★IMSAが富士にやってくる! 3月27~29日の3日間、富士スピードウェイにアメリカのIMSA(イムサ= インターナショナル・モータースポーツ・アソシエーション)シリーズに参加す るGTSとGTUマシンが登場、日本のJSSマシンと速さを競う。 今回、日本には4台のGTSマシンと2台のGTUマシンが上陸する。 IMSAのメインシリーズは、タバコのキャメルがスポンサーになっている 「キャメルGTシリーズ」。こちらはグループCとほぼ同じスタイルをしたプロ トタイプカーの戦いで、排気量3リッター以上がGTPクラス、3リッター以下 がGTPライトクラスとなっている。今年のデイトナ24時間レースで、このGT Pカーたちに挑んだNISMOのニッサンR91CPが総合優勝を遂げたのは記 憶に新しいところ。 デイトナでGTPたちと混走していたのがGTS、GTU、GTOの3クラス。 昨年から、石油会社のエクソン(日本、ヨーロッパではエッソの名前で知られる) の後援を受け、EXXONシュプリーム・シリーズとして走っている。 GTSとGTUの2クラスのマシンは、昔流行した「羊の皮をかぶった狼」と いう呼称にぴったり。鋼管スペースフレームなどのシャシーに、ウィンドウと屋 根の部分だけが原型を保てばいいというルールによって作られた、オーバーフェ ンダーがバリバリのボディをかぶせている。夜間走行のあるデイトナなど一部を 除いては、そのヘッドライトもただの飾り。ペンキで描いたライトがあるだけだ。 おかげで、ちょっと見にはニッサン300ZXと240SXの区別がつかない。 マツダのRX7とMX6も同様だ。 GTSはGTシュプリームの略で、昨年までGTOと呼ばれていたクラスのマ シン。エンジンの排気量が3リッター以上の生産車をベースにしたマシンを使う。 今回、日本にくるのは日産300ZXが2台、フォード・マスタングが1台、オ ールズモビル・カトラスが1台。大排気量のアメリカンパワーを爆発させるはず。 昨年のチャンピオンマシンはマツダのRX7。数年前には、GTPにステップア ップする前のダン・ガーニー率いるAARチームのトヨタ・セリカがチャンピオ ン街道を突っ走っていた。 GTUは、GTアンダーのこと。3リッター以下のマシンが参加する。デイト ナでは今年も旧型RX7が優勝し、ロータリーエンジンの丈夫さを証明したが、 現在のマツダの主流はMX-6(ロータリー・カペラ)。富士にも、このマツダ MX6が1台と、昨年もドライバー選手権を獲得したボブ・レィツィンガーのニ ッサン240SXが1台やってくる。このクラスでは、昨年、ダッジ・デイトナ がマニュファクチャラーズ・チャンピオンに輝いている。 今年からGTOを名乗るのは、昨年まではAAC(オール・アメリカン・チャ ンピオン)クラスのストックブロック・エンジンを使ったアメリカ車によるクラ ス。富士スピードウェイにやってくるのは、昨年のGTOクラスで5位に入った オールズモビルだが、ドライバーはAACクラスのチャンピオンだ。 先日のIMSA第2戦マイアミでは、GTPでニッサンNPTI-92が、G TOでニッサン300ZXが、GTUでニッサンGTUがとニッサンが3クラス を制覇、圧倒的な強さを見せている。 富士では、6台のGTS/Uマシンが日本のJSSクラスのマシンと混走する。 かつてのグループ5カーが消えて以来、市販車のボディを大幅に改造して走るの は、このJSSくらいになった。日米改造車マシンの戦いは、どちらに軍配が上 がるかも見所のひとつだ。純レーシングカーとして開発されたシャシー、GTP と同じ700馬力のエンジンを積むニッサン300ZXに代表されるビッグパワ ーなどアメリカ軍団が有利かもしれないが、コースを熟知している富士スペシャ リストの多いJSSにも勝算はあるかもしれない。 また、1988年に、前年、GTOでチャンピオンになったトヨタ・セリカが 富士でデモ走行したときは、長い直線でフロントボンネットが飛ぶというアクシ デントも起きた。IMSAでは、富士のような長い直線を持つコースは少なく、 また、コースのミューも低いトラックや公道を中心に走っている。ニッサン24 0SXにタイヤを供給する東洋タイヤのエンジニアの話では、鈴鹿のグループA レース用予選タイヤと同じコンパウンドで、決勝レースを走りきることができる とのことだ。 すでにニッサン300ZXのチームは、エンジンセッティングをシミュレート するため、昨年のうちに当フォーラムのグループマネージャーを通じて富士のコ ース図を入手。マッキントッシュを使ってエンジン用コンピューターのセッティ ングに入っている。 ---------------- この「IMSA GT CHALLENGE in FUJI」のアメリカか らの参加車両と選手、日程などは以下の通り。 ●参加リスト ◆GTSクラス◆ No. マシン タイヤ ドライバー チーム -------------------------------------- 75 ニッサン300ZX YH ジェレミー・ディル カニンガム (91年GTO-2位) (91年GTO-4位) 76 ニッサン300ZX YH スティーブ・ミレン カニンガム (91年GTO-2位) 《スティーブ・ミレン(ニュージーランド)はマツダ323に乗ってラリーで活躍 したロッド・ミレンの弟。ロッド・ミレンは現在MTEGのスタジアムトラックでフ ォードからトヨタに移籍し活躍中。スティーブは90年ルマンで、アメリカニッサ ン(NPTI)エントリーのニッサンR90CKをドライブ、ファステストラップを記録し ている》 15 フォード・マスタング GY M.マーチン ロッシュ (91年GTO-3位/92年デイトナGTO-1位) 21 オールズモビル・カトラス BF トミー・リギンズ リギンズ (91年GTO-5位) (91年AAC-1位) エンジニアリング ◆GTUクラス◆ 95 ニッサン240SX TY ボブ・レィツィンガー レィツィンガー (91年GTU-1位) (91年GTU-3位) レーシング 《ボブ・レィツィンガーのチームからは、息子のブッチ・レィツィンガーも24 0SXでGTUに参戦中》 38 マツダMX-6 GY ジョン・フィンガー J・フィンガー (90年GTU-1位) (90年GTU-2位) レーシング 《90年には圧倒的な強さを見せたが、IMSA独特のルールで、シーズン途中で 重量やウィングサイズにハンディを課せられ、91年はぱっとしなかった》 ●日程/観戦入場料 大人 小中学生 大人前売り 公開練習 3月27日(金) 1,000円 --- --- 公式予選 3月28日(土) 3,000円 1,000円 --- 決 勝 3月29日(日) 6,000円 2,000円 5,000円 *パドックパス 3日間通し券 15,000円 *3日間通し大人前売り券 7,000円 *駐車料:4輪・1,000円 2輪・500円 バス・3,000円 *有名プレイガイド、カーショップにて前売り 主催:日刊スポーツ新聞社 ロードランナーレーシングクラブ(RRC) 後援:文化放送、IMSA、アメリカ大使館 (主催の「日刊スポーツ新聞社」のご厚意で、FMOTOR4でもチケットプレ ゼントの予定。詳細は後ほど) ●開催競技 1:IMSA CHALLENGE in JSS 36台/20周×2ヒート 2:FJ1600 32台/12周 3:日産ザウルスカップ 36台/10周 4:日産ザウルスジュニア 36台/10周 5:シルビア・ワンメイクレース 39台/10周 ●アトラクション ジェット・ドラッグファニーカー 0~400mデモ走行 RIJ-すがやみつる(FMOTOR4 Group Manager SDI00104)