●鈴鹿1000kmレース・優勝者記者会見 決勝レース終了後、鈴鹿1000kmレースを最後まで走った全マシンが、 メインスタンド前のストレート上に停車し、総合上位3位まで、そして各クラ ス上位3名までの選手たちの表彰式、大花火大会に続いて、スタンド前では、 各クラスのマシンの紹介が行なわれた。 その時刻、コントロールタワー2階では、総合3位まで、各クラス優勝者の 記者会見が行なわれたが、ドライバーや記者たちもやはり人の子、窓を開けて 花火に見とれ、会見のスタートが遅れることになった。 ◆鈴木利男(伊太利屋ニッサンR92CP/優勝) 「先週の筑波のグループAに続いて2連勝でき嬉しい。フロムAは富士でテス トまでしていたけど、こちらは倉庫で埃をかぶっていたマシン。これで勝てる なんて思っていなかったので、ラッキーだった。この運が来週の富士のF30 00まで続いてほしいね」 ◆和田孝夫(伊太利屋ニッサンR92CP/優勝) 「久しぶりの優勝で、何をコメントしていいのかわからない。グループCカー は、去年の美祢で乗って以来だったし、その前も、ひっくり返った事故以来ブ ランクがあったしね。レースでは、最後は利男君が走る予定で、夜の走りの練 習もしてなかった。デグナーでスピンして足を引っ張って、ローテーションを 狂わせることになってしまった(ドライバー交代の時間を惜しんで、最後まで 和田選手が走りきった)。スピンは、アクセルに足が引っかかって、全開の状 態でデグナーに入ってしまったため。全開で抜けられるはずがない場所だから ね」 ◆マウロ・マルティニ(フロムAニッサン/2位) 「車のポテンシャルはあったが、問題がたくさん出て勝てなかった。勝てると 思っていただけに、とてもガッカリしている。残念で言葉もないよ……」 ◆H-H.フレンツェン(フロムAニッサン/2位) 「マウロと一緒ですごく残念だ。今日はハードに攻めた。遅い車を抜くときは、 すごく近づいては抜いていったんで、みんなびっくりしたんじゃないかと思う。 すまなかった。チームはよくやってくれたが残念だ」 ◆パーカー・ジョンストン(アキュラNSXスパイス/3位) 「我々を招いていくれた鈴鹿サーキットに感謝している。Gr.Cカーはとて も速くて、あっというまに抜いていった。とてもいい経験ができたよ。レース もすごく楽しむことができた。次にくるときは、もう3~400馬力パワーを アップしたマシンで走りたいと思うね。3位になって嬉しい」 ◆ダン・マービン(アキュラNSXスパイス/3位) 「鈴鹿はとてもいいコースだ。ぼくの知ってる中では、最高のサーキットだね。 とても素晴らしい体験ができた。日本人は皆親切で、ファンもレースに対する 知識が深い。スポンサーに感謝している。いい経験をした」 ――アキュラNSXスパイスのドライバー2人には、レース前に独自にイン タビューした。 3年連続のIMSA・GTPライト・チャンピオンを決めたパーカー・ジョ ンストンと相棒のダン・マービンは、予選日の土曜日から、同じアメリカ人の ジェフ・クロスノフと食事をしながら、鈴鹿の攻め方について教えてもらって おり、決勝レース前にも、マービンが、クロスノフから、さらに説明を受けて いた。 ◆パーカー・ジョンストンに対するQ&A Q:3年連続のGTPライトチャンピオン、おめでとう。 PJ:ありがとう。 Q:鈴鹿サーキットに対する印象は? PJ:最高にお気に入りのサーキットだよ。チャレンジングで高速でとても面 白い。設備、雰囲気なども含めて、世界最高のサーキットだと思う。 Q:IMSAでは今年限りでGTPがなくなってしまいますが、来年の予定 は? アメリカでは、あなたとホンダとの関係から、インディカーに行くんで はないかと推測している人もいるようですが?(CARTのエンジン規則によ り、ホンダがインディカーに進出する場合は、最低2チームかつ3台以上のマ シンにエンジンを供給しなければならないため、ボビー・レイハル、マイク・ グロフのレイハル・ホーガン・チーム以外のホンダのセカンドチームとして、 ジョンストンのコンプテック・レーシングチームが、これまでのホンダとの関 係から、候補に上がっているのではないか……という推測がアメリカでは流れ ている) PJ:まだ来年のことは何も決まっていない。日本のF3000まで含めて、 あらゆる可能性を探っているところだ。 Q:IMSAで来年から正式スタートするWSC(ワールド・スポーツカー =オープンコックピット、市販エンジンを使用した2座席スポーツカー)の構 想は? PJ:いまのところ何もない。 ◆ダン・マービン Q:鈴鹿サーキットの印象は? DM:チャレンジングでむずかしいコースだね。コースマップを見ればわかる ように、コーナーも低速から高速までバラエティに飛んでいる。しかも高低差 もあって、ドライビングがむずかしい。S字から逆バンク、ダンロップ、デグ ナーにかけてはリズムが必要で、ここが一番むずかしい。スプリングのセット アップも、ここが一番大変だね。 Q:F3000では、130Rが最もチャレンジングなコーナーとして有名 だけど? DM:F3000では、トップギアで、フラットアウトで回るらしいね。こち らもトップギア(5速)で回るけど、とても全開にはできない。どうしてもア クセルを少し緩めてしまうよ。 Q:今日は暑くなりそうだけど、暑さの対策は? DM:クール・ヘルメットとクール・スーツを使うよ。身体を冷やすのは、ベ ストみたいなスタイルで、中を冷たい水が循環するようになっているんだ。 Q:日本のレースファンの印象は? DM:アメリカのレースファンに比べると、レースやマシンに対する知識が深 いようだ。さっきもピットウォークで、たくさんのファンがピットにきたけど、 みんな熱心にマシンを覗き込んでいるし、写真を撮っていった。アメリカの一 般的な観客は、近くでマシンを見ても、「きれい」「すごい」でおしまいなん だ。それに比べると、日本のファンは、マシンを見る目が違うね。とてもエン スージアチックだ。 すがやみつる(SDI00104)/RIJ