SUPER GT

SGT:第1戦鈴鹿 EPSON NSX(L.デュバル/F.カルボーン組)が3位(HONDAリリース)

決勝日:2007年3月18日(日) 会場:鈴鹿サーキット 天候:予選/晴れ 決勝/晴れ 気温:11℃(14:00現在) 路面温度:23℃(14:00現在) 決勝レース:52周(301.964km) コースコンディション:決勝/ドライ 観客数:3万人(主催者発表)

 3月18日(日)、三重県にある鈴鹿サーキットにおいて2007 オートバックス SUPER GT 第1戦鈴鹿 GT 300kmの決勝レースが開催された。

 3年目を迎えたSUPER GTシリーズは、ステップドボトム(車体底面に設置するブロック)を導入するなど、さらなる安全性向上と性能均一化を目指したレギュレーション変更が行われた。競技規定も、ドライバー・タイトルのポイントが第6戦以降の最低ポイントの2レースを除いた7戦を有効とし(チーム・タイトルは全9戦を対象とする)、予選ファステストラップのウエイトハンデとポイントが廃止されている。

 今シーズンのHonda NSX-GTは、新たにREAL NSXが加わった5チーム5台体制となった。マシンはステップボトムによるダウンフォースの低減を極力抑え、リストリクター径の拡大による最高速の向上を果たし、課題となっていた燃費も改善している。その結果、開幕戦の予選からマシンの高いポテンシャルを証明することとなった。

 3月17日(土)に開催された公式予選において、NSX-GTは予選1回目の上位10台で決勝グリッドが争われるスーパーラップに全車5台が出場。#8 ARTA NSXの伊藤大輔選手がGT500クラスとして初めて1分50秒を切る1分49秒842を記録し、2年連続の開幕戦ポールポジション獲得を成し遂げた。

 この結果、ポールポジションに#8伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組(ARTA NSX)、2番手に#32ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン組(EPSON NSX)、3番手に#18道上 龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)、4番手に#17 金石勝智/金石年弘組(REAL NSX)が続き、NSX-GTがトップ4を独占した。#100ドミニク・シュワガー/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)も6番手となり、万全の体制で決勝レースに挑むこととなった。

 18 日(日)の決勝日は、天候に恵まれて気温11℃、路面温度も23℃と絶好のコースコンディションとなったものの、強風が吹くコンディションとなった。41 台(GT500クラス計16台)のマシンは、14時00分にフォーメーションラップを開始し、一斉にホームストレートを駆け抜けて決勝52周= 301.964kmのローリング・スタートが切られた。 ホールショットはポールポジション・スタートの#8 ARTA NSXのファーマン選手が奪い、2位に#32 EPSON NSXのデュバル選手、3位に#18 TAKATA童夢NSXの道上選手、4位に#100 RAYBRIG NSXのシュワガー選手が続く。#17 REAL NSXの金石勝智選手はスタートで出遅れたために8位を走行する。

 トップ4を独占してレースの主導権を握ったNSX-GT勢は、ファーマン選手が快調なペースでトップを走行。4位のシュワガー選手も後続に7秒以上の大差をつけて快走する。ところが、10周目に2位を走っていたデュバル選手がS字コーナーでスピンを喫してしまう。すぐに復帰を果たすものの、#32 EPSON NSXは5位に後退した。デュバル選手は15周目のシケインで#38 ZENT CERUMO SC430を抜いて4位に浮上したため、NSX-GTは再びトップ4を独占することとなった。

 22周終了時に、2位を走行する#18 TAKATA童夢NSXの道上選手がドライバー交代のためにピットイン。リアタイヤのみを交換し、29秒という素早いピットタイミングで小暮選手がコースに復帰した。同じタイミングでピットインを行った9位の#17 REAL NSXも金石年弘選手へドライバー交代を行った。トップを走行する#8 ARTA NSXのファーマン選手と3位を走行する#100 RAYBRIG NSXのシュワガー選手は24周終了時にピットイン。リアタイヤのみの交換で伊藤選手と細川選手に、それぞれドライバー交代を行った。最後にピットインを行った#32 EPSON NSXは、ピット作業に48秒を費やしたためにコースに復帰した時点で7位に後退した。

 ドライバー交代後、1分55秒台の好タイムを記録していた3位の細川選手だったが、31周目の逆バンクコーナーでバランスを崩してコースアウト。マシンはクラッシュパッドに突っ込み、リタイアとなった。さらに2位の#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手は、好タイムを連発してトップに4秒18まで迫っていたが、45周目のダンロップコーナーでエンジントラブルが発生して出火したため、走行を断念した。

 レース終盤、#8 ARTA NSXはスタートから終始トップ独走し、ピット作業違反によるピットスルーペナルティの裁定を受けながらも粘る走りをみせる#32 EPSON NSXが4位、一時は10位まで後退しながら積極果敢な走りをみせた#17 REAL NSXが7位を走行する。そして52周目のラストラップを迎え、2位に34秒以上の差をつけてトップを独走していた#8 ARTA NSXの伊藤選手だったが、ホームストレートでエンジントラブルのために突然のスローダウン。何とかマシンを走らせたものの、スプーンカーブでマシンをストップし、走行を断念した。

 波乱の展開となった開幕戦は、#32 EPSON NSXが3位、#17 REAL NSXが6位でチェッカーを受けた。#8 ARTA NSXは12位、#18 TAKATA童夢NSX は13位で完走扱いとなった。優勝は#38 ZENT CERUMO SC430だった。

コメント
白井 裕(Honda NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー)

 「ここ鈴鹿での開幕戦はHondaのホームコースであり、またウエイトハンデなしでの戦いですので絶対に勝ちたいレースでした。開幕前に5台のニューマシンを投入し、事前のテストや予選結果もよかったので、トラブルによって皆様によい報告ができなくて申し訳なく思っています。今回NSX-GT速さは予選での上位独占によって証明することができましたが、より一層の信頼性向上が課題として残りました。次戦の岡山ラウンドでは皆様の期待に応えられるようにしたいと思いますので、今シーズンもNSX-GTへのご声援をお願いいたします」

ロイック・デュバル選手(#32 EPSON NSX(3位))

 「10周目くらいまでは順調でしたが、他の車とのアクシデントを避けるためコースアウトしたことや、ピットストップ時にジャッキアップをする前にエンジンが止まらないという現象が起きてドライブスルーペナルティを科されたということがなければ、もっといい順位だったと思うと残念ではあります。でも、予選はうまくいきましたし、3位といういい結果を残せました。表彰台をHondaで独占できると思っていたので残念ですね。オフシーズンのテストからマシンの開発も順調で、すばらしいクルマに仕上げることができました。ダンロップタイヤのスタッフも本当に努力してくれましたので、これからもいい成績を残し続けたいと思います。開幕戦で多くのポイントを獲得できたのでうれしいです」

ファビオ・カルボーン選手(#32 EPSON NSX(3位))

 「SUPER GTのデビュー戦で表彰台を獲得できて最高の気分です。ペナルティもありましたがベストを尽くして走りました。このクルマはポテンシャルが非常に高いですし、我々のチームワークも抜群でした。モチベーションは高まっていますし、今度は表彰台の頂点に立てるよう全力を尽くします。皆さん、期待していてください」

Text: HONDA



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