<インターナショナルF3リーグ出場の海外F3ドライバーのプロフィール> 11月27日から29日にかけて、「第3回インターナショナルF3リーグ」 が富士スピードウェイで開催される。 このイベントには、日本ではあまり馴染みの薄いヨーロッパ各国のF3選手権で 活躍している強者ドライバーが大勢エントリーしているが、既にその大半が前週 のマカオGPのメイン・レースを走っており、気力十分の状態で富士のレースに 臨むことになる。 既に、主だったドライバーのプロフィールについては、会議室6の#287ー 289に「マカオGP-DRIVER'S PROFILE 」として掲載したので、そちらを参照し ていただくとして、今回はマカオGPには出場せずに富士のレースにエントリー したドライバーのプロフィールを掲載することにしよう。 ------------------------------------------------------------------------ ●ウォーレン・ヒューズ(イギリス/24歳) 89年にイギリス・ジュニアFF1600選手権でデビュー。翌90年にはF VL選手権にエントリーし、現在全日本F3000やF3で走っている中野信治 選手らとバトルを繰り広げた。昨シーズンもFVL選手権に出場し、開幕戦を含 めて3勝をマークし、シリーズ2位となったが、チャンピオンに輝いたK.バート を最後まで苦しめた。 今シーズンはイギリスF3選手権にステップアップ。当初はボクゾール・エン ジン搭載のマシンを使用していたが、途中から無限エンジンにスイッチし、その 後再びボクゾール・エンジンを使用するなどすきりしない体制が響いた。だが、 それでも11戦目に見事初優勝を成し遂げ、結局1年目はシリーズ7位となった。 彼もG・ド・フェランやK.バートらと共に将来を期待されているドライバー であり、もし来年もイギリスF3に出場するならば、彼も間違いなくチャンピオ ン候補のひとりである。また、先にも書いたが、彼のマシンはラルトRT36に ボクゾール・エンジンを搭載している。全日本F3では見られないパッケージン グだ。 ●エマニエル・クレリコ(フランス/22歳) 昨シーズンはフランス・フォーミュラ・ルノーに出場してシリーズ5位となる。 今シーズンはフランスF3選手権にステップアップ。開幕戦でいきなり2位に入 る大活躍をみせ関係者を驚かせたかと思うと、翌2戦目のノガロでは初優勝を飾っ てしまった。また、第3戦のマニ・クールでも優勝して2連勝を飾るなど、シリー ズ前半は素晴らしいパフォーマンスをみせ同選手権のペース・メーカーとなった。 だが、後半は優勝に恵まれず、結局シリーズを2位で終えることになった。 彼は今シーズンのフランスF3でルーキーとは思えないほど素晴らしい活躍を した。ジャン・アレジ以来、久しぶりのスーパースターの登場とも言えよう。来 シーズン以降も大いに活躍が期待できる。 ●ジャック・イスラー(スイス/42歳) 主にスイスF3を活動の中心の場としてきており、90年には同選手権シリー ズ2位となる。今シーズンからドイツF3選手権に出場している。 ●ヨルグ・ミューラー(ドイツ/23歳) カートから1988年ドイツFF1600に。翌89年にはドイツ・オペル・ ロータス・チャレンジのチャンピオンとなる。そして、1990年にドイツF3 選手権へとステップアップ。この年2位2回でシリーズ5位となる。昨シーズン も優勝こそなかったものの、2位2回など表彰台を数回経験し、結局シリーズ4 位となった。また、彼は昨年のF1モナコGP前座のF3レースで他車を寄せ付 けず圧勝し、一前年の同レースに引き続いて2年連続で素晴らしいパフォーマン スを披露している。 今シーズンもドイツF3選手権に出場。第7戦のアブスで見事初優勝したが、 今年はこの1勝どまりで、シリーズ・ランキングでも上位にい食い込めなかった。 彼のF3デビュー・レースがトップを走りながらクラッシュ、という結果で もわかるように、彼のドライビイングは調子がいいと滅法速いのだが、反対に 雑な面もかなり多い。たが、モナコF3が得意であったり、悪天候のレースで は素晴らしいパフォーマンスを発揮することがある。磨けばまだまだ光る素質 の持ち主と言えよう。 ●エリック・シェリ(フランス/26歳) フランスFF1600やフランス・フォーミュラ・ルノーなどを経験し、87 年からフランスF3選手権に参戦。翌88年にはシリーズ2位となった。途中 1989年には国際F3000にステップアップ。一昨年から再びフランスF3 に戻り、昨シーズンはフォーミュラ・プロジェクトのレイナード・アルファロ メオをドライブし、第6戦で優勝を飾るなどしてシリーズ3位となった。また、 昨年のF1モナコGP前座のF3レースに出場し、8位でレースをフィニッシュ している。 ●デレク・ヒギンズ(イギリス/28歳) 87年にFF1600ジュニアで複数のタイトルを獲得し、翌88年にはFF 1600シニア選手権でもダブル・クラウンをかち取る。89年にはイギリス F3へステップアップ。翌90年は同シリーズ9位となる。昨シーズンはイギ リスF3やGMロータス・ユーロシリーズなど複数のカテゴリーにエントリー したが、成績はぱっとせずだった。 今シーズンからは全日本F3選手権にエントリー。5月の鈴鹿で6位入賞を 果たすが、ポイントはこの1ポイントだけだった。 ●マウリシオ・サンドロ・サーラ(ブラジル/34歳) 1986年にイギリスF3選手権でシリーズ2位となった後、活動の中心を 日本に移し、国内のトップ・カテゴリーで幅広い活動する。昨年のインターナ ショナルF3リーグでは予選でトップと変わらないタイムをマークした。昨シー ズンはマツダの契約ドライバーとしてSWCを転戦していた。今シーズンはト ラスト・トヨタの一員としてJSPCに参戦していた。 ------------------------------------------------------------------------ 以上、有松義紀氏が掲載してくれた最新のエントリー・リストを参考にして、 マカオGPのF3レースの方で紹介できなかったドライバーのプロフィールを掲 載してきみた。会議室6にあるプロフィールと併せてご覧いただければ、レース 事前に多くのドライバーの予備知識を仕入れられると思っている。 今週末のレースを楽しみにしている方や、当日レースを観戦される方にとって、 この資料が何らかのお役に立てれば幸いである。 文:浜田 貴志 (MHA01070/RIJ)