SUPER GT

SGT:第1戦鈴鹿 TAKATA童夢NSX(道上/小暮組)が7位 (HONDA)

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2008年3月16日(日) 決勝 会場:鈴鹿サーキット 天候:予選/晴れ 決勝/晴れ 気温:17℃(14:00現在)

 3月16日(日)、三重県にある鈴鹿サーキットにおいて2008 オートバックス SUPER GT 第1戦、鈴鹿GT300kmの決勝レースが開催された。

 昨シーズン、圧倒的な強さを発揮してタイトルを獲得したHonda NSX-GTは今シーズンのレギュレーションにより特別性能調整が課され、車体重量が昨年より50kg重い1150kgで参戦することとなった。基本、シャシーを2シーズン変更できないルールにのっとり、昨年モデルの進化型のシャシーを使用している。

 さらに、今シーズンはウエイトハンデのシステムが変更され、マシンの車重は1200kgまでとなり、それ以上のハンデはリストリクター径の縮小により対応されることとなった。ポイントシステムは昨年同様に、ドライバー・タイトルのポイントが第6戦以降の最低ポイントの2レースを除いた7戦を有効 (チーム・タイトルは全9戦を対象とする)となっている。

 NSX-GTは、今シーズンも5チーム5台体制で参戦する。ドライバーはAUTOBACS RACING TEAM AGURI(#1 ARTA NSX)に伊沢拓也選手、EPSON NAKAJIMA RACING(#32 EPSON NSX)に平中克幸選手、Team Kunimitsu(#100 RAYBRIG NSX)に井出有治選手が新たに加入し、GT500クラスのタイトル連覇を狙う。

 マシンは昨年より50kg増というハンデをカバーするために、「マスの集中化」を目指し、フロントとリアの剛性を向上させている。さらに、空気抵抗の低減を進めたためにリア周りの形状が変化している。開幕戦では、全車が3.5リッターのエンジンを搭載している。

 3月15日(土)に開催された公式予選において、NSX-GTは予選1回目の上位10台で決勝グリッドを争うスーパーラップに4台が出場。NSX- GT勢のトップタイム1分52秒910を記録した#18 道上龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)が6番手。続く7番手に#32 ロイック・デュバル/平中克幸組(EPSON NSX)、9位に#100 井出有治/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)、#1 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)は、R.ファーマン選手がデグナーカーブでクラッシュしたために10番手からのスタートとなった。#17 金石勝智/金石年弘組(REAL NSX)は12番手からのスタートとなった。

 16日(日)の決勝日は、天候に恵まれて気温17℃、路面温度も33℃と絶好のコースコンディションとなった。14時00分にフォーメーションラップを開始し、38台(GT500クラス計16台)のマシンがローリングスタートを切った。NSX-GT勢はそれぞれのポジションをキープして1コーナーへ。その後、2コーナーで#12 カルソニック IMPUL GT-Rのコースアウトによりそれぞれポジションをアップ。しかしNSX-GT勢のトップを走る#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手は、3周目に6位へ、4周目に7位へと後退。5周目以降、#18 TAKATA童夢NSX、#32 EPSON NSXの平中選手、#17 REAL NSXの金石年弘選手が7-9位に続き、#100 RAYBRIG NSXの井出選手が11位で追いかける展開となった。午前のフリー走行でトラブルに見舞われ、ピットスタートを余儀なくされた#1 ARTA NSXは5周目にコースインを果たしている。

 その後、9周目のシケインでは井出選手の#100 RAYBRIG NSXが後続に追突されたためにコースオフを喫し、ポジションを14位に落とす。その後、12周目に緊急ピットインを行い、フロントタイヤを交換した。

 21周目には、NSX-GT勢の先陣をきって#100 RAYBRIG NSXがピットイン。続く22周目に#32 EPSON NSX、23周目にはNSX-GT勢のトップを走る#18 TAKATA童夢NSXもピットイン。それぞれ細川選手、L.デュバル選手、道上選手へのドライバー交代が行われた。

 GT500の全車がピットインを終えた29周目には、7位に#18 TAKATA童夢NSX、10位に#17 REAL NSX、11位に#32 EPSON NSX、14位に#100 RAYBRIG NSX、15位に#1 ARTA NSXが走行する。

 32周目、#18 TAKATA童夢NSXは、#35 宝山 KRAFT SC430にパスされて8位に後退。レースも残り10周となった42周目、#3 YellowHat YMS TOMICA GT-Rがマシントラブルによりスローダウンし、#18 TAKATA童夢NSX、#17 REAL NSX、#32 EPSON NSX、#100 RAYBRIG NSXがそれぞれポジションアップを果たした。

 50周を消化してもなおポジションは変わらず。NSX-GT勢のトップは7位の#18 TAKATA童夢NSXの道上選手。道上選手は昨年までNSX-GTをドライブしていた#6 ENEOS SC430を駆る伊藤大輔選手と激しいバトルを繰り広げ、多くのSUPER GTファンを熱狂させた。

 道上選手は、この争いを制して7位のチェッカーフラッグを受けた。51周目には伊藤選手がドライブスルーペナルティを受けたために、後続の#17 REAL NSXの金石勝智選手はラスト2周でポジションアップを果たして8位となった。#32 EPSON NSXのL.デュバル選手は10位、#100 RAYBRIG NSXは13位、最後まで走行を続けた#1 ARTA NSXは47周を走行してGT500クラス14位(総合21位)となった。優勝は#23 XANAVI NISMO GT-Rだった。

コメント
白井裕|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「ディフェンディングチャンピオンとして挑んだ開幕戦でしたが、とても悔しい結果となりました。ARTA NSXに起きた駆動系のトラブルの原因は、初めての事象でしたので今後詳しく調べるつもりです。レースを振り返ってみると、やはり50kgのウエイトハンデが響いたことは事実です。さらに、タイヤの選択も一つの要因だったと思います。全車のエンジンがトラブルフリーだったことはよかったと思いますが、これから全体のパフォーマンスを高めて、トップ争いに加わるべくチャレンジを続けたいと思います。次の岡山ラウンドはNSX-GTのパフォーマンスを十分に発揮できるようにがんばりますので、皆様の応援をよろしくお願いいたします」
道上龍選手 (7位、#18 TAKATA童夢NSX)
 「50kgの重量増によりタイヤに厳しいレースとなりました。タイヤをいたわりながら順位をキープしつつ走りました。昨年とは全く違った展開でファンの期待には応えられませんでしたが、我慢して7位で走りきってポイントを得られたことは大きな収穫となりました。与えられた条件でベストを尽くしたと思います。次の岡山ラウンドは、2年連続ポールポジションを獲得するなど相性のいい場所です。テストでも感触がよく、自信があるので何としても優勝したいと思いますので期待してください」
小暮卓史選手 (7位、#18 TAKATA童夢NSX)
 「予選のスーパーラップでは、チームがすばらしい仕事をしてくれたおかげでマシンのバランスがよく、NSX-GT最上位のタイムを記録できました。ただ、まだセッティングの煮詰めをしなければならない部分もありますし、僕個人でいえばタイムアタックの前半部分でもう少しタイムを縮めることができたかなと思います。決勝レースは気温が思ったより高く、タイヤに厳しい展開となりましたが、ペース配分を考えて着実なレース運びを心掛けました。次の岡山国際サーキットは、NSX-GTとの相性もよいですし、僕にとってリズムの取りやすい好きなサーキットなので、とても楽しみにしています」

Text & Photo: HONDA



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