SUPER GT

SGT:第8戦もてぎGTA定例会見 SROとの関係強化により来季のBOP値は日本の事情をSROが考慮して策定することに

スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は11月16日、スーパーGT第8戦が開催されたツインリンクもてぎで会見を開き、2015年よりブランパンGTシリーズのプロモーターであるSRO Motorsports Group(SRO)との関係を強化し、GT300クラスの性能調整(BOP)値の策定をSROが日本の事情を考慮して策定することを発表した。

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現在GT300クラスにはFIA-GT3規定の車両とJAF-GT規定の車両が走行しており、これらの性能調整にあたっては、当初はGTAが定めた数値でFIA-GT3を調整していた。
これはGT3にとっては性能ダウンにつながるため、GT3車両を製造、販売するマニファクチャラーからは本来の性能を発揮できる環境を要望する声が上がっていたといい、2012年からはFIA-GT選手権での数値を採用することになった。

しかしこの値が日本のレース事情に合っておらず、公平性に欠けるとの指摘があり、また、BOP値の決定が開幕戦の後になるなどの状況もあったことから、2014年からはブランパン耐久シリーズのBOP値を元にGTAが独自の調整を加える形となっていた。

今回、SROとの関係が強化されたことで、今後は日本のサーキットの特性やGTA公式テストの結果など、日本側のデータを考慮した上でSROがGT300クラスのBOP値を策定することになる。
これにより、今まで以上にきめ細かい性能調整が図られることになり、より一層公平性の高いレースが開催されることが期待できる。

SROではこれに備えてフランスのポールリカールサーキットに隣接して独自のテストセンターを開設、2015年3月に公式テストを実施。これに基づいて各車両のBOP値を決定する。
また、GTAが開幕前に実施する公式テストにもSROのスタッフが参加してデータ収集を行い、各開催サーキットをA(ハイスピード)、B(ハイダウンフォース)、C(ストップ・アンド・ゴー)の3カテゴリーに分類、それぞれのコース特性に合わせたBOPを発表する予定になっている。

会見にはGTAから坂東正明代表と服部尚貴シニアマネージャーが、SROからはステファン・ラテル CEOとクロード・シューモンテクニカルディレクターが出席。
坂東代表、ラテルCEOの挨拶の後、服部マネージャーからこれまでの経緯が、シューモン氏からは今後のBOP策定の詳細が説明された。

SROステファン・ラテルCEOのコメント
gt-r8-jrp-ratel 久しぶりに日本に戻ってくることができ、大変光栄に思います。1990年代にはドライバーとして、そしてプロモーターとしてBPRグローバルGTシリーズやFIA-GT選手権の一戦として開催された鈴鹿1000kmに参加するため、定期的に日本を訪れていました。
世界的にGTレースが復活し始めたちょうどその時にスーパーGTが誕生しました。そして今やスーパーGTは日本のトップシリーズとして、かつ世界でも影響力のある選手権の一つだと認識しております。
今週末、ここツインリンクもてぎにてスーパーGTの人気とそのたいへんなパワーを目の当たりにし、そしてメーカー同士のハイレベルな競争を行うGT500クラスとカスタマーレーシングカーで戦うGT300クラスの魅力を存分に感じております。
我々SROは2005年から創設者、そして開発者としてGT3カテゴリーに関わってきました。そのGT3がGT300クラスのバックボーンになっていることを嬉しく思います。
本日お越しの皆様の前で、坂東代表とともに我々SROとGTAがスーパーGTシリーズGT300クラスのGT3車両向け性能調整におけるパートナーシップを発表することを大変光栄に思っております。
我々SROがヨーロッパの選手権やシリーズ用に策定した性能調整はすでにオーストラリアやマカオでも使われており、優れたものであることを世界的に認識されていることを大変誇りに思っています。SROは今後も技術スタッフを増やし確実により良いものを提供したいと思っています。そのためポールリカールサーキットに新たなテストセンターを新設いたしました。そこではGT3の全メーカーが出席して3日間のテストプログラムを行う予定です。
GTA坂東正明代表のコメント
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このたび、スーパーGT GT300クラスの性能調整、BOPを来季よりステファン・ラテル・オーガニゼーション、SROとのより緊密な連携のもとに行なっていくことで合意いたしました。
GT300クラスはJAF-GT300規定に従って開発された車両と、FIA GT3規定の車両に参加が認められております。このクラスの性能調整は、まずFIA GT3車両がヨーロッパ仕様のままで走れるように、という配慮からヨーロッパで採用されているBOP値をスーパーGTでも採用し、それに合わせてJAF-GT車両のBOPを調整しております。
GT3車両につきましては、昨年までFIAによるBOPを採用しておりましたが、今年からは現在SROの運営によりヨーロッパでたいへん活況を呈しているブランパンGTシリーズのBOPを採用しております。公平性が高いと好評を得ていることがその理由の一つですが、今回の合意につきましても、私たちGTアソシエイションは、マニファクチャラー各社がそれぞれのマーケティング戦略に従って車両を製作し、参加しやすいように配慮するという点を大いに重視いたしました。
今回の合意により、GT300クラスのBOPにつきまして、これまで以上にきめ細かい調整が可能となり、同クラス参加各チームはより高い公平性が確保・維持できるものと期待しております。
また長きにわたって世界各地で様々なレースシリーズをプロモートしてきたSROと協力関係を構築できたことで、今後様々なコラボレーションも期待できると考えております。
Text: Kauzhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI


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