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ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.2 FUJI GT RACE
GTインサイド・レポート            No.  1        1995/ 4/20  FMOTOR4版
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1.“スーパーGTR”は3台? 星野一義も登場!
 鈴鹿で優勝したホシノ・レーシングは、このレースからニューマシンのR33を投入
するため、ウエイトハンデが0kgのままで第2戦FUJIを戦えることとなった。し
かも、強力な助っ人として御大 星野一義も参加することが決定。FUJIの台風の
目となることは間違いない。
 先行してR33の開発を行っているニスモは、マイルドな操縦性と圧倒的に大きなト
ルク(70m・kg以上)によるコーナー立ち上がりの加速が、R33最大の長所であると判
断している。しかもコーナーリングスピードがアップしているため、富士スピード
ウェイでは、1コーナー、100R、300R等でも大幅にタイムアップができるだろう。
2.'95.5年型スープラGT登場!!
 2週間前のTIテストでクラッシュしてしまったサードのために、TRDは改良
型の'95.5年型アップデート・スープラGTを製作中である。この新型スープラGT
はフレームを完全に見直して、ルマン過酷な24時間レースを走り切れる耐久性その
ままに、大幅な軽量化(-80kg)を実現している。
 セルモは相変わらず昨年サードが走らせた'94年バージョンで闘うが、鈴鹿の実戦
からクーリング関係を'95年バージョンと同じ、低い位置に水平にインタークーラー
をマウントするタイプに変更、GTC富士からは、ウイング八スポイラー等空力関係
系も'95年バージョンとなる。
 鈴鹿では、スープラGT開発の要であるサードが、レース直前にタイヤが昨年のも
のと大きく変わってしまい、サスペンションのセッティングをまとめることが出来な
かった。
 GTC富士に向むけて巻き返しを狙う各チーム共、特にトラクションを高める開発
に余念がない。
 鈴鹿ではマシンの完成がレース直前となってしまったトムスは、彼らの理論に基づ
いたモデファイをサスペンションに施しており、空力を考えてドアミラーからフェン
ダーミラーに変更される。
3.“FUJIスペシャル”ポルシェ993GT2本領発揮だ
 いよいよポルシェの世界戦略マシンが実力を見せる時がやってきたようだ。
 日本に入ってきている993GT2は、唯一のN-GT仕様であったタイサンの1号
車がルマンGT2仕様に改造されることとになったため、新たに加わったタイサンの
2号車も含め4台すべてがルマンGT2仕様でGTCを闘うことになった。
 ルマンGT2仕様の993GT2には、NGT1の31mm×2より大きな33.8mm×2の
リストリクターが取り付けられており、NGT1仕様より約50馬力も多い500馬力以
上のパワーを持っている。タイヤ幅が12インチとNGT1の14インチよりも狭くなる
ことがネックであるが、約1.5kmのストレートを持つ富士スピードウェイでは、50馬
力のアドバンテージの方が圧倒的に大きいことだろう。
 鈴鹿ではいずれのチーム共マシンの到着が遅れたために、大切な足回りもほとんど
開発することが出来なかったが、FUJIには複雑なマルチリンク・リアサスペン
ションは完全にピロボール化され、993GT2の特徴であるバウンド/リバウンドに
2つ持っているスプリングのセッティングも十分に煮詰められるだろう。
3.'95年バージョンのフェラーリF40
 今年からリストリクターが装着されたため、そのパフォーマンスが心配されていた
'95年バージョンF40も、決して侮れない戦闘力を今年も維持しているようだ。
 鈴鹿では短いホームストレートで240km/h以上の最高速を記録。リストリクターの
装着によってトルク特性がシビアになりエンジンは扱い難くなっているようだが、大
きなトラクションを発生する18インチ径の新タイヤによって十分なパフォーマンスを
今年も持っている。
 現在エンジニア達はルマンGT1仕様のコンピューターを解析中であり、間に合え
ばこの新コンピューターとノンシンクロの丈夫なミッションがFUJIから投入され
ることになる。
ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.2 FUJI GT RACE
GTインサイド・レポート            No.  2        1995/ 4/20  FMOTOR4版
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5.DTM仕様のBMW・M3参戦でGT2クラスは戦国時代に
 牧口エンジニアリングが開発していたDTM仕様のM3が、いよいよFUJIから
実戦に登場。
 南ドイツのリンダー・チームによって開発された、プッシュロッド式インボード・
リヤサスペンションを持つDTM仕様M3は、牧口エンジニアリングの手によって完
全なN-GT仕様に作り替えられたF1エンジンの流れを汲むドライサンプ・ユニッ
トは、39mmのリストリクターと日本の無鉛ガソリンに対応させるため、アイテックに
よってモディファイされており、柔軟性に富んだ使いやすい“タイムの出る”エンジ
ンを目標に開発が行われている。
 GTC鈴鹿でもGT2クラスのポールポジションを獲得するほどのポテンシャルを
開発した、従来型のE30・M3も、間に合えばDTM仕様M3と同じエンジンを搭載
してGTC富士に参加するだろう。
6.フルGTスペックの911カレラRSR登場
 今年のGT2クラスの中心になると思われるNAのポルシェ911(964/993)も、
GTC富士に2台が登場してくる。
 昨年のGT1クラス3位の袖山誠一のS2ブレインと池谷勝則のコブラから登場す
る2台の964RSRは、今後のGT2クラスのパフォーマンスを確立する役目も担っ
ている。
 ただでさえ大トルクを誇るフラット6は、完全に煮詰まれば380馬力以上は十分に
可能と言われており、牧口エンジニアリングのDTM・M3の好ライバルとして激戦
を繰り広げることだろう。
 6月にデリバリーされる993カレラRSRの到着を待ってGTC参加をもくろむ
チームも多い。
7.大急がしのリミット
 今年のGTCのために都平健二のリミットでは、昨年のチャンピオンマシンである
ホシノ・レーシングのR32カルソニックスカイラインを手に入れて参戦することを考
えていた。しかし、R33の開発が遅れたため、ホシノ・レーシング自身R32で開幕の
GTC鈴鹿に参加しなければならなくなってしまい、リミットは急遽昨年Johnsonスカ
イラインを購入して、都平好みの4WDに改造して参加することとなってしまった。
 今回のGTC富士でやっとホシノ・レーシングのR33が完成してくるため、都平も
予定通り昨年のチャンピオンマシンでGTCに参加することが出来ることとなった。
 もっとも都平がこれでハードスケジュールから解放されるわけではない。
 夏のデビュー目指して、“スーパーGTR”の製作がもうすぐ始まるからである。
                         GTアソシエイション事務局
                         インサイドレポート担当
                         古屋 知幸 = MGG01235=


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