91年11月18日 -1991年全日本F3000選手権シリーズ第11戦- 好スタートで今季3勝目を挙げる チャンピオンシップで4番手に着け、あと2連勝できればタイトル獲得の可能 性も残される25番ロス・チーバーのために、チームでは新しいモノコックをこ のレースに投入することを決めた。それに応えるように、チーバーは予選/決勝 を通じてアグレッシブな走りを見せたのであった。 [11月16日:予選]一日中青空が広がり、好天の元での公式予選となった。 25番ロス・チーバーは、予選A組で出走。午前中の予選でまず1セット目の予 選用タイヤを使い1分44秒595のベストタイムを出すとともに、これまでのコース レコード1分46秒398を更新したのであった。午後の2回目では、マシンのウォー ミングアップを済ませ、自己のタイムが更新されるまでピットで待機するチーバ ーだったが、星野一義選手が1分44秒500のタイムを出すと、さっそくコースイン を行った。さらなるタイムアップを目指し果敢なタイムアタックを行ったが、チ ーバーのタイムは44秒501と星野一義選手に惜しくも1/1000秒およばず。予選A組 2番手、総合予選3位となった。 [11月17日:決勝]決勝日朝恒例のウォーミングアップ走行では、1分47 秒847の4番手のタイムを出したロス・チーバー。ポールポジションの星野一義選 手とは約0.2秒の差でしかなく、決勝レースの行方はこの二人の戦いとなることが 予想された。いよいよスタートを迎え、シグナルが青に変わると同時に鋭いダッ シュを見せたのはチーバーだった。一方、星野一義選手のスタートも悪くなく、 2台は並んでコーナーへと進入するかに見えた。しかしここが勝負所となるチー バーは、アウト側から大胆に星野選手をかわし、トップに立ったのであった。前 回9月にこの鈴鹿で優勝したときのように、ストレート重視のマシンセッティン グでレースに臨んだチーバーは、星野選手にスキを与えず、逆に星野選手はヘア ピンでスピンをしてリタイヤしていった。続いて後ろに迫るマウロ・マルティニ 選手も抑えきったチーバーは、鈴鹿で2連勝、今季3勝目を挙げ、シリーズラン キングで2番手につけ、タイトル争いを最終戦まで持ち込んだのであった。 ドライバー&チーム監督コメント ●ドライバー/ロス・チーバー(Ross Cheever) スタートでトップに立てたとき勝てると思った。しかし一方で12~13周辺りか らブレーキの調子が悪くなり、とくにヘアピンやシケインなどの進入でハードブ レーキングができず、スピンをしないように十分に気をつける必要があった。こ のレースに勝ててとてもハッピーだし、新しいモノコックを使うことを決めてく れたチームには大変感謝している。今、この時点ではまだ僕自信興奮状態で次の レースの事は考えられないが、1週間前くらいからコンセントレーションを高め ていって、良いレースをしたいと思っている。 ●チーム監督/本間 勝久(Katsuhisa Honma) レイナードと話し合って、このチャンスによいレースをしたいと、新しいモノ コックを入手することを決めました。ロスは、スペアカー無しで去年12月のテス トからずっと頑張ってくれましたし、モノコックが変わることでセッティング上 若干の変化が出ることが心配されましたが、それでも新しくすることのメリット が大きいと判断したんです。決勝レースはスタートが勝負だと思っていました。 思った通りのレースができて嬉しいです。そして次の富士でも、皆さんに喜んで いただけるよう面白いレースにしたいと考えていますので、応援して下さい。 レース・データー ●開催日/11月16日(予選)~17日(決勝) ●開催地/株式会社鈴鹿サーキットランド、SMSC ●観客数/予選日:15000人/決勝日:55000人 ●天 候/予選日:薄曇り、15℃/決勝日:晴れ、17℃ プロミス&レイナードレーシング事務局 ------------------------------------