SUPER GT

SGT:第4戦SUGO SUGOの魔物健在、終盤の降雨とアクシデントで大波乱、伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組LEXUS SC430が2位表彰台 (TOYOTA)

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2位表彰台を獲得したKeePer TOM'S SC430 37号車の
アンドレア・カルダレッリ(左)と伊藤大輔(右)

 SUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」が7月27日(土)、28日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。

 全8戦で戦われるシーズンも、前半戦を締めくくる第4戦目を迎えた。これまでの3戦は、3メーカーが1勝ずつを分け合うという激戦となっている。灼熱のセパン戦から1ヶ月半。日本も本格的な夏のシーズンに入り、更なる熱い戦いが予想される。

 LEXUS TEAMのSC430は、昨年1-2フィニッシュを飾ったSUGOで、今季2勝目を狙う。

◆予選◆

 27日(土)、公式練習に続き予選が行われた。午前中の公式練習は、雨こそ降っていなかったもののウェットコンディションの下で開始され、徐々に路面は乾いて行った。しかし、セッション後半には、コースを霧が覆い、視界不良のために3度にわたって赤旗中断。GT500クラスはドライとなった占有走行時間ではあまり走れないままに公式練習を終え、予選に臨むこととなった。

 午前2時、霧はやや晴れ、気温、路面温度ともあまり上がらないまずまずのコンディションで、ノックアウト方式の予選が開始。路面はドライながら、空には重い雲がかかり、いつ雨が落ちてきてもおかしくない状況で、SUGOでは特に重要な決勝レースでのスターティンググリッドを決める、激しいタイムアタックが繰り広げられた。

 GT500クラスはQ1で上位8台がQ2へと進出。LEXUS SC430勢はKeePer TOM'S SC430が10番手、WedsSport ADVAN SC430 19号車が12番手、ENEOS SUSTINA SC430 6号車が13番手でQ2進出ならず。

 Q2もドライで開始されたが、徐々に空は暗くなっていき、セッション残り数分になるとついに雨が降り始めた。このため、最後は各車ピットに戻った状況でセッションが終了することとなった。

 そんな中、DENSO KOBELCO SC430 39号車の石浦宏明が52kgものウェイトハンデをものともせず好走。惜しくもポールポジションには届かなかったものの、最前列2番手グリッドを獲得した。ZENT CERUMO SC430 38号車は立川祐路がトップから僅か0.5秒差という速さを見せるも5番手。PETRONAS TOM'S SC430は8番手から明日の決勝レースに臨むこととなった。

 GT300クラスでは、Panasonic apr PRIUS GT 31号車が僅差のアタック合戦の中で上位を争い、2列目4番手グリッドを確保した。

◆決勝◆

 28日(日)の決勝スタート時には、天候は前日から一転、夏らしく晴れ上がり、路面温度は前日の予選時から15度以上も高いコンディションで、午後2時に81周で争われる決勝レースのスタートが切られた。

 最前列2番手グリッドの39号車は、スタートで並びかけられたものの2位をキープ。その後も石浦が首位を追った。

 5番手スタートから序盤順位を維持した38号車は、平手晃平が激しいプッシュを見せ、16周目のストレートで、コースをはみ出しながらピットウォールぎりぎりのラインで前走車をパスし、3位に浮上。10番手スタートの37号車を駆るアンドレア・カルダレッリも着実にポジションを上げ、18周目には5位へと浮上した。

 レースが進んでいくに気温が下がり、天候も怪しくなっていく中で、30周を過ぎたあたりから各車中盤のピット作業を開始。40周目、首位のREITO MOLA GT-R 1号車とそれを追う39号車が同時にピットイン。ここで脇阪寿一へと交代した39号車は、ライバルよりも短いピット作業で逆転、首位を奪った。

 首位に立った39号車は独走状態に。その後方では、立川へと交代した38号車が、1号車と激しい2位争いを展開。観客が息をのむようなサイド・バイ・サイドでのバトルを繰り広げた2台は、48周目に1コーナー進入で接触。38号車はレースを続行したが、この隙を突かれ3位に後退。

 残りが25周ほどになったところで、雨が降り始めた。濡れ始めた路面で速さを見せたのが38号車の立川。67周目に前を行くウイダー モデューロ HSV-010 18号車をパスすると、勢いそのままに、首位を逃げる39号車の脇阪も捕らえ、68周目に首位浮上。翌周、脇阪も意地を見せ、1コーナー進入で一旦前に出たもの、立ち上がりでは立川が首位を奪い返した。

 なおも首位を争う38号車と39号車だったが、70周目のレインボーコーナーで、GT300クラスの車両をかわそうと3ワイド状態になったところで、アウト側の38号車がスピン。コースアウトした38号車はグラベルトラップにはまり、上位争いから脱落してしまった。

 その直後には、39号車をパスしようとした2台のHSVが、両脇から挟む形で、39号車と接触しながらクラッシュ。39号車は車両前部にダメージを負ったものの、首位でそのままレースを続行した。

 魔物が住むと言われるSUGOならではの、大荒れとなった後半戦、生き残った39号車が独走状態で逃げ切るかと思われたが、73周目、突然右リアタイヤがバーストし、スピン。39号車は何とかピットまで戻り、タイヤを交換してレースに復帰したが、4位へとポジションを落としてしまった。

 これで37号車が首位に浮上。しかし、雨足が強まる中で、37号車はライバルの先行を許し、2位に後退。刻々と変化するコンディションの中、1秒以内の差まで追い上げた37号車だったが、逆転には至らず、2位でチェッカーを受けた。39号車が4位、6号車が6位、19号車が9位、36号車が10位でポイントを獲得。

 GT300クラスでは、予選で4番手につけていた31号車だったが、決勝直前にクラッチ周辺のトラブルに見舞われ、2周遅れてピットからスタート。波乱のレースを最後まで走りきったものの22位に終わった。

KeePer TOM'S SC430 37号車 ドライバー 伊藤大輔:
荒れたレースだったが、アンドレア(カルダレッリ)がきっちり仕事をして繋いでくれたので、雨が降ろうが何が起ころうが、必死でコースに留まろうと考えていた。アンドレアと、お互い良いプレッシャーの中でのレースで、最終的に表彰台を獲得出来たことは良かったと思う。37号車は新しいチームで、メカニックも大分苦労しているが、こちらの要求に対してもみんなが頑張ってくれているので、優勝ではないが、結果が残って良かったと思う。これからもますます気を引き締めて更なる結果を目指す。
KeePer TOM'S SC430 37号車 ドライバー アンドレア・カルダレッリ:
誰もがわかる通り、とても難しく混乱したレースだった。(伊藤)大輔選手から、ここのサーキットのレースは荒れると言われていたので、集中して臨んだ。自分のスティントでは、ポジションを上げることも出来、クルマの調子も良かったので、何の問題もなく大輔選手につなぐことができた。雨が降り始めた彼のスティントでは波乱があり、最後我々には少しラッキーな結果となったが、これもレースだと思うし、これを励みに次のレースも頑張りたい。
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