課題を科せられた大会ともなった。

予選 8月29日(土) 天候/曇り コース状況/ドライ

 FIA-F4で鈴鹿サーキットを走るのは初めてであるため、木曜日から行われた専有走行では、可能な限り周回を重ね、まずは習熟に充てることとなった。そして、金曜日に30分間ずつ3セッション行われた専有走行では、それぞれにテーマを課すことに。セッション1でニュータイヤを投入し、予選シミュレーションを行った結果、まだまだタイムアップの余地は残されていたため、セッション2ではよりコースを攻めて走るようチームは指示。その結果、コースアウトしてしまう一幕はあったものの、すぐに復帰。さらに走行を重ねてく。つづくセッション3においてはスタート練習を2度行なった後、再び習熟のための走行を行い、終盤に仕上げとしてニュータイヤを再投入。その結果、前大会よりも良い状態で予選に挑めるようになり、何よりトップとの差が走るたび詰まっていたことが最大の収穫となっていた。

 そして土曜日に行われた予選は、例年ならば残暑がまだ厳しいはずが、予想よりも低めの温度で曇り空の下で行われることとなった。今回の予選はGTの路面とタイヤに厳しい高速サーキットという事で、予選開始から少し時間を空けてコースイン。

 まずはアウトラップともう1周をウォームアップに充てた後、いよいよアタックを開始。周回数を重ねるごとにタイムを縮めていき、アタック開始から3周目にはこの週末の自己ベストとなる、2分9秒857をマーク。その後いったんクールダウンし、ポジショニングをしっかり行なった後、再度アタックを試みる。そして、ベストタイムとなる2分9秒577を記録してさらに短縮を果たした後、再びアタックを行ってセカンドベストタイムとなる2分9秒814をマークする。その後もアタックを続けるが、タイムアップは叶わかったものの、チェッカーまで走行を重ねて最終チェックを行った。

 あらかじめモラルハザードポイントが累積していたドライバーに対し、2戦とも15グリッドの降格が決まっていたことから、ひとつずつ里見の順位は繰り上がることとなり、第7戦は22番手、そして第8戦は23番手のグリッドに並ぶことが決定した。

決勝 第7戦 8月29日(土) 天候/曇り コース状況/ドライ

 夏の終わりの週末をサーキットで楽しもうと、土曜日から2万6000人もの集客があり、これまでの3大会同様、熱い視線が注がれる中での戦いとなった。そんな第7戦ではまずまずのスタートを切るものの、前後左右を囲まれる中、結果的にはポジションキープからレースを開始。しばらくはこう着状態が続く中でも里見は落ち着いて走り、着実に順位を上げていった。6周目には20番手と順位を上げるも、8周目にはバトルの末コースアウトしてしまう。すぐにコースに復帰し最低限のポジションダウンで、集団から離れず続いていく。

 それから間もなく、西コースでは雨が降り出し、最終ラップのスプーンではコースアウトする車両も。そんな困難な状況も乗り切って18位でチェッカーを受け、さらに1台のペナルティによる降格もあったため、最終的には17位という結果で第7戦を終えることとなった。

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決勝 第8戦 8月30日(土) 天候/曇り コース状況/ウエット

 未明まで降り続いた雨によって、早朝8時からのスタート進行開始となった第8戦は、ウェット路面での戦いとなった。すでに雨は止んでいたものの、全車にウェットタイヤが装着されていた。微妙なクラッチミートが必要とされる状況下において、スタートが抜群に決まり、まずはオープニングラップのうちに4台をかわし19番手にポジションをアップ。その後も17番手を争う集団の中で周回を重ねていく。

 その先頭にいる車両が蓋となって、後続車両がどんどん増えていく中、6周目の130Rで集団から抜け出すことに成功し、17番手へと浮上。そうして視界が広がると、1周のタイムを2~3秒縮め、一気に後続を引き離すようになる。ただ、それまでの間に、前車との差は広がっていたため、さらにポジションを上げることは許されなかったものの、10秒以上もあったタイム差を、6秒を切るまでに詰めたところでチェッカーが。さらにドライビングスルーペナルティを科せられた車両もあったことから、16位でレースを終えることとなった。

 さて、ここからの2大会、スポーツランドSUGOとオートポリスはレースどころか、走行経験もない里見にとって未知の場ともなる。したがって今大会以上のテーマが科せられることになるだろう。そんな山場ともなる戦いをクリアすれば、最終大会はホームコースでもあるツインリンクもてぎが舞台。まさに集大成のレースに弾みをつけるためにも、ここからの2大会にはより一層の活躍が期待される。

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チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu) COMMENT
 予選タイムを見ても走るにつれ上位とタイム差は詰まってきているが、現状から抜け出すにはまだ課題が残されている。今回、ドライとウェットコンデションを走れたことは引き出しを増やすきっかけになったと思うし、ウェットのレースではバトル負けせず追い上げるレースが出来ていた。
Driver 里見乃亜(Noa Satomi) COMMENT
 第7戦はスタートで抜いたり抜かれたりはしたのですが、そもそもドライでの限界値が低かったので、全然納得のいかないレースになってしまいました。一方、第8戦はウェットで、スタートが決まって2台を抜き、目の前でのスピンも回避できて、その後もどんどん抜いていけたのですが、レースが落ち着いた頃には1台のクルマにみんな引っかかっていて、なかなか誰も抜きに行かなかったんです。6周目に仕掛けたときに、一発でかわすことができたことは大きな収穫だったのですが、引っかかっている間に前との差がついてしまって、それ以上ポジションは上げられませんでした。でも、以前に比べればバトルはうまくできるようになったと思います。ただ、まだ予選という課題は残っているので、これを次こそは何とかしてみせます。
Le Beausset Motorsports


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